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ケロイド
       
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ケロイド外来

【ケロイド外来について】
 ケロイド外来では、赤く盛り上がる「きずあと」である、ケロイドや肥厚性瘢痕を診察・治療しています。ケロイドや肥厚性瘢痕は、赤く盛り上がって痒みや痛みを伴う、たいへん不愉快なものです。特に顔をはじめとして目立つ場所にできた場合など、その苦しみや不安は本人にしかわからないものです。日本医大のケロイド外来はそのような患者様の苦しみを少しでも減らすことを目的としてつくられました。ケロイドの治療は、患者様の体質、年齢、またケロイドのできた場所によって最適な治療法が異なるため、専門の知識が必要です。この外来では、患者様個人個人にあった最適な治療法を提案させていただいております。ケロイドの患者様はもちろん、ケロイドかどうか分からない方、またケロイドの予防にご興味のある方(ケロイド体質であることがわかっている上で、手術を受ける予定がある方)など、少しでも心配なことがありましたら、どなたでもお気軽に御相談下さい。
【ケロイドとは?】
 患者様がケロイドだと思っても、実は専門的には熱傷潰瘍・ケロイド・肥厚性瘢痕・成熟瘢痕・瘢痕拘縮といったものの可能性があり、それぞれ治療法が異なります。もちろん外来にお越しいただければ、それらの診断をつけることができると思います。中でもケロイドは体質によるものが多く、ご家族で同じような症状の方がいらっしゃる場合も少なくありません。ケロイドは特に意識しないような小さなきず、たとえばにきびとかちょっとした毛嚢炎などからもでき、まるで何もない場所に突然できたようにも思えるものです。胸や肩、腕(BCGの注射跡)、お腹(特に帝王切開をされた方の下腹部)などによくできます。また、ピアスをあけた耳におおきなしこりができることもあります。
耳のケロイド・・・ピアスをあけた後に、感染をおこしたり、なかなか傷が治りにくかったりすると、このような腫瘤になる可能性が高まります。できるだけ耳の形が変わらないように切除して、電子線を照射し、術後長期間テーピングを行います。そして寝るときに手術した方の耳を下にしないように気をつければ、10人中8人は良くなります。
下腹部のケロイド・・・帝王切開や腹部の手術後に、1本の線だった傷跡が横に広がっていき、赤く大きく盛り上がることがあります。このようなケロイドも、手術と放射線治療、またレーザー治療、サージカルテープやシリコーンテープ固定で治療可能です。
腕のケロイド・・・腕もケロイドや肥厚性瘢痕ができやすい場所です。腕は傷口に絶えず力がかかるので、ちょっとしたニキビや注射跡からケロイドができることがあります。腕は手術後に安静を保ちにくいのでなかなか難しいですが、極端な運動を控えていただければ、10人中7人は1本の線状の傷跡にすることができます。ケロイドが関節にまたがる場合は、ジグザグに切開するZ形成術などを利用して長い瘢痕を分断して短い複数の瘢痕にする方法も有効です。
【ケロイドの治療】
  ケロイドは、できた部位や、いろいろな状態によって、最適な治療法が異なります。以下に代表的な治療法を記載します。
1. 手術しない方法
1) 飲み薬
 飲み薬ではトラニラスト(リザベンR)が有効であるとされています。これは抗アレルギー剤であり、ケロイドや肥厚性瘢痕の組織中にある各種炎症細胞が出す化学伝達物質を抑制することにより、痒みをはじめとする自覚症状を抑え、さらには病変自体を沈静化させると考えられているものです。また、柴苓湯(さいれいとう)という漢方薬が効くという報告もあります。
2) 塗り薬
  塗り薬として効果のあるものにはいくつかあります。炎症を抑える目的での、デルモベートRやアンテベートR、リンデロンRをはじめとするステロイド軟膏・クリームや、非ステロイド系抗炎症剤、ヘパリン類似物質(ヒルドイドソフト軟膏R)、ワセリンなどの保湿剤があります。その他、当科では痒みに対してヨモギローションを使用しております。
