大木更一郎医師のご紹介

平成16年より大木皮膚科の診療を担当。日本医科大学講師。

ナローバンドUVB

乾癬、白斑、アトピー、円形脱毛症などに有効な新しい紫外線療法。平成24〜エキシマライトも導入

皮膚科疾患のご説明 1

湿疹、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、乾癬、掌蹠膿疱症などに関して

皮膚科疾患のご説明 2

水虫、ニキビ、いぼ・水いぼ、ヘルペス、帯状疱疹、やけど 、魚の目 、皮膚良性腫瘍に関して

皮膚科疾患のご説明 3

巻き爪治療、プロペシア、白斑、肝斑、円形脱毛症、皮膚悪性腫瘍、漢方治療などに関して

ステロイド外用剤について

ステロイド外用剤に関する良くある質問と注意すべき副作用について

良くある質問

・アトピー性皮膚炎の原因,治療
・水虫治療のポイント
・いぼ治療の実際
・粉瘤などの局所麻酔手術 

皮膚科疾患のご説明 3

皮膚悪性腫瘍

【はじめは小さなしみ・ほくろやしこりのこともありますので、注意が必要です】
気になる出来物(腫瘍)がある方はご相談ください。皮膚生検・摘出手術、病理検査等行っています。大きな手術を要するものは大学病院等へご紹介が可能です(当院医師が継続治療も可能)。

局所麻酔手術は、どのようにして申し込むのですか?について追加いたしましたので、ご参考にされてください。

日光角化症
高齢者の顔面や手に生じる褐色からやや黒色の扁平な色素斑で、かさかさやかさぶたを伴うことが多い。有棘細胞癌などに進展する前癌病変と考えられている。治療は、生検などで診断を確定したのちに、切除または液体窒素治療(広範囲の場合など)を行います。

基底細胞癌
高齢者の顔面に好発する黒くつやのある腫瘤。診断がつかない場合は生検することもあります。治療は、通常3〜5mm程度の拡大切除を行います。局所再発傾向はあるが遠隔転位は少ないとされています。

ボーエン病
おもに高齢者の下肢に生じる紅色から褐色の局面を呈する腫瘤。表皮内癌と考えられるため、治療は切除となります。

有棘細胞癌
紅色の結節としてみられる表皮(扁平上皮)の癌です。大きくなると中央が潰瘍化したり、リンパ節転位を起こすことがある。診断が確定すれば、病期(大きさ、リンパ転位有無)により拡大切除をします。切除出来ない場合は、放射線療法が有効なこともあります。

悪性黒色腫
いわゆるホクロの癌で、皮膚癌の中では一番悪性度が高く、リンパ性転位や遠隔転位を起こしやすい。以前は、生検は禁忌とされていたが、診断に迷う場合は全摘もしくは部分切除後に診断が付き次第、拡大切除を行うこともあります。病期に応じて、予防的リンパ節郭清やセンチネルリンパ節生検を行われています。ホクロが急に大きくなってきたり、浸みだしがある、もしくは一部が盛り上げって来たなどの症状があったら直ちに受診されてください。手足、口唇などのホクロ、幼少時からある有毛性母斑や直径7mm以上のホクロは摘出しておいた方が良いでしょう。

パジェット病
外陰部、乳房などに生じる紅色〜褐色の局面として発生します。よく湿疹と間違われるが進展すると腫瘤を形成したり、リンパ節転位を伴います。治療は、マッピング生検等をおこなったのちに、拡大切除をします。

その他の皮膚癌
汗腺癌、脂腺癌、脂肪肉腫、隆起性皮膚線維肉腫、MFHなどがあります。
(大田区/皮膚科/大森の大木皮膚科)

