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日本の予防接種は欧米と比べて遅れているって本当ですか?
「ワクチンギャップ」という言葉を聞いたことがありますか?欧米の多くの国で定期接種となっているHibワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンは日本では、まだ定期接種化していません。やっと任意接種として始まったばかりです(2011年1月から多くの自治体で公費助成はスタートしますが、まだ定期接種の法律改正に至ったわけではありません)。これらは欧米では10年〜20年前から接種されているものです。他にも、WHOが接種するべきと勧めているB型肝炎ワクチンは日本では母子感染予防でしか一般に接種されていません。ポリオワクチンも生ワクチンを接種していますが、欧米ではより安全な不活化ポリオワクチンが用いられています。このような事実をみると明らかに日本は欧米の多くの国と比べて遅れていると言わざるを得ません。これを「ワクチンギャップ」と言っているのです。このような予防接種行政の遅れに対して近年やっと改善しようという動きが出てきました。欧米では予防接種で個人を守るだけで無く、予防接種で感染症の病気を根絶して社会を守るという「集団免疫 Herd Immunity」という考え方が浸透しています。これも副作用ばかりを強調しすぎる日本の状況と大きく異なるものと考えています。子どもを守るという考え自体が遅れているのでしょう。「子どもの権利条約」も日本は世界に取り残され158番目に締約された状況からも明らかです。
日本は麻疹(はしか)の輸出国と言われていますが本当ですか?
米国では現在、ほとんど麻疹の発生はみられなくなっています。麻疹の発生の多くが海外から持ち込まれたもの、特に日本人が持ち込んでいるといって問題になったことがあります。感染症の全数把握をしている米国では2007年に麻疹43例、風疹12例、水痘4万例、おたふく800例と報告されています。これに対して日本では同じ2007年の推定値で(日本では全数把握されていない)麻疹10万例、風疹1万例、水痘90万例、おたふく70万例と報告されています。この時期、高校生、大学生などの麻疹感染が問題となり中学1年生と高校3年生に麻疹風疹ワクチンの5年間の臨時的な定期接種が開始された効果もあり、2009年はやっと麻疹が初めて1000例以下の741例、2010年は457例、2011年は434例の発生となりました。しかし、この数字は日本の人口の2.5倍の米国と比べるとまだまだの状況であることはわかっていただけると思います。子どもの教育、予防接種などの進んだフィンランドでは1994年に世界で初めて麻疹、風疹、おたふくの排除に成功したと宣言しています。予防接種の接種率を高めて、麻疹も風疹もおたふくも水痘もみたことが無いといえるような日本になることを夢見ています。
同じ日に異なる種類のワクチンを接種出来ますか?
同じ日に異なる種類のワクチンを接種することを「同時接種」と言います。「同時接種」は異なるワクチンを混ぜて接種するのでは無く、異なるワクチンを場所を代えて、例えば左腕と右腕に接種するものです。2種類、3種類以上のワクチンを接種することも可能です。安全性についても同時接種の方が副反応が多いという報告はありません。ワクチンの副反応の救済制度も1種類のワクチン接種と同様に認められています。米国では乳児にB型肝炎ワクチン、3種混合ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、不活化ポリオワクチン、ロタウイルスワクチンの6種類のワクチンが同時接種されています。Hibワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンが日本でも接種出来るようになり、これらを接種するためにどうしても同時接種する必要性が出てきました。当クリニックでは三種混合ワクチンとHibワクチン、肺炎球菌ワクチンの同時接種、麻疹風疹ワクチンと水痘ワクチン、おたふく風邪ワクチンなども積極的に同時接種をしています。その他の組み合わせもご家族と相談しながらしています。
麻疹・風疹混合、二種混合ワクチンはどんなタイミングで接種すれば良いのですか?
