開業奮闘記
患者さんのこない毎日がつづいた、開業当時
皆さんはじめまして。光栄なことに、マイクリニック通信の原稿を書かせて頂くこととなりました。
今回、六本木駅のすぐ傍に内科のクリニックを開院しました。どうも僕らの年代(40歳前後)は、周りの友達を見ても“人生の岐路”に立たされている人が多いようで、私も御多分にもれず、紆余曲折の末、開業とあい成りました。読者先生方は、多くが、開業医の先生と聞いていますので、既に通って来た道だと思います。昔を懐かしんで読んで頂ければ、と思います。
やはり、単純に開業と言っても並み大抵のものではありません。まずは場所探しから始まり、事業計画、融資交渉、開業戦略、医師会への根回し、内装計画、広告戦略、医療機器選定、人事採用関係、嫁姑問題(これはチョット違うか?)と、山のように、毎日分刻みで動いていました。それでも、“丸投げ”だけはやめようと、自分自身ですべて関わったことは、後から考えると非常に財産にはなりましたが、本当に大変な毎日でもありました。
今までは、お金も貯めずに放蕩していたツケもまわり、融資を受ける金融機関ではボロクソに言われ、クヤシ涙で事業計画の見直しを重ね、場所も二転三転としましたが、ようやく行き着く場所に落ち着いた感じです。
さて、上述の資金繰り等、てんてこ舞いの毎日でしたが、先輩医師の“大丈夫、開業すればヒマになるから”との言葉の通り、いざオープンしてもさっぱり患者さんが来ません。皆さん、“半年はすんごい大変だよ”とのことであり、覚悟はしていたものの、一日中待っているのも辛いものです。
同時期に開業した歯科医の同級生と「今日はどう?」「ウチは一人」「うん、ウチも一人」という、傷の舐め合いのメールが行き交う毎日です。以前は患者さんからは、お茶菓子を貰ったりしましたが、今となると、以前診ていた患者さんが来てくれようものなら、涙、涙で、時間がある時は、コーヒーまで出してしまいます。もちろん会話も、“イイお天気ですね”から始まります。なんと言っても、人との会話に飢えているんです。
しかしここで一念発起、“窮すれば通ず!”、マイクリニックとの出会いで、インターネットを駆使した開業戦略の開始です。
日々是決戦!そしてマイクリニックとの出会い
ここまでは、開業までの長い道のりについて述べさせて頂きました。 さて、いよいよ、”マイクリニック”を使った開業戦略の開始です。
開業一ヶ月。やや自虐的になって来た時期となり、いろいろなものが心に染みます。 『なんでこんなにイイ設備と、ホスピタリティーと、
熱意を持っているのに入って来ないんだろう!?』 ふと、テレビを見ると、“どっちの料理ショー”では、 “負けシェフの晩餐(こんなに美味しいのに何故?という)”をやっています。
有名な予備校の標語は、学生の為にあるのではありません。 この日の為にあったのです。“日々是決戦!”。
メゲてるヒマはありません。 ポスティングなどの戦略を考えたり、夜ともなれば営業活動(主に飲み屋さん巡り)の開始です。
しかし、そんなこんなでもレセプト請求の時期ともなれば、綴り方の手ほどきを受け乍ら、 なんとかレセプトも提出することが出来ました。
鞄から出そうとすると、一緒に入っていた、“フライデー”と思わず間違えてしまった位の厚さです。 果たして、“タウンページ”並みの厚さのレセプトになれる日は来るのでしょうか、それとも・・・。
話しは変わり、医師会活動を通じては、いかに地域医療に貢献するか、ということに関して、 医療連携として、病病、病診、診診の連携の重要性もさることながら、
かかりつけ医と専門医との“shered care”やオープンシステム、 セミオープンシステムなどの地域医療資源の最大限の有効な活用に関して、
なにかイイ方法はないものか、と模索していた毎日でもありました。 特にそのweb(クモの巣)の中に、患者さんが入れるシステムはないものか!?。