毛髪、付属器の疾患

巻き爪、陥入爪
爪の側縁が巻いてしまい、脇の皮膚(側爪郭)に食い込んだ(陥入)した状態です。炎症を起こすと(爪郭炎)、痛みや出血・排膿などがみられます。予防は、深爪をしないこと、先のゆったりした靴を履き爪への圧迫をさけることです。また、炎症の強い時は食い込んだ巻き爪を一時カットすることもあります。炎症を繰り返す場合は手術適応(保険適応)であるが、最近では巻き爪の矯正法として超弾性ワイヤーVHO式巻き爪矯正(いずれも当院で施行可能です;自費治療価格表はこちら)が行われることもあります。

※特にVHO式巻き爪矯正法は痛みもなく、爪を伸ばす必要もないため多くの方に適応となります。
※超弾性ワイヤーも各サイズ取りそろえてあります。
※ご希望の方には、コットンパッキング、指神経ブロック局所麻酔下の爪棘切除や爪母形成を行う通常の陥入爪根治手術なども行います。陥入爪や巻き爪でお悩みの方は、当院のスタッフまでご気軽にご相談下さい。
※ご希望の方には、ガター法による陥入爪治療(予約制)も行いますのでお申し出ください。

【巻き爪矯正をお受けになる方へ】
・肉芽形成など余りにも炎症の強いときは、従来どおり局所麻酔下の部分爪甲除去も行わせていただきます。
・通常、巻き爪矯正法施行後はそのまま日常生活が可能ですが、きつい靴を履くなどの強い力がかかると脱落する場合がありますのでご注意ください。
・足の爪は、1日に約0.05mm伸びると言われています。症状の強い方では、巻き爪矯正は2-4ヶ月に1回程度交換して1年程度かかると考えられます。
・合併症としては爪甲剥離、爪の割れや巻き爪の再発などが考えられています。
・痛みの強い方は接着タイプの巻き爪矯正装具もご用意しておりますのでご相談下さい。

※巻き爪矯正施術は予約制です。一度、受診して頂いた上で予約を取らせていただきます。矯正施術は日を改めてになりますのでご了承ください。また、爪矯正は丁寧に行うことを心がけており1指につき30−40分以上かかる場合もあります。診察終了後の施術開始となるため、お待たせする場合がありますのでご了承ください。お時間がかかるため巻き爪矯正施術後はご予定をいれないようお願い申し上げます。

※自費治療をご希望されない場合は、保険診療での巻き爪治療となり方法が非常に限られます(コットンパッキング、テーピング、爪棘切除、手術など)。痛みが強い部分を優先的に治療させて頂きますが、全ての部分を同時に治療することは出来ません。また、通院回数も必要となりますのでご了承ください。

※新しいホームページ巻き爪治療・魚の目―巻き爪矯正ワイヤー治療―もご参考にされてください。

腋臭症(わきが)
脇の下の汗腺(アポクリン汗腺)の分泌過剰もしくは体質によりにおいを発する状態です。治療は一般的に、脇の下を清潔にすることや制汗剤等を用いることですが、症状の強いときは手術療法も行います。手術は一般に切開法で行い、脇の下の皮膚を翻転し丁寧にアポクリン腺を剪除していきます。手術は保険適応となります(大学へ紹介)ので、お困りの方はご相談ください。掌蹠多汗症という、手の平、足の裏に汗をかきやすい状態もあります。
※腋臭症の手術治療は美容外科(自費)でも行われていますが、大学病院で行った場合は保険適応となります。確実にアポクリン腺を剪除し症状を軽減するには切開法をお勧めいたします。傷はしわに沿ったラインとなるため通常あまり目立たないようです。

円形脱毛症
頭皮に突然10円玉大の脱毛斑を生じる疾患。原因は不明だが、何らかの自己免疫やストレスが関わっていると考えられている。一般に、2〜3ヶ月の経過で自然治癒することも多い。治療は、発毛を促すための外用、内服治療が行われます。

※内服、外用での治療を行っていくことで少しずつ改善する場合が多いですが、難治例では漢方薬を併用したり、液体窒素治療、紫外線治療、人工的にかぶれを起こさせる治療などを組み合わせていきます。治療は通常2〜4ヶ月程度はかかりますが、焦らず継続していくことが大切です。
※外用剤は、髪をゴシゴシこすらないように優しく頭皮をマッサージするように使用しましょう。

