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アトピー性皮膚炎では、皮膚のなかで炎症を起こす細胞が活発になっているために、皮膚が痒かったり、乾燥したり、赤くなったりします。炎症の原因の主な細胞は2 型ヘルパーT細胞と呼ばれるリンパ球で、この細胞が産生する物質が皮膚のさまざまな細胞に作用して、アトピー性皮膚炎の病状を形成します。
最近、さまざまなアトピー性皮膚炎の治療薬が登場し、塗りぐすり、飲みぐすり、注射薬など、治療の選択肢が増えてきました。塗りぐすりは、従来のステロイド外用薬やタクロリムス軟膏に加えて、それらとはまったく作用の異なるデルゴシチニブ軟膏が登場しました。デルゴシチニブ軟膏はステロイド外用薬でみられるような皮膚が薄くなったり、皮膚の毛細血管が増えたりという副作用はあまりみられません。ただし、ステロイド外用薬は多くの人に効果が期待できるのに対し、デルゴシチニブ軟膏は人によってあるいは皮膚の状態によってくすりの効果が変わる印象です。注射薬のデュピルマブは2型ヘルパーT細胞が産生するインターロイキン4とインターロイキン13というアトピー性皮膚炎の病気の形成に重要な物質をブロックする薬剤で、皮膚のバリア機能の回復、痒みの抑制、皮膚炎の抑制に高い効果がありますが、値段は高価です。副作用は重症なものはあまりないですが、結膜炎が出ることがあります。 |
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