3) 圧迫固定具
 昔から、やけどのきずあとは、サポーターや包帯などで固定することが効果的とされてきました。ケロイドや肥厚性瘢痕は、絶えず力がかかる部位にできる傾向が強いので、きずを安静に保つ意味で重要です。
4) 貼り薬
 最も多く利用されているものには、抗炎症剤であるステロイドがついているテープ(ドレニゾンテープR)と、シリコーンジェルでできたシート(FシートR、シカケアR、原沢R、メピフォームR、クリニセルRなど)、またポリエチレンジェルシート(傷あとケアシートR)があります。ジェルシートは長期間貼っておくことで、保湿や創の安静・固定の意味があります。ジェルシート自体に粘着力があるため、傷跡やケロイドにぴったりくっつき、洗うことによって繰り返し使うことができます。
5) 注射
  ステロイド(ケナコルトRなど)を注射することがあります。赤みや盛り上がりは著明に減少しますが、効果が強すぎるとかえって凹んだ瘢痕になることがあります。塗り薬と同じく、ステロイドであるため、毛細血管の拡張を呈することもあり、周囲の皮膚の菲薄化が生じることもあるのが欠点です。また硬い瘢痕の中に注射するため、痛みがあり、女性ではステロイドの影響で生理不順が生じることもあるため注意が必要です。ただし、当科では極力痛みが少ないように、麻酔のテープを併用したり、麻酔の注射を組み合わせたり、また細い針を使う、注射する場所や方向を常に考えながら、工夫しています。アトピ―性皮膚炎の治療でも良く議論になりますが、ステロイドと聞くと拒否反応を起こされる患者様がおられますが、適切な使い方をすることによって確実な効果が得られることがあります。ケロイドの場合は場所や大きさ、その他いろいろな条件によって、使った方が良い場合と使わない方が良い場合があります。われわれは、ステロイドの治療は数多い治療法の一つとして位置づけていますので、患者様とよくご相談させていただいてから、必要なときのみに使用いたします。
6) レーザー
 ケロイドや肥厚性瘢痕の治療に、レーザーを使うことがあります。ケロイドや肥厚性瘢痕の中の血管を破壊したり、コラーゲンの分解を促進させることを目的としたものが主流ですが、その効果はまだはっきりしておらず、各病院で試行錯誤がくりかえされています。当院のケロイド外来では、色素レーザーやNd:YAGレーザーなどいくつかの種類のレーザーを設置しておりますので、部分的に試して、効果がある場合には継続してレーザーを照射することができます。
7) その他
 そのほか液体窒素を使った治療法など、種々の治療法が報告されてきましたが、単独で効果のあるものは少なのが現状です。日本医大のケロイド外来担当医はケロイドに対する新しい治療法の開発のため、ケロイドに関連する遺伝子やタンパク質、また代謝物質などをターゲットに、診療と共に昼夜を問わず日々研究を行っております。
2. 手術する方法
1) 手術に対する考え方
  ケロイドは、いままで解説してきた方法だけで軽快するようであれば、手術をしなくても良いのですが、しかし、ひきつれ(瘢痕拘縮)の原因になったり、目立つ所で醜状が問題となれば、やはり手術をすべきです。しかし、従来からこれらは安易に手術してはならないとされてきました。なぜならば、楕円形に切り取ってそれを縫い縮めると、少し長めの直線のきずとなりますが、もしそこからケロイドや肥厚性瘢痕が再発したら、前より大きなものになってしまうからです。今でもそのような考えの医師は多いのですが、形成外科では、できる限り再発しないような縫い方の工夫をし、さらに放射線治療の一種である、電子線治療や小線源治療という方法を取り入れることによって、これらの問題を解決してきました。放射線治療は、放射線科を受診していただいて、行います。われわれの電子線照射に関する治療は、2005年に読売新聞、2008年に産経新聞に掲載されました。