麻しん・風しんワクチン(定期接種)
対象者は以下で、2期以下は平成25年3月31日が期限です。
1期:1歳から2歳になる1日前まで
2期:幼稚園・保育園の年長に相当する人(平成17年4月2日〜平成18年4月1日生まれ)
3期:中学1年生に相当する年齢の人(平成11年4月2日〜平成12年4月1日生まれ)
4期:高校3年生に相当する年齢の人(平成6年4月2日〜平成7年4月1日生まれ)

二種混合(ジフテリア、破傷風)ワクチン(定期接種)
2期:11歳以上13歳になる2日前まで(小学校6年生の間に受けましょう)
おたふく、水ぼうそうワクチンはどんなタイミングで接種すれば良いのですか?
おたふく、水ぼうそうワクチン(任意接種ー有料)
これらのワクチンは欧米の多くの国では定期接種のワクチンとなっています。おたふくワクチンは多くの国で2回接種しています。水ぼうそうワクチンも米国などでは2回接種となっています。残念ながら日本では定期接種としていませんが、現在、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で定期接種化への検討が始まりました。1歳から他の予防接種から適切な期間が経過していればいつでも接種出来ます。1歳のお誕生日を過ぎたら、出来るだけ早い時期に接種することをお勧めします。おたふくは自然感染の場合には髄膜炎、難聴などの合併症を指摘されており、また、両疾患ともかかった場合、かなり長期に学校、幼稚園(保育園)を休んでいただくことになります。集団生活に入る前にぜひお受け下さい。希望者にはおたふくかぜ、水ぼうそう、麻疹風疹混合ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの同日接種も行っています。また、当クリニックでは希望者には2回目の接種もさせていただきます。
ヒブワクチン(Hib)とはどんなワクチンですか?また、その接種対象者を教えて下さい。
インフルエンザ菌b(Hib)は乳幼児期に髄膜炎や喉頭蓋炎をひきおこす細菌です。冬に流行するインフルエンザはインフルエンザウイルスの感染としてよく知られていますが、細菌のHibは全く別物です。欧米ではほとんどの地域でこのインフルエンザ菌bのヒブワクチンが接種されており、これが接種され始めてから劇的に感染者が減少しました。日本でもやっと2008年12月19日から欧米に10年以上遅れて接種可能になりました。
具体的な接種スケジュール
接種開始齢 2ヶ月齢以上7ヶ月齢未満
初回免疫:通常、3回、いずれも4〜8週間の間隔で皮下接種(医師が必要と認めた場合には3週間の間隔でも可能)通常、DPT三種混合ワクチンと同時接種とします。
追加免疫:通常、初回免疫後おおむね1年の間隔をおいて、1回皮下接種。
上記接種にもれた場合
接種開始齢が7ヶ月齢以上12ヶ月齢未満の場合
初回免疫:通常、2回、4〜8週間の間隔で皮下接種(医師が必要と認めた場合には3週間の間隔で接種可能)
追加免疫:通常、初回免疫後おおむね1年の間隔をおいて、1回皮下接種。
接種開始齢が1歳以上5歳未満の場合
通常、1回皮下接種。
副反応として、注射部発赤44.2%、注射部腫脹18.7%、注射部硬結17.8%、不機嫌14.7%等が報告されていますが、重篤なものはほとんどありません。
小児用肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー)とはどんなワクチンですか?また、その接種対象者を教えて下さい。
小児用肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー)が2010年2月24日に発売され接種可能になりました。乳幼児の髄膜炎の原因菌はすでにワクチン接種が開始されているHibと肺炎球菌がほとんどです。肺炎球菌はHibと比べると頻度は少ないですが重症度はHibより高い菌です。髄膜炎予防セットとしてHibと肺炎球菌ワクチンの両者を接種することをお薦めします。プレベナーは、2010年2月時点で世界101カ国で承認、98カ国で発売され、うち45カ国で定期接種となっています。WHOも2007年にPosition paperを発表し、世界各国での肺炎球菌結合型ワクチンの定期接種化を推奨しています。 こどもの肺炎球菌情報サイト