男性型脱毛症
主に遺伝的基盤のある男性にみられ、前頭部〜頭頂部の脱毛が徐々に進行していきます。男性ホルモンの影響が強いと考えられていますが、最近プロペシア(自費)という抗男性ホルモン剤が認可となりました。内服は、約6ヶ月間継続していただき効果を判定します。血管拡張剤、ミノキシジル外用も効果があるとされています。治療をご希望の方はご相談ください。

※プロペシア錠は、抜け毛の原因物質であるDHT(デヒドロテストステロン)の産生を抑え、抜け毛の進行を抑えることで効果をしめす薬剤であり、その効能・効果は男性型脱毛症の進行遅延です。用法・用量として1日1回0.2mg錠あるいは1mg錠を内服し、半年後に効果判定を行うとされています。当院の処方では1mg錠となります。
本剤の有効率として、国内の臨床成績では20歳から50歳の男性型脱毛症患者に48週間投与した結果、0.2mg錠で54.2%、1mg錠で58.3%の症例で改善を認めたとされています。

※プロペシア(男性型脱毛症治療薬)の情報は、こちらです。
※当院での自費治療にかかる費用はこちらです。
※新しいホームページAGA・男性型脱毛もご参考にされてください。
(大田区/皮膚科/大森の大木皮膚科)

その他の皮膚疾患

尋常性白斑
俗に言う「しろなまず」です。突然くっきりとした色の抜けた皮膚面がカラダの一部に生じます。なかには、全身の半分近くまで及ぶ方もいます(分節型、汎発型)。くわしい原因は不明ですが、皮膚の色素細胞(メラノサイト)を自分の免疫が攻撃するためと考えられています。治療は、現在ナローバンドUVB(紫外線治療)が第1選択とされ、ステロイド外用、ビタミンD軟膏外用も併用されます。紫外線治療が効く理由として免疫反応を抑えてメラノサイトへの攻撃(自己免疫)を弱めるためと考えられています。色素細胞の反応の悪い場合には、水疱蓋植皮という方法を合わせて行うこともあります。

ナローバンドUVB治療をご希望の方は当院までお問い合わせください。

酒渣
顔面の毛細血管拡張、ざ瘡様の皮疹、腫瘤形成などをおこす原因不明の疾患。胃腸障害、香辛料など刺激物が悪化因子と考えられている。治療は、対症療法でざ瘡に対する外用、内服治療、腫瘤に対する切除などが行われます。

肝斑(かんぱん)
妊娠中に生じることが多いとされる、顔面、頬部に対称性に生じる褐色斑。エストロゲン、プロゲステロンとの関連が推定されている。紫外線からの防御、トラネキサム酸の内服などを行います。通常のしみと違いレーザー治療は無効で悪化する場合もあり注意が必要です。

※肝斑(かんぱん)というしみは、当院より保険でお薬の処方が可能です。
※トラネキサム酸やビタミンCの内服がよく用いられ、漢方を併用する場合もあります。
※ハイドロキノンおよびビタミンCローションの院内処方(自費)を併用することがあります。
※こすりすぎが肝斑悪化の一因とされます。頬部の洗顔は刺激を避け優しくしましょう。
※肝斑と老人性のシミは混在していることも多く、シミが気になる方はまず肝斑の治療を行うこともお勧めいたします。
※美容液タイプで使いやすいハイドロキノン”DRX”(3ml/ 2500円)入りました。

老人性色素斑(しみ)
顔面皮膚の加齢性の変化で大小の扁平で褐色の色素斑を生じます。しみの状態により最近では、IPL(光治療)、Qスイッチヤグレーザーなどを組み合わせて施行されることが多いですが、自費診療となります。軽度のものでは、ハイドロキノンなどの外用を行うこともあります。当院より専門施設へのご紹介が可能ですので、シミにお悩みの方はご相談ください。