1. 読売新聞
http://www010.upp.so-net.ne.jp/r-ogawa/jp/papers/Yomiuri20050926.pdf
2. 産経新聞
http://www010.upp.so-net.ne.jp/r-ogawa/jp/papers/Sankei.pdf
術前 術後
 完全に傷跡をなくすことは不可能ですが、様々な治療を組み合わせることによって、極力目立たなくすることは可能です。ケロイドは大きくなればなるほど治療が難しくなります。日本医大のケロイド外来では小さいうちに切除して放射線を照射する、という選択肢がありますので、どんどん大きくなる前に手を打つことができる可能性があります。もちろん手術よりも他の方法が良い場合もたくさんありますので、外来にて拝見して、よく患者様とご相談させていただくことになります。
2) 摘出術
 麻酔は小さいものであれば局所麻酔でも良いですが、大きいものだと全身麻酔の方が患者様には楽だと思います。切除する深さは、脂肪層や筋膜に達するまで、硬い組織を全て切除します。
3) 縫合法
 ケロイドや肥厚性瘢痕を摘出した後に、傷を縫合しなければなりませんが、最も大切なことは、見た目をきれいに縫うことではなく、ケロイドや肥厚性瘢痕が再発しないように縫うことです。ケロイドは、真皮から生じます。よって、真皮に過剰な力が加わらないように、真皮より深くにある筋膜などの組織をしっかり縫い寄せて創を十分盛り上げ、創縁が何もしなくてもくっついてしまうような状態にします。そして、真皮縫合と表面縫合を最小限に行う方法を行っています。多くの教科書には、表皮に力がかからないように真皮縫合で減張縫合をする、とかかれていますが、われわれは、表皮はもちろん真皮にも力がかからないように、真皮縫合は最小限に、それより深い部分の筋膜などのしっかりとした組織で減張縫合し、創面が盛り上がるように縫っています。
4) 放射線照射療法
 先にも記述しましたが、わたしたちの病院では、ケロイドの手術後に放射線を照射することがあります。この電子線照射や小線源治療は放射線治療の種類であり、ケロイドの原因である線維芽細胞の異常な働きを抑える目的で使用します。もちろん放射線であるため、発癌の可能性がないとは言えませんが、ケロイドに対する放射線治療の100年くらいの歴史の中で、発癌の因果関係がはっきりと証明された報告はありません。安全な方法を放射線科医と相談しながら治療します。また、あまりに大きいケロイドに対しては、手術をしないで放射線治療を行うこともあります。
5) 放射線照射の方法
 いわゆる癌をはじめとする悪性腫瘍の放射線治療では、40Gy以上の線量が用いられることが多いのですが、ケロイドや肥厚性瘢痕の術後では、病院によって違いはありますが、だいたい10Gyから20Gyくらいの線量が使用されます。通常の方法だと、手術後翌日や翌々日から開始して、2-4日くらいに分けて分割照射します。たとえば胸に対して20Gy照射するときはたいてい、手術翌日から1日5Gyずつ4日間照射します。1回の照射にかかる時間は、ほんのわずかで、手術のきずから5mm程度広い範囲に照射しています。
われわれの病院の、電子線照射機器と、照射中の様子。
照射自体は、痛みを伴わず、すぐ終ってしまいます。
6)手術の後療法について
 外科的治療および放射線治療で一度は完治したとしても、術後から局所の皮膚伸展を繰り返していれば、やはり再発することもあります。よってわたしたちは最低半年以上はきずの伸展を予防するためにテープ固定、また過度の運動、仕事をさけるようにお願いしています。
【具体的な治療について】
 まず外来を受診していただくと、その状態に合った、様々な治療法をお勧めします。その中から、患者様と御相談して、治療方針を決めていきます。治療には保険適応がありますが、ケロイドの様な病的な状態ではなく、単なる傷跡であれば、保険が適応できない場合もあります。もし手術することになりましたら、だいたいの流れはこのような感じです。