接種対象者・接種時期 本剤の接種は2カ月齢以上9歳以下の間にある者に行います。標準として2カ月齢以上7カ月齢未満で接種を開始します。ただし、3回目接種については、12カ月齢未満までに完了し、追加免疫は、標準として12〜15カ月齢の間に行うこととされています。(全4回) また、接種もれ者に対しては下記の接種間隔及び回数による接種とすることができます。 7カ月齢以上12カ月齢未満(接種もれ者) 初回免疫:2回、27日間以上の間隔で皮下に注射します。 追加免疫:1回、2回目の接種後60日間以上の間隔で、12カ月齢後、皮下に注射します。 12カ月齢以上24カ月齢未満(接種もれ者) 2回、60日間以上の間隔で皮下に注射します。 24カ月齢以上9歳以下(接種もれ者) 1回、皮下に注射します。
長浜市インフルエンザ菌b型(ヒブ) ・小児用肺炎球菌予防接種実施事業について教えて下さい
長浜市においてインフルエンザ菌b型(ヒブ) ・小児用肺炎球菌ワクチンの全額公費助成による接種事業が平成23年1月1日から開始されています。今回の事業はすべての指定医療機関で全額補助で接種を受けられるものです。
接種対象者は、長浜市に住所を有し、接種日において生後2ヶ月以上5歳になる2日前の乳幼児です。米原市についても平成23年2月1日から全額助成されることが決定しました。高島市が平成23年1月から全額助成、東近江市が平成23年1月から一部負担金はあるものの残額は公費助成、彦根市、大津市などは平成23年2月1日から助成開始されました。平成24年度も公的補助は継続されました。まだまだ、流動的で将来に定期接種化されるまでの動向に注目下さい。
日本脳炎予防接種の対象年齢が拡大したと聞きましたが?
日本脳炎の予防接種後に重い病気になった事例があったことをきっかけに、平成17年度から平成21年度まで、日本脳炎の予防接種のご案内を行いませんでした(いわゆる「積極的勧奨の差し控え」)。その後新たなワクチンが開発され、現在は日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。このため、平成7〜18年度に生まれた方は、平成17〜21年度に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃していることがありますので、母子健康手帳などをご確認いただくとともに、今後、市町村からのご案内に沿って、接種を受けていただくようお願いします。 ●日本脳炎の予防接種の、標準的な接種スケジュール ◆1期接種(計3回) 3歳のときに2回(6〜28日の間隔をおく) その後おおむね1年の間隔をおいて(4歳のときに)1回 ◆2期接種(1回) 9歳のときに1回 ●生まれた年ごとの、具体的な影響と対応 ※ 平成7年6月1日〜平成19年4月1日生まれの方は、6カ月〜20歳の誕生日の2日前までに未接種分を接種することができます。(平成23年5月20日から)。 既に1期接種を1回又は2回受けた方は、前回の接種から接種間隔が開いていても差し支えないので、(6日以上の間隔をおいて)残りの回数を接種してください。 小学2年生・3年生・4年生(平成14年4月2日〜平成17年4月1日生まれ)のお子さんについては、1期接種を受けていない方や、接種回数が不足している方がいます、平成24年度は特にこの年齢の対象者に対して市長村から接種のご案内・広報での案内が届くと思います。母子手帳を確認の上、不足分の接種を受けて下さい。1期接種の機会を逃したこれ以外の方(平成17〜18年度生まれ)への1期接種は、ワクチンの供給量も踏まえつつ、次年度以降に案内が届く予定です。2期接種を逃した方(平成7年6月〜平成12年度生まれ)への案内につても未定ですが、これらの通知の届かない対象者も希望がある場合には定期接種を行うことができます。 日本脳炎の予防接種についてのご案内(厚生労働省)
「子宮頸がんワクチン」って何ですか?
