
Q.ステロイド外用剤は、副作用の多いぬり薬である。
A.そんなことはありません。
主な副作用は、皮膚が薄くなる、血管が浮き上がって赤く見える(毛細血管の拡張)、ニキビが出来やすくなる、毛が多くなるぐらいです。1ヵ月程であれば、これらの副作用は出ませんし、専門医の指導があれば、長期間使っても、副作用の頻度は少なくなります。
また、ステロイド外用剤の副作用は、薬をぬった部分の皮膚だけに出現します。塗っていない皮膚や内臓に及ぼす副作用はありません。よくいわれる、副腎抑制や糖尿病、高血圧になりやすいというのは、飲み薬の副作用です。間違いないようにして下さい。
Q.ステロイド外用剤を使うと、皮膚の色が黒くなる。
A.そんなことはありません。むしろ白くなります。
日焼けをして赤くなった後に、皮膚の色が黒くなったことがありますよね。
同じように、湿疹や虫さされで赤くなった皮膚も黒くなって治ります。ステロイド外用剤を湿疹や虫さされにぬると、同じように黒くなって治るわけです。
この色は徐々に薄くなりますし、早く治す薬もありますが、なんといっても、早めに治療することが、皮膚の色を黒くしないためには重要です。
Q.ステロイド外用剤を顔に長く使っていると、赤ら顔になる。
A.すべての人ではありませんが、確かに赤ら顔になるひとがいます。
数ヶ月の使用で赤ら顔になることはありませんが、顔の皮膚は薄く、ぬり薬の吸収も良いので、漫然と使わないような注意が必要です。
半年以上顔にステロイド外用剤を使う必要があるときは、プロトピック軟膏という赤ら顔にならないぬり薬に変更させていただきます。
Q.ステロイド外用剤をやめるとリバウンドが出るので、使わない方がいい。
A.これはうそです。
ステロイド外用剤を中止してひどくなるのは、皮膚の症状が十分に良くなってないのにやめたからです。例えば、解熱剤で発熱を抑えていた人が、解熱剤をやめてまた熱がでたとして、それは解熱剤のせいでしょうか。
ぬり薬をやめる時期の判断は意外に難しいものです。赤みや痒みが収まって完治したようにみえても、まだ十分でないことをよく経験するので、自己判断せず医師の指示に従って下さい。
Q.アトピー性皮膚炎は一生治らない病気である。
A.むしろ自然に良くなる病気です。
金沢大学皮膚科では約千人のアトピー性皮膚炎の患者さんを診察していますが、40歳以上の方は10人以下です。実際に、ほとんどの患者さんは、中学生までに良くなります。思春期に再発したり、新たに発症したりすることもありますが、30歳ごろまでには治ります。
ただし、数ヶ月で治る病気ではないので、しばらくの間は、ぬり薬を根気よくつけながら、病気と付き合っていく必要はあります。
Q.アトピー性皮膚炎は表面だけ治しても意味がなく、根本から治す(体質改善する)必要がある。
A.皮膚の表面の湿疹を対症的に治すことが最良の治療法です。
体質とは、遺伝子によって生まれつき規定されている体の性質で、これを漢方薬や健康食品、温泉治療で改善することは出来ません。例えば、太りやすい体質は治せませんが、食事に注意し、運動をすれば太らなくすることはできます。アトピー性皮膚炎でも、湿疹が出来やすい肌質は変わりませんが、生活指導や塗り薬で湿疹が起こりにくくすることはできるのです。
アトピー性皮膚炎は、時期が来れば自然に治る病気です。民間療法でよくなったというのは、その治療法がよかったわけではなく、自然に治ったということです。
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