1. 局所麻酔で手術するか、全身麻酔で手術するか決めます。小さいものでしたら局所麻酔で十分ですが、大きいものでしたら、全身麻酔が楽です。
2. 全身麻酔では、術前に麻酔科の受診をしていただき、麻酔科専門医のお話を聞いていただきます。
3. 放射線を照射することになりましたら、放射線科を受診していただき、放射線治療の専門の先生からお話を聞いていただきます。
4. 入院するか、外来通院されるかですが、放射線照射をされる方は、術後翌日から2-4日間毎日放射線を照射することになるので、それが終るまで入院される方も多いです。全身麻酔の場合には、入院をお勧めしています。退院の時期に関しては、必ずしも抜糸するまで入院される必要はなく、早い方は術後翌日、また放射線が終了するまで、抜糸が終るまで、とご希望に応じて、患者様と相談して決めましょう。
5. 抜糸は大体手術してから、7日-14日の間に行う場合が多いです。その後、サージカルテープなど術後治療が始まります。
6. 術後の患者様自身のケアがもっとも再発予防に重要です。

 何かご不明な点があれば、いつでも外来にいらしてください。また遠方の方は【お問い合わせ】ページからメールにて御相談ください。システムの都合上、携帯の場合は返信できないことが多いため、PCのご使用をお勧めいたします。またメールアドレスの誤入力により返信できない場合が多くなっています。2-3日以内に返信がない場合はご自分のメールアドレスを再度ご確認の上、お問い合わせページよりご質問ください。(ケロイド外来担当医:小川令・赤石諭史・土肥輝之)
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創傷治癒


創傷治癒外来

【創傷治癒外来について】
 創傷治癒外来とは、
1) 皮膚の欠損・とても治りにくい皮膚潰瘍(難治性潰瘍)の治療を行う
2) 正常な創傷治癒を促すことにより、傷が治った際に、ケロイドや肥厚性瘢痕など目立つ傷にならないように予防する
ことを目的とした外来です。特に日本の食生活の欧米化(高カロリー化)から、糖尿病などの生活習慣病が問題になって久しく、難治性潰瘍により受診される患者さんは年年増加の傾向にあります。しかし、難治性潰瘍の治療は一般的に行われている消毒・軟膏塗布では不十分である場合が多く、数年間治療を行っているのにもかかわらず全くよくならない患者様を数多く見受けます。
 この外来では、数多くある難治性潰瘍の原因を突き止め、それぞれに最適な治療法を御提案させていただきます。お気軽に御相談下さい。

【難治性潰瘍の原因とは?】
 皮膚潰瘍の原因にはいろいろとありますが、一番多い外傷や熱傷による潰瘍は皮膚への直接の障害によるものです。しかし、難治性皮膚潰瘍の多くは潰瘍部以外に原因があり、血行障害や神経障害、炎症や腫瘍によるものが考えられます。同じような皮膚潰瘍でも、原因によって全く治療法が異なるため、原因疾患を突き止めることが重要です。

1.動脈性疾患(動脈閉塞・動脈血栓症)
2.静脈性疾患(下肢静脈瘤・深部静脈血栓後遺症)
3.神経障害(糖尿病性、脊髄損傷など)
4.物理的障害(褥瘡など)
5.血管炎(膠原病など)
6.炎症(細菌性・真菌性)
7.皮膚腫瘍
8.放射線照射、抗癌剤による障害

【難治性潰瘍の治療】
 上記の疾患の違いにより治療法も様々です。当院では内科・外科・麻酔科・当科再生医療チームとの連携を元に下記治療法を行っております。

A.動脈性潰瘍の治療
1)糖尿病・膠原病に対する内科的治療
2)血行再建・・血管外科でのバイパス手術・ステント挿入術・骨髄幹細胞を使った血管再生療法による末梢循環の改善(いわゆる再生医療を第一内科と共同で行っております)
3)交感神経ブロックや神経刺激装置、薬剤による血管拡張療法

B.静脈性潰瘍の治療
1)硬化療法
2)ストリッピング
3)圧迫療法

C.皮膚潰瘍の局所治療
1)局所処置
 壊死物質のデブリードマン、軟膏療法、または第一内科との協力によるマゴット(ウジ)療法。このウジ治療は、体に害のないウジに、壊死した組織を溶かしてもらう治療法です。
2)手術療法
 植皮術、局所・遊離皮弁術等できずをふさぎます。