子宮頸がんの発症から長期にわたって守ってくれる、子宮頸がん予防ワクチンが、当クリニックで接種できるようになりました。子宮頸がんの原因は、ほぼ100%がヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染です。多くの場合、性交渉によって感染すると考えられていて、発がん性HPVは、すべての女性の約80%が一生に一度は感染しているありふれたウイルスです。発がん性HPVの中でも特に子宮頸がんの原因とされているHPV16型と18型の感染を防ぐことにより効果的に発がんの予防が期待できます。子宮頸がん予防ワクチンはHPV16型と18型の感染を予防するもので、海外ではすでに100カ国以上で使用されています。日本では2009年10月に承認され、12月22日より一般の医療機関で接種することができるようになりました。「子宮頸がんのワクチンをなぜ小児科で?」と疑問に思われるかもしれません。実は性行動のまだない小児にこのワクチンを接種するのが最も効果的な方法で、世界中で10歳〜15歳くらいの年齢で標準的に接種されているのです。当クリニックでは11歳からの接種をお勧めしています。 子宮頚がん情報サイト
「子宮頸がん」ってどんな病気?
子宮頸がんは、女性なら、誰でも発症する可能性のある病気です。実は、20〜30代の若い世代の女性において最も多いがんなのです。子宮頸がんによって、赤ちゃんを出産できなくなってしまったり、命を落としている女性も少なくは無い現状なのです。「子宮頸がんになるのは性経験が多い人」という間違った情報もあり、誰にも相談できず一人で悩む方もおられるようです。子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスへの感染であるとわかっています。そのため、正しい知識と予防で、子宮頸がんは未然に防ぐことができるのです。子宮頸がんを予防するためには、子宮頸がんワクチンの接種と、定期的な検診が有効です。子宮頸がんは遺伝などに関係はありません。性交経験がある女性なら誰でもなる可能性のある病気です。近年では20代後半から30代に急増、若い女性の発症率が増加傾向にあります。子宮頸がんは、がんによる死亡原因の第3位、女性特有のがんの中では乳がんに次ぎ第2位を占めており、特に20代から30代の女性においては、発症するすべてのがんの中で第1位となっています。また、全世界で毎年、27万人もの女性が子宮頸がんによって大切な命を失っています。これは時間に換算すると約2分間に1人の割合。日本でも、毎年15,000人(上皮内がんを含む)が子宮頸がんと診断されています。
子宮頸がんワクチン接種について、長浜市子宮頸がん予防ワクチン接種事業について教えて下さい。
感染を防ぐために3回のワクチン接種が必要です。これにより発がん性HPVの感染から長期にわたってからだを守ることが可能となります。しかし、このワクチンは、すでに今感染しているHPVを排除したり、子宮頸部の前がん病変やがん細胞を治す効果はありません。あくまで接種後のHPV感染を防ぐものです。子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因となりやすいHPV16型とHPV18型のウイルスに対する抗体をつくらせるワクチンです。なお、このワクチンには中身(ウイルス遺伝子)がないので、接種しても感染することはありません。まず、初回接種を終えてください。その後、1ヶ月後、6ヶ月後に追加接種を受け、合計3回の接種を受けていただきます。これにより予防効果は6.4年以上にわたり継続することが確認されており、抗体価は自然免疫の約11倍を維持し、少なくとも20年間は自然感染で得られる抗体価を優位に上回る値が維持できると考えられています。
長浜市、米原市においては子宮頸がん予防ワクチンの全額公費助成による接種事業が平成23年から開始されました。接種対象者は、長浜市、米原市に住所を有し、接種日において中学1年生に相当する年齢から高校1年生に相当する年齢の女子です。

平成23年より上記、2価のワクチン(サーバリックス)に加えて4価のワクチン(ガーダシル)も承認され、接種開始しています。優劣つけがたいワクチンであり、接種者のご希望にそってどちらでも接種しております。
ロタウイルスワクチンが接種できるようになったと聞きましたが?
