第2、4金曜日の新聞折込タウン誌に掲載している記事です。
アレルギー関連疾患の根本的な体質改善を目指したQ&Aコーナーです。
小児科医として、県立こども病院神経外来の経験から、育児や発達や病気についてのエッセイです。
高血圧、糖尿病、肥満、高脂血症などのお話です。
新聞折込タウン誌「常陽ウィークリー(毎週金曜日)」に7週毎に1回順番が回ってくるコラム掲載記事です。
かんぽう健康アドバイス(常陽ウィークリー連載)
春のめまい、肩こり、頭痛と鼻炎
2012年3月9日掲載
Q. 何となく首や肩の凝りが気になり、朝、起きた時にめまいや頭痛がして、寒い日は特に頭が重く痛くなり、めまいで起きていられない時もあります。
A. 漢方の古典、素問に「春は病、頭にあり、肝にあり」とあり、春は陰陽五行説の「木」の気が盛んになり五臓の肝に影響するので、春に肝気が狂ってイライラしたり、筋肉が凝って吊りやすくなったり、女性は肝の経絡の変調から月経痛や月経不順になりやすい季節です。気温が上昇するに連れて気血水が頭に上ってうっ血し、肩が凝って頭痛やめまいを起こしやすくなります。またスギ花粉や黄砂や春一番の強風で、気付かないうちにノドを痛めることも多い季節です。肩や首が凝ると頚椎性の片頭痛にもなります。上昇した「気」を葛根湯や半夏厚朴湯で下げ「血」を桂枝茯苓丸などで下げ「水」を苓桂朮甘湯や半夏白朮天麻湯などで下げて春の影響を和らげる必要があります。漢方で気血水のバランスを整える工夫を続けることは、アレルギー性鼻炎の根本的な体質改善にも有効です。
花粉症と昼間の眠気
2012年2月24日掲載
Q. スギ花粉症です。目が痒くなって鼻がムズムズして鼻水もでます。毎年病院から薬をもらっていますが、眠気が心配です。漢方薬は眠くなりませんか。
A. 花粉症は、鼻にアレルギー性鼻炎、眼にアレルギー性結膜炎、皮膚に接触性皮膚炎、下気道にアトピー咳嗽が起きるアレルギー性炎症の集まりですから、ひどくなると微熱や全身倦怠、頭痛なども起きます。花粉症だけでも倦怠感が出て眠くなります。アレルギーに多く使われる抗ヒスタミン剤は、脳のヒスタミン神経を抑制して眠くなる作用がありますが、さらに集中力・記憶力が低下し、イライラして、食欲を増す作用があるので、神経抑制の起きにくい抗ヒスタミン剤が良いと思います。花粉症の漢方薬は逆に目が冴えて夜眠れなくなる人がいるほどで、眠くなる事はありません。昼間の眠気は胃腸虚弱でも起きます。日頃から昼ご飯を食べると眠くなったり、夕方に眠くなりやすい人は胃腸虚弱体質の人です。漢方薬で眠気体質の改善が可能ですので、花粉症には漢方薬の併用が良いですよ。
鼻アレルギーとチョコと漢方
2012年2月10日掲載
Q. 毎年スギ花粉症に悩まされます。病院に行くとアレルギー体質そのものは治らないから、症状が出たらお薬でコントロールすれば良いと言われます。漢方で治りますか。
A. 昭和30年代には3割もなかったアレルギーが平成10年には調査した大学生の86%で何らかのアレルギー血液検査が陽性だったとの新聞記事がありましたが、その後の10数年でアレルギーがさらに増えています。チョコでアトピーなどのアレルギーが悪化しますが、獣肉や乳製品や高コレステロール食過多と野菜不足から、多くの人が炎症を起こしやすい瘀血体質になっています。これがアレルギーを増やし悪化させる大きな要因です。さらに生活習慣の変化で脾虚(胃腸虚弱)や腎虚(新陳代謝の低下)が増えて細胞性免疫力(抵抗力)が弱まると、全身がかぶれやすくなり、鼻が詰まり、カゼを引きやすくなります。漢方的な考え方を取り入れて瘀血や脾虚腎虚を治す体質改善の本治を続けていると、アレルギー症状が改善する人が増えるはずです。
頭痛肩こりのカゼとノドの痛むカゼ
2012年1月27日掲載
Q. 夜間に暖房をつけたままコタツで寝てしまいました。翌朝ノドが痛くなり、数日続いてその後に、毎朝ノドに痰が絡むようになりました。
A. 体を冷やし過ぎて寒気の影響を強く受けると、頭痛や肩こりを主とする葛根湯タイプのカゼを引きやすいのですが、冬に体を温めすぎると、体が乾燥しすぎてノドが枯れて痛くなるカゼを引きます。漢方では、ノドが腫れて高熱の出る「温病うんびょう」タイプのカゼといいますが、葛根湯は上半身の血行を良くして発汗して乾燥させるので、このタイプのカゼには良くありません。健康保険に収載されたものではありませんが、銀翹散をよく使います。健康保険収載薬では数種類を組み合わせて銀翹散に近いものを考えて出す必要があります。「冬に精を蔵せざれば春に必ず温(うん)を病む」と言って、冬に体液を消耗すると、春の気温の上昇に付いていけずにノドが著しく乾燥して、扁桃炎など高熱のカゼを引きやすくなります。ミカンなどの果物を多めにして体を潤す工夫が必要です。
春の花粉症の体質改善
2012年1月13日掲載
Q. 毎年スギ花粉症に悩まされています。いつ頃から薬を飲んだら良いのでしょうか。別の病院では花粉症はアレルギーだから、症状を抑える薬はあるが、治ることは無いと言われました。
A. 花粉症は1960年頃から注目され、70年代中頃からスギ花粉症が急増して社会問題となりました。スギは江戸時代から吉野杉や秋田杉、北山杉など全国に植林されていたので、杉が悪いのではなく、人の体質が変わって花粉症が増えたのです。日本の高度経済成長期で獣肉の消費量が4倍となり、世界的にリノール酸の豊富な植物油が広まった時期と一致します。漢方的に見れば瘀血を悪化させて炎症しやすくなる食品です。瘀血になると月経痛や高血圧、アトピーや乾癬なども悪化します。瘀血を治す漢方治療や食養生で元の病気が良くなると、花粉症も軽くなる人が多くいます。今から魚や豆や野菜を中心とした食事と漢方で瘀血体質の改善を図りながら、1ヵ月前から抗アレルギー薬を服用すれば、今期の花粉症を軽くできる可能性がありますよ。