※シミの中でも、薄くざらざらと盛り上がったものは脂漏性角化症と云われ、液体窒素療法(保険)の適応となり当院でも施行可能です。
※ハイドロキノンおよびビタミンCローションの院内処方(自費)が可能となりました。
※老人性のシミ、ほくろ、脱毛のレーザー治療は保険適応となりませんが、大学関連の美容医療施設(複数のレーザー機器が設置してあり専門的な治療が可能)にご紹介いたします。扁平母斑、太田母斑、外傷性刺青、赤あざなどは保険適応となり大学病院へのご紹介が可能です。
※詳しいしみの治療はこちらもご参考にしてください。

ケロイド・肥厚性瘢痕
 なにも誘因なく発生する場合(特発性)と外傷、手術、ニキビ、ピアスなどが誘因となり発生する場合があります。傷跡(瘢痕)が盛り上がり痛みやかゆみを伴うこともあります。原因として人種、発生部位、体質などが関係します。治療としては亢アレルギー薬の内服、保湿剤、ステロイドの外用、注射、圧迫療法を行いますが、難治の場合には、手術・電子線治療が必要になる場合もあります。
※当院ではご希望の方に、ケナコルト局注療法も行っております。
※傷跡・ひきつれ(瘢痕拘縮)の診療も行っています。気になる方は担当医までご相談ください。

ピアス
 当院では、ピアス(耳垂)も行っています。ピアスの位置、方向など患者さんのご希望をお聞きした上で決定いたします。 ピアスのトラブル(金属かぶれ、感染、ケロイド形成など)もご相談ください。
※耳介部(軟骨)へのピアスは耳介軟骨炎の危険があり行っておりません。
※未成年の方は保護者の方の同意書が必要となります。
※カートリッジ式のピアスをご用意しております。⇒料金表はこちら
※新しいホームページ美容皮膚科もご参考にされてください。
(大田区/皮膚科/大森の大木皮膚科)

皮膚疾患の漢方治療・・・当院ではご希望の方に漢方薬を用いております・・

皮膚と体調について
 皮膚は、常に外界に接しており、さまざまな刺激から私たちを守り、また環境の微妙な変化や異常を敏感に感じ取り知らせてくれます。さらにその日の体調で、肌の色つやや潤いなどに変化があらわれることは誰にでも覚えがあるように、体の内部の異常を私たちに知らせてくれる雄弁な器官でもあります。

◆漢方治療と皮膚疾患
 東洋医学では診断に皮膚の状態を重要視し、皮膚の病気も体の表面の異常のみでなく体の内部の異常ととらえ、からだ全体のバランスを整え内側から異常をなくしていくことを治療の第一の目的と考えます。皮膚疾患には、慢性化して治りにくいものが多いのですが、そのような場合には体の内部にまで目を向けた漢方治療が効果を発揮しやすいと言えます。

◆漢方治療の考え方とは
 現代の漢方治療は中国で生まれその長い歴史の中で有効性、安全性が裏付けられ、形を変えつつ理論化され日本に伝えられたものです。漢方医学の特徴は、(1)我々が元来持っている病気をなおす力(自然治癒力)を高め、(2)個人の「証」にあった薬剤を処方し、(3)さまざまな作用をもつ生薬の複合剤(=多くの薬効を示す)で、(4)その人全体をどこが歪んでいるかを見て治療すること、などが挙げられます。
※当院で処方する漢方は保険適応の漢方薬(エキス剤)となります。

 特に、皮膚疾患において漢方治療に期待できることは、
・皮膚の赤みや痒みを取る処方があること(ステロイ減量や顔面紅皮症治療に)
・体質やストレスの改善を行いアレルギーを起こしにくくする治療があること
・大人ニキビでは、生理を整えニキビを悪化しにくくする処方があることの他に、
体を中から潤して、痒みをとっていく処方、抗生剤と併用することで、化膿をしにくくする処方、末梢循環を改善して症状を改善していく処方があること、などが挙げられます。