冬場を中心に感染が広がるロタウイルス胃腸炎は乳幼児を中心に下痢を主徴とする感染症です。普通の風邪やウイルス性胃腸炎と同じ程度のものと考えておられる方も多いのですが、合併症として脱水だけではなく、群発型けいれんや脳炎、脳症が生じることもあります。国内では乳幼児にとって最も重症の胃腸炎のウイルスと考えて下さい。ロタウイルスワクチン(ロタリックス)が 2011年11月21日に発売予定されました。生後6週から24週までに4週間隔開けて2回の接種が必要です(原則、初回接種は14週6日まで)。他のワクチンから適切な間隔をおく必要もありますので接種できる方は限られています。現時点で国や地方自治体からの補助は望めそうに有りませんから、自費での接種となります。当クリニックでは1回接種につき13000円、2回接種必要ですので合計26000円となります(税込み)。大変高額のワクチンですが、お勧めすべきワクチンと考えています。生後6週から生後24週( 6ヶ月)までに2回の接種を完了することが必要で、この時期に接種する三種混合ワクチンやHibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンなどとの同時接種が必要になります。他のワクチンとの接種間隔を考えますと、はじめてのワクチン接種は生後2ヶ月が理想的です(最近は生後6週にロタウイルスワクチンとB型肝炎ワクチンを接種して、後のスケジュールに余裕をもたせる方も増えています)。米国をはじめ海外では既に定期接種として接種されている国がほとんどです。以下のサイトに詳しい情報があります。クリックしてみてください。 Loversbaby.jpラブベビー愛する赤ちゃんを守るための感染症&ワクチン情報サイト
予防接種体制がずいぶん変化しているようですが?
平成24年3月29日に開催された第21回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会では予防接種法の改定に向けて議論が行われました。

1類疾病(予防接種法第2条第2項) 1「集団予防を図る目的で予防接種を行う疾病」としてこれまで、 ジフテリア、百日せき、急性灰白髄炎、麻しん、風しん、結核、痘そう(痘そうについては政令で追加することの可能な疾患)が規定されていましたが、今回の検討で以下の4疾病が該当とされました。○Hib感染症 ○小児の肺炎球菌感染症 ○水痘○おたふくかぜ、また、2「致死率が高いことによる重大な社会的損失の防止を図る目的で予防接種を行う疾病」として日本脳炎、破傷風が規定されていましたが、今回の検討では変更案として、「致命率が高いこと、または感染し長期間経過後に 死に至る可能性が高い疾患になることによる 重大な社会的損失の防止を図る目的で予防接種を行う疾病 」としてヒトパピローマウイルス感染症、B型肝炎を追加する案が提出されています。また、2類疾病(予防接種法第2条第3項)「個人予防目的に比重を置いて、個人の発病・重症化防止及びその積み重ねとしての集団予防を図る目的で予防接種を行う疾病」としてインフルエンザに加えて成人の肺炎球菌感染症が加えられています。まだまだ、法制化されていませんので流動的ですが、近い将来にHib感染症 、小児の肺炎球菌感染症、水痘、おたふくかぜ、ヒトパピローマウイルス感染症、B型肝炎、成人の肺炎球菌感染症のそれぞれのワクチンが定期接種化するのではないかと期待しています。
インフルエンザの流行、過去のパンデミックについて教えて下さい。