マイクリニックとの出会いは、僕にとっては衝撃でした。 “自分でホームページを作ってやろう!”と考えたのは、今を去ること数年前。
いくら本を読んでも、最初から全然わけが分かりません。 検索ロボットなんて聞くと、トミーや、バンダイ製を思い浮かべる年代に育ちました。
そんな僕に、時間的にも、デザイン的にも、“夢のようなシステム”を紹介してくれたのが、 “マイクリニック”だったのです。
「行列の出来るクリニック」も夢ではない
マイクリニックのホームページには驚きでした。 まずは何と言ってもデザインがいいんです。 でもって、すぐに作れてしまう。
サポートさんは、本当に手とり足とり(もちろん情熱を持って問い合わせをすれば、の話ですが)教えてくださり、 素敵なホームページを作ることが出来たのです。
サービスも充実です。 アクセスカウンターのサービスまであるんです。 来訪者数を見るのが楽しみにもなりました。
そんなアップして数日後のことです。 ポツリ、ポツリと、“来るんです!”、ホームページを見て来たという患者さん。
もちろん年齢層は比較的若く、慢性疾患などの定期の患者さんには繋がりませんが、 着実に知名度は上がって来ているのです。
おおっ〜!、と驚く間もなく、アップした掲示板には、なんと嬉しい書き込みが・・。 最近では、愛情を持って、ちょこちょこと内容もマイナーチェンジを繰り返しています。
結構、楽しいものなのです。愛情を掛けた分だけ、愛情が返ってくるような・・・。
当初、予定していた、“10人来たら、焼肉パーティー”というクリニックの『マニフェスト』も無事実現しました。 公金横領ならぬ、自己資金のクリニックへの補充もだいぶ少なくなって来ました。
受付、掃除、会計、準備、診療と一人何役を演じていた僕のところにも、 ようやく、事務職の方がやって来てくれました。
このまま行けば、「行列の出来るクリニック」も決して夢ではありません。
しかし、ここへ来て、本当に必要な医療とは何か、ということも改めて実感することも出来ました。 日々の新しい医療情報の習得、医療技術の鍛練、たくさんの信頼できる医師との出会い。
それらを、マイクリニックというツールを通して、少しでも患者さんとの関係に、地域社会に、 還元して行くことが出来たらいいなあ、という前向きな気力が満ちて来ている、今日この頃です。
以上、くどくどと開業奮戦記を書かせて頂き、誠に失礼致しました。 今日、この原稿を書いている時、外では素晴らしい青空が広がっております。
クリニックには、波音のB.G.M.が流れています。 机にはブルーマウンテンのコーヒーが湯気を立てています。 あっ、玄関の自動ドアが開きました。“日々是決戦”のスタートです。
ウスイ内科クリニック追記:
開業して3年が経過しました。インターネットを見てクリニックの内容を知り、安心して訪れて下さった患者様を通じて、患者様から患者様へと、更に口コミで評判は想像以上に大きく拡がり、今では本当に『行列の出来るクリニック』になってしまいました。
今年からは自分自身の医療知識や技術向上の為、休診日も増やし、スタッフも充実し、余裕を持って、自分の目標とする医療を提供出来るクリニックがようやく実現しようとしています。
振り返ると、開業当初に於ける、新しい患者様の受診のきっかけとして『ホームページ』の存在が、現代に於いてはどれほどに!重要なものであるかを痛感しています。日々の診療に忙しくなり、一人一人の患者様とゆっくりお話出来る時間が限られてしまった今、これからは、集客と言う目的だけではなく、より患者様の満足と笑顔に繋がる様に、
(1) 充分に説明が至らなかった時間を補足し満足して頂ける、様々の医療情報を提供するサービス。
(2) 待ち時間短縮など受診の利便度に繋がる、混雑度表示のサービス等。
マイクリニックの、”日々進化する”様々な新しく斬新なサービスの充実と共に、クリニックもバージョンアップし続け、マイクリニックと共に明るい未来に向けて歩み続ける毎日です!。
2007年1月16日 |