◆漢方の注意点 
 一方、漢方治療の注意点としては、漢方薬は決して万能の治療法ではないということです。特にアトピー性皮膚炎では、まず適切なスキンケアや局所の湿疹治療が優先し、いきなりステロイド外用をやめたり全く使わない治療は(漢方のみを専門としている先生でさえ!)困難です。大事なことは、漢方だけに頼らないことで、きちんと現代医学的に診断、治療を行い、そこに漢方を合わせていくのが、良いと思います。
 漢方治療では、その人の体調や体格などを考えて,一番合うと思われるお薬が選ばれます(随証治療)。すなわち、人によっては同じ病名だからと言っても必ずしも同じ薬とは限りませんし、症状や経過に応じて処方が変わっていくこともあります。漢方薬は、元来天然物(食べ物)が由来であり比較的安全と考えられていますが、証に合わない薬を使ったりすると、胃腸障害、アレルギー反応や肝障害がみられるため長期服用になる場合には、定期的な血液検査をお勧めします。

◆漢方治療と体質「証」の判断
 漢方治療は、その人に合った「証」がどのようなものか診察をすることから始まります。すなわち、現在出ている症状(皮膚炎、じんま疹、にきび、毛嚢炎など)と伴に、ご本人の体質をみきわめて、体力があるか(実証・虚証)、暑がりか寒がりか(熱証・寒証)、気力の充実や血の巡り具合など(気血水)を判断し、どのような処方が合うか考えていきます。
 実際の診察は、患者さんの訴えを良く聞くことに始まり(聞診)、顔色、手足の血色などを観察し(望診)、どのような体質(証)であるかを、さらに詳しく問診をして診断します。
「証」(体質)を判断する主な項目には、下記のものが挙げられます。漢方処方を希望される方は問診表に当てはまる症状を書いていただいてから診察を受けると良いでしょう。
 ・疲れやすいですか(体力の有無?)
 ・顔などにのぼせはありますか?
 ・胃腸は丈夫ですか?
 ・便秘(下痢)はありますか?
 ・冷たい(or温かい)飲み物は好きですか?
 ・手足の冷えはありますか?
 ・皮膚は化膿しやすいですか?
 ・生理でニキビが悪くなりますか?(女性の方)
 お薬を変更する必要がある場合には、脈診や腹診で、さらに詳しい「証」の評価をおこない、どのようなお薬が合うか、病態を判断することがあります。

皮膚疾患に使う代表的な漢方薬について

 漢方治療のよい適応となる代表的皮膚疾患は、アトピー性皮膚炎、じんま疹、ニキビ、老人性乾皮症、いぼなどであり、その他、漢方薬を使うことがある疾患には、毛嚢炎、円形脱毛症、しもやけ、手湿疹などもあります。さらに、ある程度効果を期待できる疾患には、酒渣、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、痒疹、しみ、単純性ヘルペス再発抑制、陰部掻痒症、汗疱、、慢性膿皮症なども挙げられます。
 実際に皮膚科で使うことのある漢方薬は、種類が多くおおよそ50〜60種類くらいになります。
まず、初めは症状や簡単な問診でどの方剤を使うか決めさせていただきます。また、2,3週間服用いただいて、お薬の反応や効き目をみて、違う処方に変更することがあります。さらに、治療に際して体質改善など本治療も必要とする場合は、脈診や腹診をさせていただく場合があります。