インフルエンザの流行を考えるとき、毎年、少しずつ抗原性を変えて流行する季節性のインフルエンザと、突然出現する大きな変異を伴う新型のインフルエンザが有ることを知っておく必要が有ります。季節性のインフルエンザについては次年度の流行株をある程度予測してワクチンが準備されます。発症を完全に予防できるものでは有りませんが、ある程度の重症化の予防には役立っていると考えています。今後出現するであろう新型のインフルエンザについてはワクチンが準備されていません。私たちは新型インフルエンザについては全く無防備な状態であると考えて下さい。過去の新型インフルエンザの流行(パンデミック)の歴史を知って、それぞれ個人が自己防衛のためにどのようにインフルエンザに対して準備をしておくか考えていただきたいと思います。20世紀の新型インフルエンザは、国内では、すべて2回の流行を起こしている事実を理解して対策を考えることも重要です。世界では、時に3回の流行も記録されています。スペインかぜは1918〜19年の大規模な第1波、1919〜20年のやや規模の小さな第2波と2回流行しました。アジアかぜは、1957年春の第1波、秋の第2波とやはり2回流行しました。香港かぜでは1968〜69年の第1波は小さな流行でしたが、翌1969〜70年に大きな第2波の流行となりました。過去のどの新型インフルエンザでも、出現して1〜2年以内に25〜50%、数年以内にはほぼ全ての国民が感染すると言われています。スペインかぜだけでなく、その後のアジアかぜや香港かぜの際にも初期には若い年齢層に被害が多く見られ、数年後に被害は高齢者中心に移行することが観察されています。インフルエンザの専門家は過去のパンデミックから考えると、流行は2回。1回に付き人口の25%前後が発症する。2回で50%前後。発症者の年齢分布は、1回目と2回目で違う。第一波では、成人の10%、小児の80%が発症すると予測しています。
インフルエンザワクチンを受けたいのですが、、、?
インフルエンザの感染者の多くは軽症のまま回復しますが、ごく一部に重症化している方がいます。このワクチンの目的は、あなたのお子さまに接種することで、インフルエンザに感染して重症化しにくくすることにあります。ただし、ワクチンの効果は完全でなく、接種したからといっても、確実に重症化を予防することができるわけではないことも理解しておく必要があります。当クリニックでは今シーズンのインフルエンザワクチンの接種は10月1日からを予定しています(予約開始日は当HPで後日お知らせします)。2012/2013シーズンのインフルエンザワクチン株はまだ決定していません。通常1本のワクチンに3種類の抗原が含まれます。接種は原則的13歳未満の方は2回必要です。昨シーズンは接種量が改訂されました。WHOの基準に沿って、6ヶ月以上3歳未満のものには0.25mlを皮下に、3歳以上13歳未満のものには0.5ml(成人量)を皮下におよそ2〜4週の間隔をおいて2回注射します。13歳以上のものについては、0.5mlを皮下に1回または2回注射するものとされています。3歳以上が成人量の接種となったことより外国と同じように1回の接種で充分ではないかという意見もあります。ただし、外国で用いられているワクチンはアジュバンド(免疫賦活剤)を含むもので筋肉注射ですから、同じ免疫効果が得られるとは考えにくく2回接種が重要との意見もあります。当クリニックでは昨年度は厚労省の改訂どおり2回接種をお勧めすることとしました。2012/2013シーズンのインフルエンザワクチン株と接種開始できる時期が決定されましたら、このページでお知らせします。
1歳未満児はインフルエンザワクチンを受けられますか?