なかなか治らないきずは、不必要な組織を除去することが大切で、そうすることによって、潰瘍の底や皮膚周囲から傷が埋まっていきます。(赤石諭史)
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熱傷再建


熱傷再建外来

【熱傷再建外来について】
 日本医科大学形成外科では、当院救命救急センター設立時より広範囲熱傷で救命された患者様を受け入れており、植皮術による熱傷潰瘍創の閉鎖およびその後に生じる熱傷瘢痕拘縮の治療を数多く手がけております。平成8年4月からは、形成外科専門医1名が救命救急センターに出向しており広範囲熱傷に対して初期治療から関わっております。特に、熱傷後に生じる高度な瘢痕拘縮に対する皮弁再建に関しては、世界的にも評価されております(真皮下血管網皮弁を用いた頸部、腋窩、手背などの再建、2次皮弁を用いた眉毛、耳介、髭の再建など)。
 熱傷再建外来では、小範囲の熱傷から入院を必要とするものまで幅広く対応させていただいております。 また、熱傷後のきずあとやひきつれ(瘢痕拘縮)のご相談にも応じております。 熱傷瘢痕拘縮の治療は、さまざまな方法が行われていますが、できた場所や拘縮の程度によって最適な治療法が異なります。熱傷再建外来では、患者様個人個人にあった最適な治療法をご提案させていただきます。気軽にご相談ください。熱傷後の盛り上がった傷跡である、肥厚性瘢痕やケロイドは、ケロイド外来にて、目立つ傷跡については、きずあと外来でも対応させていただいております。

【熱傷とは?】
1. 熱傷の原因
 熱湯、火炎などの熱源に皮膚が接触する事により起こります。温度が高いほどやけどの程度はひどくなりますが、湯たんぽによる低温やけどなどは温度が低くても長時間接することにより、より深いやけどになることもあります。

2. 原因別の分類
 火炎によるもの(frame burn)、お湯によるもの(scald burn)、接触によるもの(contact burn)、電撃によるもの(electoric burn)などがあります。

3.熱傷深度による分類
 1) I度熱傷:表面が赤くなっているだけのもの。約1週間で治癒し、跡を残さないものです。
 2) II度熱傷:水疱ができたもの。以下の2つに分類します。
 a. 浅達性II度:水疱の下がピンク色をしています.痛みがあり、約2週間で上皮化します。薄い跡が残りますが、徐々に薄くなります。

浅達性II度熱傷:水疱を形成していますが、このまま水疱を温存して治療していけば約2週間で治癒します。

 b. 深達性II度:水疱の下が、黄色く痛みがありません。神経まで死んでしまっているのです。表面の壊死組織がとれ、治るまで3-4週間かかります。やや盛り上がった傷跡を残すことが多いです。

 3) III度熱傷:皮膚が全層焼けたものです。黒色から黄色の局面を呈します。皮膚が欠損し、そのままでは治らないものです。

III度熱傷:約3%のIII度熱傷で、受傷後2週間の状態です。このままでは上皮化しませんので、植皮術が必要となります。

4. 重症度分類
 おおよその目安として片側の手掌全体で体表面積の1%と計算します。一般的にII度30%以上、III度10%以上は、集中治療が必要となり救命センター等での治療が必要となります。II度15%以上、III度2%以上は入院治療の適応であり、それ以下のものでは、通常は外来通院での加療が可能ですが、顔面、手など特殊部位での熱傷は、入院加療が必要となる場合もあります。

【熱傷の治療】
1. 保存的治療
 浅達性II度熱傷までは、洗浄、消毒、軟膏療法などで保存的に治療できますが、ある程度の範囲以上の深達性II度〜III度熱傷は、皮膚移植などの手術を必要とすることが多いものです。