◆アトピー性皮膚炎
 アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能低下、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)やストレスによる免疫系の異常などが、複雑に絡み合って発症する病気です。
 西洋学的治療では、軽症なものではステロイド外用剤を使い湿疹をコントロールし、保湿剤にて乾燥肌の改善を行っていきます。また、痒みの強いものや慢性化した湿疹では抗アレルギー剤により痒みを押さえ、さらにダニ、ほこりなどを遠ざけ、ストレスを貯めないようにします。
 漢方治療では、湿疹の赤みや痒み・化膿傾向にある方には余分な熱を取っていく治療(清熱剤)、湿疹の部分がどす黒くなっていれば「血」の停滞を改善する治療(駆お血剤)、またジクジクした分泌物の多い湿疹には余分な「水」の停滞を治す方法(利水剤)、かさかさした乾いた湿疹には、「血」の巡りを補う治療(補血剤)を行い、必要に応じて体のバランスが崩れた部分を整えていきますので(本治療)、症状や体質に応じて、10数種類の方薬を使いこなすことが必要になります。以下に、アトピー性皮膚炎や湿疹などによく使う漢方薬を挙げます。

・消風散(実証〜中間証);汗をかき赤みやかゆみが強い熱のある湿疹によく使います。
・黄連解毒湯(実証〜中間証);痒み、赤みのある湿疹に適しています。二日酔いにも使います。
・白虎加人参湯(実証〜中間証);ほてりを伴う顔面紅斑に。口渇を伴う人で皮膚の熱感に。
・治頭瘡一方(実証〜中間症);頭部や顔面のじくじくした湿疹。特に子供の頭部に効きます。
・温清飲(中間〜虚証);痒みがつよい、色つやの悪い乾燥した湿疹に使います。
・当帰飲子(中間〜虚証);かゆみのある、カサカサした乾燥気味の湿疹によく使います。

◆にきび、毛嚢炎
 ホルモンバランスの異常やストレスなどで皮脂の分泌が亢進し、また毛穴のつまりにより面靤(コメド)が形成されることで、発症します。外的刺激や寝不足などの体調不良が加わり、感染を起こすと化膿して、赤く腫れて膿疱になります。また、女性の生理前などホルモンバランスの乱れる時期に出来やすくなり、便秘や脂っぽい食事なども影響します。
 まず余分な皮脂の排出を促すため、1日2回優しい洗顔を行っていきます。また、毛穴のつまりを無くし面靤の状態を改善するデュフェリンゲルも大変有用です(稀に過敏反応あり)。化膿傾向が強いのものには、適宜抗生剤の外用および内服を使い、ビタミン剤を併用する場合もあります。  漢方治療では、にきびの状態をみて抗生剤とともに併用して化膿を起こしにくくする処方が良く用いられます。また、女性の大人ニキビに対しては便秘などの体調を整え面靤を出来にくくする効果が期待されます。2週間程度みて効果がない場合は処方を変更していく場合もあります。もちろん薬だけでなく、洗顔、食事などの日常生活の改善も大切です。

・清上防風湯 ;化膿傾向が強く、皮疹がとがったタイプ。比較的若い人に処方されることが多い。
・十味敗毒湯;にきびに繁用される処方。化膿傾向で、顔面以外にも化膿部分があるかた。
・荊芥連翹湯;化膿傾向や蓄膿症を伴うにきびに。慢性毛包炎やアトピー性皮膚炎にも用いる。
・桂枝茯苓丸;皮疹が赤黒く、生理時に悪化のあるタイプ。肩こりやお血のある場合に使用する。
・桃核承気湯;化膿傾向で痛み、便秘をともなうもの。のぼせがあり下腹部の圧痛のある方。
・当帰芍薬散;皮疹に赤みがあまりなく、貧血傾向で冷え症のある方に向きます。
◆じんま疹
 アレルギー反応により、真皮内の血管透過性が亢進し膨疹を形成し、通常数時間で跡形無く消えます。多くのものは急性で、原因となるものを避け抗アレルギー薬の内服で症状を抑えていきます。慢性のものは体質的蕁麻疹とされ1ヶ月以上に渡り症状が続き、はっきりした原因がわからないことと、抗アレルギー薬を長期に飲まなければならないことが問題です。じんましんの種類には、お薬や食べ物によるもののほか、寒冷蕁麻疹、物理的じんま疹などがあります。
 漢方治療では、どのようなときに蕁麻疹が出るか、またその人の体調(証)などを見極め症状の軽減を図り基礎的な体質を整えていくことを目的として使います。漢方薬併用により、症状の改善や内服薬の減量などが期待されます。特に、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤でコントロールが悪い慢性蕁麻疹に対して用いられることが多いです。

