高齢者の肺炎のくすり
指導/
森田篤帆 慶應義塾大学医学部呼吸器内科
福永興壱 慶應義塾大学医学部呼吸器内科


▼病気に関する基礎知識
 高齢者は市中肺炎や誤嚥性肺炎などを発症するリスクが高く、入院が必要な肺炎の10% 程度は命に関わるともされ、非常に重大な病気です。高齢者では発熱や咳、呼吸困難などの典型的な症状が出にくい場合もあり、意識障害や食事がとれないなどのサインを見逃さないことが大切です。また、ほかの病気でステロイドや免疫抑制剤をすでに飲んでいる人は特に注意が必要です。
▼治療に関する薬の解説(種類や副作用など)
 高齢者の肺炎では、主にβラクタム系の抗菌薬が使われます。中等症以下で外来治療を行う場合はオーグメンチンやアモキシシリン、またその両方が処方されることも多いです。副作用として比較的出現しやすいのは吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状で、2剤を併用する場合はより頻度が高くなります。重症例、マイコプラズマやクラミジア、レジオネラなどの非定型肺炎が疑われる場合には、それらをカバーしたマクロライド系やキノロン系抗菌薬を使用することもあります。アレルギーがある人や腎臓が悪い人は避けた方がよい種類のくすりもあります。
▼食事・運動などの生活における留意点
 バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動は免疫力を高めることにつながります。食事のときはむせ込まないようゆっくりよく噛み、口腔ケアも心がけましょう。
▼再発・予防のための対策
 肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種で予防できる肺炎もあるため、医師と相談したうえで打つようにしましょう。また、外出時のマスク着用、食事前や服薬前の手洗いなど、一般的な感染予防策も効果的です。


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