大腸内視鏡検査とポリープ切除について

大腸内視鏡検査

(1)大腸内視鏡検査を行う目的

近年、食生活の欧米化に伴い、大腸がんや大腸ポリープといった腸の病気が増えています。大腸ポリープはがんではありませんが、放置すると大きくなってがん化することがあります。そのため、特に5ミリ以上の大きさのポリープは切除をすすめます。
大腸がんや大腸ポリープなどの腸の病気は粘膜から発生するため、粘膜表面をくわしく観察できる大腸内視鏡が病気を早期に発見できる最も適した検査方法です。また、診断と同時に内視鏡での切除といった治療(内視鏡手術)も同時に可能です。

(2)検査までの準備

1)大腸に便が残っていては、大腸内視鏡を入れることもできませんし、観察もできません。そのため、大腸から便をなくすために、食事の内容に注意し、前日夜と検査当日に下剤を飲んでいただきます。当日の下剤は約2リットルあります。口に合わず飲めない場合には、より飲みやすい下剤に変えます。下剤は自宅で飲んできていただくことも出来ます。スタッフにご相談くください。下剤の飲みかたは、最初に約1時間かけて1リットル飲んでいただき、便の反応をみます。その後0.5リットルずつ追加して飲んでいただきます。なお、知らず知らず腫瘍などで腸が細くなっている場合には、下剤を飲んでいるときにおなかの痛みや張った感じ、あるいは吐気がすることがありますので、その場合はスタッフにお知らせください。
2) 病変が見つかった場合、生検(粘膜の一部をとって顕微鏡で調べること)や切除を行います。血を固まりにくくしたり、血をとまりにくくする(血液をサラサラにする)お薬を服用されている方は、生検やポリープ切除を行わないことにして内視鏡検査をするか、あるいはしばらくの間(薬によって1日から14日間)お薬を中止して内視鏡検査をする必要がありますので、あらかじめスタッフにお知らせください。

(3)内視鏡検査の実際

1)検査の前に腸の動きを止めるためのお薬を注射します。この注射の影響で一時的に目がチカチカしたり、口が乾いたり、動悸がしたりします。また、検査後に尿が出にくくなったり、血糖値に影響が出ることがあります。心臓病、前立腺の病気、緑内障、糖尿病などをお持ちの方はあらかじめお知らせください。
2)検査はおおむね20分から30分くらいで終わります。ポリープの切除をする場合はもう少しかかります。検査中の痛みについては、ほとんどないか、腸が突っ張る感じがするだけの方が多いですが、腸がおなかの中でくっついている(癒着といいます)人の場合には痛みを感じます。その場合でも痛みが最小限になるよう検査をしますので、苦痛があれば遠慮なくお知らせください。おならがしたくなったら遠慮なく出してもかまいません。
3)ポリープや早期のがんが見つかった場合、内視鏡で切除を行います。切除は痛くありません。しかし、電気で腸の一部を焼ききることになるので、術後の食事療法と経過観察が必要となります。小さなポリープの切除であれば帰宅していただいてもかまいませんが、大きなポリープを切除した場合には、念のため近隣の病院(金沢市立病院や金沢医療センター等)に一泊入院をお願いすることがあります。もし、ポリープがみつかってもポリープ切除をしてほしくない方はあらかじめスタッフにお知らせください。

(4)大腸内視鏡検査とポリープ切除の合併症(偶発症)

大腸内視鏡検査は基本的には安全な検査ですが、まれに合併症が生じる場合があります。合併症には検査に用いる下剤や薬が原因の場合と、内視鏡そのものやポリープ切除によるものがあります。最近の全国調査によると大腸内視鏡検査の合併症の頻度は0.04%(1万件に4件)です。ポリープを切除した場合、合併症として出血と穿孔(腸に穴が開くこと)があります。出血は1%以下にみられ、検査終了後に真っ赤な便がでることで気づきます。ほとんどの場合、絶食のうえ、追加の内視鏡処置を行うことで止血されます。しかし出血した場合、入院による経過観察が必要となります。穿孔は0.1%(1000人に1人)で発生します。多くの場合、切除後1日以内におなかの痛みや熱がでることで気づきます。腹膜炎を併発し、開腹手術が必要となる場合があり、入院加療を要します。そのほか、使った薬に対するアレルギーやもともとお持ちの病気(心臓病や脳梗塞など)と関係した合併症もありますので、検査前に薬のアレルギー体質や持病をスタッフにお知らせください。

(5)検査後の注意事項

検査の後、一時的に目がチカチカしたりすることがありますので、車の運転などは十分に回復してから行ってください。鎮静剤を使用された方は、ふらつき、眠気、ぼーっとした感じが完全になくなるまで車の運転は控えてください。検査当日はスポーツや重労働を避けてゆっくり休養してください。
血便(赤か赤黒い便)や貧血症状(立ちくらみ、めまい、動悸、冷や汗)、長く続く強い腹痛、長く続く腹部膨満感、発熱がある場合には合併症が起きている可能性があります。ただちにクリニックに連絡してください。また、来院する場合はご自分で車の運転はしないでください。またポリープ切除の場合、合併症は術後1週間後に起きることもありますので、1週間は旅行や出張は避けてください