「1歳未満の小児の取り扱いについて」として厚労省の要綱変更に伴い、滋賀県は2010年1月20日に各医療機関に対して次のような通達を出しました。
 1歳未満の小児については、健康成人と同様に「優先接種対象者以外の者」とされていたため、この度の要綱変更に伴い、接種することは可能となりました。ただし、1歳未満の小児については、予防接種によって免疫を獲得することが困難なため、(新型)インフルエンザワクチン接種に関しても推奨はされませんが、有益性とリスクについて、保護者と医師が十分に考慮した上で、ご判断いただきますようお願いします。
 当クリニックでは上記の通達を受けて、1歳未満児で強く接種を希望される場合には0歳6ヶ月以上の条件で接種させていただきますが、一般に1歳未満児は接種しても効果が出にくいことはご理解下さい。
インフルエンザワクチンの安全性について教えて下さい。
インフルエンザワクチンは一定の安全性が確認されています。
 ただし、接種した場所が赤くはれたり、痛みが数日続いたりすることがあります(発赤、腫脹、疼痛など)。また、一時的に発熱したり、吐き気や頭痛をおぼえることもあります(発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、嘔吐など)。さらに、まれに全身にかゆみのある発疹が出ることがあります(発疹、じんま疹、発赤、倦怠感など)。こうした症状が強く出てしまった場合には、医師に相談することで、適切な治療を受けることができます。
 季節性インフルエンザの場合、接種した場所のはれや痛みなどは、接種を受けられた方の10%〜20%に起こりますが、2〜3日で消失します。
 そのほかに、ワクチン接種が原因かどうか明らかでありませんが、急に手や足の動きが悪くなったり、意識を失ってしまったりといった重い症状が出ることもあります(ギランバレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、肝機能障害、喘息発作、紫斑など)。この場合も速やかに医師の治療を受けることで多くが回復しますが、極めてまれに後遺症を残すこともあります。厚労省の定期接種ワクチン副作用報告の発表はあくまで有害事象報告で、因果関係を疑われるもの、因果関係のないもの、時間的に報告の期限を過ぎたものなどが含まれています。これらを単純に集計しただけのものです。専門家が判定して因果関係が無いと判定したものも含まれているということです。上記の副作用としてあげられているものも確かな根拠のあるものでは無いということです。しかし100%安全とも確信を持って言えるデータもありません。総合的考えて私はインフルエンザワクチンはかなり安全性の高いものと考えています。予防接種は強制されるものではありません。利益がリスクを上回るとの考えでお勧めしています。受けるかどうかは上記のリスクも考慮した上で自己責任でお決め下さい。
卵アレルギーがありますがインフルエンザワクチンは受けられますか?
日本小児科学会新型インフルエンザ対策室は「わが国の季節性インフルエンザワクチン中の卵白アルブミン量は、数ngときわめて微量でWHO基準よりはるかに少ないようです。これまでは、卵白 RAST 3以上でも、卵加工品などを食べている児では、接種後の重篤な副反応の報告はなく、安全に接種出来ています。卵完全除去療法中や卵摂取後に重篤なアナフィラキシーをおこした児の場合、インフルエンザの罹患率や入院率、ワクチンの有効性や副反応発生率、集団生活への参加の有無、家族数など多くの要因を考慮して接種するかどうか判断する必要があります。保護者の強い希望や接種医に不安がある場合、事前に接種ワクチンによる皮内テストを行い接種する方法や少量接種して異常なければ残量を接種する方法もあります。」との見解を述べています。これを受けて、当クリニックでは明らかな卵アレルギーのある方はお断りしています。卵加工品などをを食べておられる方については、ご家族とよく相談して接種するか否かを決めています。どうしても受けたいご希望の方は小児アレルギーを専門とする病院の小児科医とご相談下さい。リスクを承知でお受けになる場合にも急変に対応できる設備、人員の確保された病院(診療所ではなく)の方が安全だと考えています。
予防接種による健康被害の救済制度について教えて下さい。
現時点での予防接種による健康被害の救済には、定期予防接種による健康被害と、任意予防接種による健康被害の二つの制度があります。 定期接種(三種混合ワクチン、麻疹・風疹混合ワクチン、など)は予防接種法に基づく救済制度が適応されます。予防接種法による救済の対象となるのは、この法律で定められている予防接種を決められた年齢(定期予防接種)で受けて起こった健康被害によって、医療を必要とする人、障害の状態になった人、死亡した人です。 厚生労働省予防接種法関連
任意接種のワクチン接種を受けた方が、ワクチンの接種によって医療機関での治療が必要になったり、生活に支障がでるような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、現時点では、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済制度により、将来的には、現在検討中の新法により、一定の補償を受けることができます。 医薬品副作用被害救済制度