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産経新聞夕刊コラムより
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(3)「大腸がん健診」

早期発見、早期治療のために

 大腸がんはほかの欧米先進国と同様に日本でも増加し続けています。厚生労働省の2004年のデータによると、国内での大腸がん死亡数は約4万人で、がんの部位別に比べると女性では死因のトップ、男性でも肺、胃、肝臓に次ぐ第4位と報告されています。

 一方、大腸がんは早期に発見できれば比較的おとなしい性質のものが多く、適切な治療により完治が期待できる場合も少なくありません。最近では早期のものであれば内視鏡的治療(大腸カメラを用いたおなかを切らなくてもよい手術)も行われるようになってきています。

 大腸がんの症状は血便や下腹部痛、便が細くなるなどですが、これらはある程度進行した場合に現れます。早期には目立った症状がなく、ときどき便に少量の血が混じる、あるいは目には見えない微量の出血(潜血)が生じる程度がほとんどです。

 大腸がんを症状のない早期に発見するために、検診として便潜血検査が広く行われています。最近の検査はヒトの血液だけに反応するため食事の影響を受けにくく、簡便で苦痛がないことが利点です。欠点は痔などの出血と区別できないことや、大腸がんの型や発生部位により陽性率が低くなることです。便潜血が陽性の場合には精密検査として大腸カメラを受ける必要があります。

 大腸カメラはたくさんの水薬を飲んで腸を空っぽにする必要があり、この前処置を含めて「すごく大変な検査」とのイメージがあるかもしれません。しかし、一般的にカメラ自体も医師の技術も以前より格段に進歩しています。また、とくに女性の場合心理的な抵抗感もあると思いますが、「あの時早期発見されてよかった」と思えるように必ず精密検査は受けてください。

 ちなみに大津市での平成18年度の大腸がん健診受診者は約2万人で、便潜血反応陽性者は約1500人でした。そのうち約75%の1139人の方が大腸カメラを受けられ、98人の方に大腸がんが見つかり、568人の方にポリープが発見されたと報告されています(大津市健康推進課資料より)。

 便潜血反応を用いた大腸がん健診は、現在日本で行われているいろいろながん検診の中で最も有効性が証明されている健診のひとつです。早期発見のために症状がなくても年に一度はぜひ便潜血検査を受けてください。

            平成19年(2007年)11月20日 火曜日 掲載

*産経新聞より許可を得て掲載していますが、印刷・配布はお控え下さい。