前立腺肥大症とは
指導/本間之夫
日本赤十字社医療センター泌尿器科部長


 
▼前立腺肥大症という病気
 前立腺は膀胱の下にある臓器で、その中を尿道が通っています。前立腺が大きくなり尿道をふさぎ、尿の通りが悪くなった状態が前立腺肥大症です。尿が出にくい、トイレが近い、我慢できないなどの症状が起こります。

 
▼どんな治療があるのか
 治療は大きく分けて、くすりと手術があります。
  くすりではα遮断薬が最も広く使われています。前立腺の緊張を取って、尿の通りを良くするくすりです。国産のα遮断薬は非常に優秀で、世界中の国々で使われています。他のくすりは、α遮断薬の補助として使われます。
  前立腺が大きく肥大した場合や、くすりでは症状が取りきれない場合には、手術となります。そのほとんどが内視鏡手術ですが、特に大きくなった前立腺の場合には、お腹を切って取り出す手術を行います。

 
▼日常生活での注意点
 風邪薬、アルコール、刺激物などがきっかけで、症状が悪くなります。最悪の場合は、尿がまったく出せなくなりますので注意してください。。

 
▼その他の注意点
 「肥大症だと思っていたら、実は前立腺癌だった」ということもあります。また、今は症状が軽くても、将来は薬が効かなくなると予測される場合には、早いうちに手術をすべきでしょう。症状だけでは他の病気とも区別がつきません。必ず一度は泌尿器科を受診しましょう。

 
 


 
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