Hot Tips:病気や制度の解説

'08/11/1更新

むずむず脚症候群について 2008.11.1 up!
寝ようと思って床に入ったのに、足がじっといられなくて、あるいは虫がはっているような違和感があって、眠れなくなったという経験ありませんか?
もし、そのような症状があれば、むずむず脚症候群かもしれません。
 
むずむず脚症候群はレストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)とも呼ばれ、名前の通り就床時に脚が落ち着かず(レストレス)、眠れなってしまう病気です。
  
具体的には、脚のふくらはぎや足の裏に「むずむず感」「火照り感」「虫が這うような感」「灼熱感」などと表現される症状が出現します。冷やしたり、湿布を貼ったり、足をばたばたさせたり、布団から出て歩いてしまったりするのです。入眠時が多いのですが、真夜中から早朝まで続くこともあります。このような症状のため睡眠が障害され、昼間もだるさ、疲労感が強くなり、眠気も起こります。うつ状態になることもあるので、注意が必要です。
 
有病率についてですが、欧米の調査で5〜6%、日本でも2〜4%といわれていて、決して珍しい病気ではありません。高齢者にも多いのも特徴です。慢性腎不全で透析受けている方、鉄欠乏性貧血、糖尿病、パーキンソン病などの患者さんにもみられることがあります。不眠症の方の数% 〜10%近くにこのむずむず脚症候群が含まれているとも言われています。
 
このように、決して稀ではないにもかかわらず、「むずむず脚症候群」の不快感や異常感覚は説明しにくく、また一般の方だけではなく、専門医以外の医師の間でもあまり知られていないため、多くの人が適切な治療を受けることができずに苦しんでいると考えられています。
 
原因や病態は未解明なことも多いのですが、脳内の神経伝達物質(神経間の情報伝達に大きな役割を果たす物質)の1つであるドパミンの機能低下による運動障害と考える説が有力です。ドパミンは精神活動を活発にすることに関与したりするほか、手足を動かすなどさまざまな運動をするときに潤滑油のような働きもします。一方、鉄はドパミンを合成する際にはたらく酵素に欠かすことのできない物質です。その鉄の欠乏や、そのほか何かの理由でドパミンがうまく働かなくなることで、「むずむず脚症候群」の症状が現れると考えられています(鉄‐ドパミン仮説)。
 
現在のところ、日本でむずむず脚症候群の治療薬としての適用を国から承認された薬は、まだありませんが、症状を緩和させるための薬はあります。鉄・ドパミン仮説などをもとに、主にドパミン神経に作用するような薬(パーキンソン病の薬)が津河割れます。それ以外にも不安緊張をとったり、睡眠を促してくれるベンゾジアゼピン系薬剤もよく使用されます。
 
「脚がむずむずして寝付けない」といった症状がありましたら、担当の医師にご相談ください。
 
高次脳機能障害 2008.5.28 up!
脳の損傷が原因で起こる高次脳機能障害は、症状が多彩で、また、目に見えづらい障害であるため、周囲の理解も、本人自身の認識も不十分なことが多くあります。
未だ治療体制も社会的な支援体制も確立されていないのが実情ですが、徐々に医療機関や行政機関など、相談窓口は広がりつつあります。
ここでは、高次脳機能障害とはどのようなものか、簡単にご案内いたします。
  
高次脳機能障害ってなに?
病気や事故などで、脳が部分的に損傷を受けたために、言語、思考、行動、記憶、注意、学習などの知的な機能(「認知機能」とよばれたりします)に障害が起きた状態を、高次脳機能障害と呼びます。
  ・注意力や集中力の低下
  ・新しいことが覚えられない
  ・感情や行動の抑制がきかない
  ・言葉の理解ができない
  ・物事の計画実行ができない
などの症状が出現し、周囲の状況に合った適切な行動が選べなくなり、生活に支障をきたすことがあります。
症状には個人差があり、全ての人に同じ症状が見られるわけではなく、また、慣れた環境や作業下では軽減し、疲れてくると増大するなど、おかれている場面によっても変わってきます。
 
高次脳機能障害を引き起こす原因は?
高次脳機能障害の原因となる疾患には以下のようなものがあります。
  ・脳血管障害:脳出血、脳梗塞など
  ・頭部外傷:硬膜外血腫、脳挫傷など
  ・感染症:脳炎、エイズ脳症など
  ・自己免疫疾患:全身性エリテマトーデス(SLE)、神経ベーチェット病など
  ・その他:中毒、脳腫瘍など
 
どこに相談、受診をしたらいいの?
病気や怪我を負ったときには、救急病院や脳外科などで、まずその治療を受け、徐々に回復し、安定して来たら、リハビリテーションを受けることになります。
身体に障害が残らなくても、上記のような行動や性格の変化などの症状が現れることがあります。
そういった場合は、かかりつけの病院の他、脳外科、リハビリテーション科、精神科などに受診し、相談することができます。
高次脳機能障害は、症状が複雑で個別性があるため、一概にどこの科が専門かは言えず、また、病院によってもちがうのが実情です。
病院のほか、保健所や市役所の障害担当窓口、地域の障害者施設や支援センターなどでも、相談することができます。
 
どのようなサービスが受けられるの? 
身体に障害が残った場合は、身体障害者福祉サービスを利用することができます。また、65歳以上の方、(または40歳以上で特定疾患と認定された方)は介護保険の利用も可能です。
多くの人が戸惑ってしまうのは、身体には大きな障害が残らず、でも、日常生活のいろいろな場面で不便が生じている時だと思います。
そのような時は、精神障害者福祉サービスを利用できる可能性があるので、精神科に受診することをお勧めします。
 
障害福祉には、大きく分けて身体障害、知的障害、精神障害の3つの分野があります。
高齢になると、それらのサービスよりも、介護保険を優先して利用することになります。
高次脳機能障害は、今までそれぞれのサービスの谷間に陥ってしまい、適切な対応がなされないことが多くありましたが、最近では障害の理解も広がり、相談の窓口も増えてきました。
仕事や学業に支障が出た時には、他の病気と同じように、様々な経済保障(失業給付、障害者手当、障害者年金など)の対象となる可能性があります。
当院でも高次脳機能障害に関する相談を受け付けております。医療相談室までご相談ください。精神保健福祉士が対応いたします。
 
関連情報:リンク、書籍 etc.
さらに詳しくお知りになりたい方は以下のサイトにアクセスしてみてください。
日本脳外傷友の会
 ⇒高次脳機能障害のことが症状、診断、制度のことなど幅広い情報が満載です。
ゆんるり
 ⇒横須賀市久里浜にある高次脳機能障害の相談センター&おにぎり喫茶です。