はんだこどもクリニック

症状と対処法について

(1)発熱

 子供は不意に発熱することがよくありますが、発熱自体は40℃位までなら問題ではなく、発熱の原因が重要です。たとえ高熱であっても、機嫌が悪くなく、食事が取れるようなら様子を見ることができます。逆に38℃位でもぐったりして、反応が悪いときは心配です。  熱を下げるには、解熱剤を使用します。ライ症候群、インフルエンザ脳症などとの関連から,子供で使えるほとんど唯一の解熱剤は、アセトアミノフェンです。夜間眠れない、水分が取れないなどのときは、使用してよいと思います。幼児では痛みが強いときにも使用できます。  発熱時には、熱の高さではなく、子供の様子、状態が重要です。それによって、受診か、解熱剤の使用か、何もしないで様子を見るかを決めます。

(2)けいれん

 子供のけいれんには、熱性けいれん、てんかん、憤怒けいれん、急性胃腸炎に伴うけいれんなどがあります。
 熱性けいれんは、熱が上がるときにけいれんすることが多く、通常5分以内、家族性も多く見られます。けいれんしているとき、してはいけないことは、口の中に指や箸などを入れようとすることです。これは嘔吐を誘発し、返って危険です。刺激せず、できたら体を横向きにして、止まるのを待つことです。熱が急に上がって、けいれんが始まり、体を横向きにしている間に、けいれんが止まるようなら、心配ありません。そのまま様子を見ることができます。けいれんが止まらないときは、救急を受診してでも、けいれんを止めて原因を明らかにしないといけません。
 熱性けいれんを繰り返すときには、予防のために、セルシン(ダイアップ)坐薬を使うことがあります。熱の上がり際に1回使って、8−10時間後にまだ熱があればもう1度使います。

(3)嘔吐

 子供は大人に比べて吐きやすいのですが、嘔吐の原因は様々なので、1度はともかく2度続けて吐いたら受診する方がよいと思います。嘔吐の原因としては、頭部外傷、髄膜炎などの中枢神経由来のもの、感染性胃腸炎や肥厚性幽門狭窄症などの消化管由来のものが主体で、そのほかに周期性嘔吐症や、耳鼻科疾患由来のものもあります。
 最も頻度が多いと思われる感染性胃腸炎では、嘔吐のほかに、発熱、下痢、腹痛を伴います。夏は食中毒の原因ともなる細菌性のものが多く、冬はロタやノロなどのウイルス性のものが多い傾向があります。一度始まってしまった下痢を確実に止める方法はないので、感染性胃腸炎では、嘔吐を止めて水分の補給をしなければなりません。そのための方法としては、普通ドンペリドン(ナウゼリン)座薬を使います。座薬を入れたら30分から1時間は待ってから水分を取らせ、それを吐かなかったら食事させます。嘔吐を繰り返すときは4−6時間間隔でナウゼリン座薬を使用し、それでも止まらないときは点滴などの処置が必要で、再受診が必要です。感染性胃腸炎では、家族などの二次感染を防ぐことも大事で、吐物や下痢便の処理を厳密にすることが必要です。ノロウイルス感染症では、吐物の処理をするときは、次亜塩素酸系消毒薬(ハイターなど)を使います。<br>
中枢性嘔吐では、吹き上げるように吐く、周期的に吐くなどの特徴があります。嘔吐のほかに、年長児では頭痛を訴え、乳幼児では、ぐったりしたり、哺乳しなくなったりします。また髄膜刺激症状として項部硬直が見られます。これは、まっすぐ足を伸ばして、仰向けに寝た状態で自分の胸を見るようには首を曲げられないことです。これが見られたらすぐに病院を受診して、脳CTや髄膜穿刺などの処置が必要です。