2. II度熱傷の治療経過
 熱傷を受けた部分の皮膚に水疱形成を伴うとII度熱傷になります。通常、小範囲をお湯などでやけどした場合は、流水で十分に冷やしてから、来院されるようにしてください。できた水疱は破らないようにした方が、良いでしょう。衣服などを無理にとって水疱を破かないように注意してください。病院に来られる場合にも、氷嚢等で適宜、患部を冷やしながらいらしてください。
 病院では、傷口を拝見して適切な治療を行います。通常、局部の洗浄、消毒、軟膏処置を行わせていただくことが多いと思われます。必要な場合は、化膿止めや痛み止めを処方いたします。病院から帰られた後も、1-2日間は、患部を適宜冷やした方が痛みが和らぎます。やけどが浅い場合は、通常4-5日くらいで、水疱が乾いてきます。その場合、水疱は自然に取れてきますので、無理に剥がさないでください。水疱が、10-14日くらいで、自然に剥がれピンク色の上皮化した皮膚ができていればやけどが浅い場合です。
 やけどがやや深い場合は、水疱が剥がれた後に上皮化がなく、黄色い壊死組織がついています。その場合に治療を継続し、軟膏治療やはさみ等で壊死組織を取っていく必要があります。上皮化が完成するまで、通常3-4週間かかり、引き連れや盛り上がった傷跡をことがあります。 熱傷の深さを、はじめから正確に診断することは困難で浅い部分と深い部分が混在する場合もあります。途中で、感染を伴った場合やけどが当初の予測より、深くなる場合もあります。最近、熱傷に対して安易に閉鎖療法を用いる施設がありますが、場合により感染のリスクが増す場合がありますので、注意が必要です。

3. 手術する場合
 明かなIII度熱傷の場合、II度深達性熱傷が大きい場合や手、顔面などの特殊部位に掛かっている場合には手術適応となります。 手術は麻酔下に専用のカッターで壊死組織を削り取り、正常組織を出した後、皮膚を採取する器械(デルマトーム)で取った皮膚片を移植します。手術後は、植皮を固定しますが、1週間程度の抗生剤投与と安静が必要です。感染を伴った場合や植皮片が動いてしまった場合は、植皮の生着が悪くなります。また、非常に深い火傷で腱や骨が露出したものは皮弁手術(血行を持たせたまま皮膚を移動する)を必要とします。

術前:左手の深達性II度熱傷を認めました。

術中:太ももから採取した薄い皮膚を貼りました。

術後:移植した皮膚が完全に生着しました。

【熱傷瘢痕拘縮】
 熱傷を受けた部位が手、肘などの関節部や顔面・頸部などに掛かっていた場合には、傷跡が治ってできた瘢痕がひきつれ(拘縮)を起こしてしますことがあります。 特に、関節の運動制限を伴う場合には、関節自体の拘縮も引き起こしてしまうことがあり、早期の手術的治療が必要とされます。手術方法は、ひきつれをジグザグに形成する(Z形成術)などの一般的な方法から、植皮や各種局所皮弁、遠隔皮弁、遊離皮弁等から症状に応じた適切な方法をご提案させていただきます。


指間の瘢痕拘縮:指の間にみずかきのような拘縮が生じたので、小さな切れ込みを入れて、
指間の形成を行いました。

術後:指間のみずかきが消失しました。

【具体的な治療期間について】
 小範囲の局所皮弁や植皮手術であれば局所麻酔手術も可能です。ある程度以上の範囲の手術では、全身麻酔が必要です。入院は、手術前日にしていただきます。(月曜手術の場合は、金曜日入院)入院期間は、場合によりますが植皮手術、皮弁手術ともに10日-2週間前後の入院期間を要します。

【瘢痕癌について】
以前、やけどした跡が傷になってなかなか治らない場合には有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)という皮膚癌が発生しているおそれがあり注意が必要です。

【セカンドオピニオンについて】
やけどの傷跡がなかなか治らない、やけどの跡のひきつれ(拘縮)が目立つため困っている等がありましたら、いつでも外来にてご相談ください。(大木更一郎)


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