・茵ちん五苓散;口の渇きやむくみ傾向のあるもの。アレルギーを抑え余分な水を排出します。
・葛根湯;悪寒や頭痛、肩こりを伴うじんましんに使うことが多いです。
・その他では、症状に応じて消風散、黄連解毒湯、十味敗毒湯、柴胡剤、茵ちん蒿湯などが良く用いられます。

◆いぼ、水いぼ
・ヨクイニン; ハトムギは昔から、煎じて飲むと肌荒れやソバカスに効くといわれていますが、イボを取るのにも効果的であることが知られています。きちんと多く飲む方がより効果あります。

◆円形脱毛症
 ストレスなどで、頭髪の毛根部に対する自己抗体(アレルギー)が出きて、生じるとされています。一般的に、単発性など軽症のものについては、セファランチン、グリチロン内服、フロジン液外用などが行われます。精神的なストレスの影響を受けやすく、不安や悩み、イライラがあると、その攻撃の引き金が引かれて脱毛の程度が重くなることが知られています。

・柴胡加竜骨牡蠣湯;実証タイプで不眠やいらいらのあるかたに使います。
・半夏厚朴湯;虚証タイプの気分の沈みがちな方に使います。
・桂枝加竜骨牡蠣湯;虚証タイプの精神的に不安定な方に。
・加味逍遥散;虚証で、精神的に不安定で疲れやすく、便秘のある方に。
・半夏瀉心湯; 中間証で吐き気や食欲不振がある人に 。

◆手荒れ(主婦湿疹・職業性湿疹)
 仕事を始め、良く水を使う、パソコンを触る、事務職で紙を良く触るなどにより手の皮脂が減少しバリア機能が低下することで、さまざまなものにアレルギーを持ちかぶれることで、湿疹となります。皮疹は、指の腹側、背側にガサガサしたもの、ジクジクしたものやひび割れなども生じることがあります。
 西洋医学的治療では、刺激を避け、ステロイド外用薬を塗って症状の緩和を行っていくこと、保湿剤にて保護していくことが中心となります。

・温経湯;冷え症で、手足のほてりがあり口の渇く方に使います。
・温清飲;皮膚の色つやが悪く、のぼせのある方に。
・三物黄莟湯 ;乾燥して湿疹化した手足のほてり。

◆しもやけ(凍瘡)
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯;冷え症があり手足が冷たく触れるような場合に使います。
・四物湯;手足の冷えがあり、貧血で皮膚が乾燥気味の方に。

◆汗疱状湿疹、貨幣状湿疹
・越婢加朮湯;浮腫と汗のでるもの、異汗性湿疹に用いる。水疱形成やじくじくするものに。

◆しみ
・桂枝加茯苓丸よく苡仁;比較的体力があり、手足の冷え、肌荒れのあるかたに。

◆口内炎
・半夏瀉心湯;気持ちを静め、消化器の炎症をのぞくことで効果を発揮する。

※新しいホームページ漢方治療,皮膚科もご参考にされてください。

(修正日;平成22年6月11日)
※このたび皮膚科疾患に関するご説明を作成いたしました。今後、よくある質問のページも作成予定ですので、説明をご希望の皮膚科疾患、診察中に分からないことなどあれば是非ご意見をお聞かせください。

※皮膚科疾患の漢方薬についてご説明を追加いたしました。皮膚科で使う漢方薬の種類は他科に比べて比較にならないくらい多いので全てを使いこなすには経験を要します。

※皮膚科疾患のご説明2は、多くの方にアクセスしていただきありがとうございます。今後とも、日常診療で気がついたことなど随時内容を更新、追加していく予定です。(大田区/皮膚科/大森山王の大木皮膚科

皮膚科疾患のご説明2