目の病気のお話 1


1.糖尿病網膜症

糖尿病では血液の粘性が高くなり、血管に負担がかかります。そのために、網膜で出血(いわゆる眼底出血)を起こしたり血管がつまったりして、放置していると大出血を起こしたり網膜が剥がれ(網膜剥離)て失明します。糖尿病の患者さんは全国で約700万人いると言われていますが、毎年3千人の方がこの糖尿病網膜症で失明しており、現在わが国における成人の失明原因の第1位となっています。この病気の怖いところは、本人の全く気がつかないうちにじわじわと進行するため、血糖値のコントロールも良いし視力も良いからと長期間ほっておき、見づらいなと自覚したときにはもう視力の回復を望めない状態まで悪化していることが多いことです。

2.飛蚊症

明るい所や白いシーツなどを見つめると、目の前に糸くずや虫が飛んでいるように見えることがあります。手で払ってみても何もありません。視線を動かしても一緒に移動してくるように感じられ、まばたきをして目をこすっても消えませんが、暗い所ではきにならなくなります。このような症状を『飛蚊症』と言います。原因は、眼球の中にある硝子体(しょうしたい)というゼリー状の透明な物質の中にできる濁りです。この濁りは生理的な物と病気が原因で生じる物があります。特に網膜裂孔・剥離、硝子体出血やぶどう膜炎などが原因の場合はすぐに治療をしないと失明する場合もあり、飛蚊症と同時に視力が落ちるようならすぐに眼科を受診して下さい。

3.緑内障

40歳以上の方の17人に1人が緑内障にかかっていると言われています。この緑内障は、何らかの原因で視神経が障害されて視野が狭くなる病気です。眼圧の上昇がその病因の一つであり、加齢や遺伝的な素因、血流障害などの関与も疑われています。急性の緑内障では眼の痛みや頭痛、吐き気などの激しい症状をおこして、急激に視力が低下することがあります。しかし、一般的には慢性の緑内障が多く、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあり、障害を生じた視神経が正常になることはありません。そのため、早期発見と早期からの適切な治療が良い視機能を生涯保つために必要となります。緑内障の診断には、眼圧検査、眼底検査、視野検査が必要です。40歳以上の方は、特に血縁者に緑内障の方がいる場合には、上記の検査を一度受けることをお勧めします。

4.ドライアイ

ドライアイは800万人以上の患者さんがいると推定されており、眼が疲れやすい、何となく眼に不快感がある、眼が乾く感じがする、あるいは眼が重いなどの症状がでます。これは涙の基礎分泌という、自分では感じていませんが常時少しずつ出ている涙が不足したり、涙の質が変化して眼の表面に障害を生じる病気です。生活環境を改善する事で症状を軽くすることができます。症状が強い場合には角膜などに傷がついている場合もあるので眼科を受診して、治療が必要かどうかを診てもらって下さい。

5.VDT症候群

VDTとはコンピューターを使うための表示装置のことです。VDT症候群とは、VDTを使った長時間の作業により、眼や体や心に影響のでる病気です。眼の症状としては目の疲れ、視力が落ちる、目がかすむ、眼が痛むなどがあり、ひどくなるとめまいや吐き気をおこすこともあります。仕事の環境を改善することで症状を軽くできますが、ドライアイや緑内障が悪化することもありますので、眼科医にご相談下さい。

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