|
|
![]() |
|
内視鏡の話
内視鏡検査もレントゲン検査も同じ所をみるのだからどちらでも同じと思っていませんか?内視鏡とレントゲンの一番の違いはその観察力、病変の発見力・診断力です。レントゲンは影絵を観ているのに対して、内視鏡は超小型CCDカメラによるデジタル画像で直接消化管内を観察する方法です。月が肉眼ではウサギがいるように見えるのに、天体望遠鏡ではクレーターまでみえるくらいの違いがあります。
病変の発見に関して平成17年度の福島市の胃がん検診のデータを見てみると、一次検査の受検者数はレントゲン検査が12,204名、内視鏡検査が14,935名であったのに対して、発見がん数はレントゲンが15例(発見率 0.12%)、内視鏡が70例(発見率 0.47%)と内視鏡が約4倍のがんを見つけていることがわかります。さらにそのがんの進行度の内訳をみてみるとレントゲンでは進行がんが5例、早期がんが10例、内視鏡では進行がんが11例、早期がんが59例で、早期がんに限ると内視鏡はレントゲンの4.8倍の発見率でした。 また、検査は自己選択ですので検査間での受検者のかたよりはなく、レントゲンの受検者にもおそらく同じ数くらいの早期がんの方はいることが推測されます。残念ながら30−40名くらいの方はレントゲンでは発見できていないことになります。
それではどうしてすべて内視鏡検査へとならないのでしょうか?これには内視鏡の抱えるいくつかの問題点があります。まずは被検者(患者)側の問題です。胃の内視鏡であれば咽頭反射、大腸の内視鏡であればその方の大腸の長さ・走行により被検者側の負担の差が大きい事があげられます。つまりどんなに上手な人が検査を行っても辛い思いをする人は少なからずいるという事実があります。
次に検者側(医師)の問題として十分な技術を持った医師の絶対数不足があります。内視鏡はレントゲンに比べ技術習得が難しく検者間での技術差が大きいのです。現在の日本の医療制度では医師免許を持ってさえいれば何科の医師であろうとプロとして内視鏡検査は可能なのです。同じプロといっても野球界での松井秀喜やイチローのような超一流選手もいれば日本の球団の2軍選手がいるように、本人の能力・努力によって相当の技術差があるのは当然の事です。ただ野球の場合はその成績のよって年棒は大きく異なるのに対して内視鏡は技術の巧拙にかかわらず、検査料は全国一律です。これが逆に患者側にはどこでも全く同じレベルでの内視鏡が受けられるという誤解を引き起こしているともいえます。 前述のように検査方法としてはすぐれた観察力をもつ内視鏡ですが、それを使う医師側にも確かな技術(腕)がないと、反対に患者側につらい思いをさせるだけとなります。実際、技術の未熟な医師の内視鏡を一番最初に受けたためにそれがトラウマになり二度と検査を受けたくないと思っている人も多いのです。これは重大な問題で内視鏡を受ければすぐに見つかるような病変でも内視鏡を受けたくないがために発見が遅れるというケースもあり、最初に施行した医師にもその責任の一端はあるといえるかもしれません。 あともうひとつは感染の問題があります。内視鏡を介して他の患者からの細菌やウイルスなどの感染の危険性が指摘されており一度に多くの検査を続けて行わなければならない集団検診などには不向きであるといえます。
被検者(患者)側からの上手な内視鏡とは当然しっかり観察されていることを前提としているのでただ一点苦しくないことのみです。しかし、医師側からみた上手な内視鏡とは苦しいかどうかよりも消化管内の詳細な観察が短時間に的確にできて所見の判別が即座に行えることです。この両者間には大きな開きがあり、十分に観察するためには空気を入れて胃や大腸を十分に膨らませて観察する必要があり、これが患者側には苦しくなる要素となります。これらを何とか両立させ、できるだけ苦痛がなく十分な観察ができるのが上手な内視鏡検査といえるでしょう。
また、複数の内視鏡医がいるような大きな病院では、他の医師によるチェックもあるため観察は比較的しっかりしている場合が多いようです。ただ、患者側に苦痛を与え、その人が次回検査をその病院で受けないことになっても、その評価は検査医師個人というよりは病院への評価となるため(つまり一般的には誰先生にやってもらったら苦しかったと言われるよりは、あそこの病院で検査を受けてきたら苦しかったと言われることが多い)、比較的楽に受けてもらおうという点には無関心になることが多いようです。その点一人の医師で行っているような個人医院では、検査時の苦痛の有無が大きくその医院の評判を左右するので、いかに内視鏡をうまくのませるかには十分気を付けている所は多いようです。ただ観察という点では他の医師によるチェックが効かないために、唯我独尊的な検査となりがちで観察が十分でないことも多いということは否めません。
今まで述べてきたような事を十分に考慮し、まず苦痛の少ない検査を受けてもらえるように当クリニックでは積極的に意識下鎮静法という方法で検査を行っています。具体的には検査直前に鎮静剤を注射してリラックスした状態で検査を受けてもらう方法です。検査中は呼吸循環状態のモニタリングをしておりますので安全に受けられます。この方法で年間1,000件以上の検査を行い、ほとんどの方に満足していただいております。まだ福島ではこの方法を導入している施設は少なく福島市外、県外からも検査を受けに来る方もいます。
また、大腸検査では挿入時の苦痛の軽減のために患者さんの腸の状況にあわせて内視鏡の硬さを変えることができる最新式の硬度可変式の内視鏡を用いて検査を行っています。 診断面では発見胃がんは平成16年の胃内視鏡数1,013件で胃がん9例(0.89%)でその内訳は進行がんが2例、早期がんが7例、さらに早期がんのうち内視鏡的な治療が可能であったごく早期のがんが5例で比較的良好な発見率であるといえます。 また、検査ごとに十分な内視鏡の洗浄を行っておりますので、衛生面でも安心して検査を受けて頂けます。 他施設で内視鏡を受けてつらかったけれど病気の早期発見のために内視鏡は受けたいという方は一度ご相談ください。(文責 八子章生) |
| | 八子胃腸科内科クリニック トップページへ | 医師のご紹介 | 当院のご案内 | 交通案内 | 内視鏡の話 | ピロリ菌の話 | |
|
Copyright (C) 2010 YAGO CLINIC All Rights Reserved.
│ 病院検索・医院検索TOPへ
|





