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〜動脈硬化予防の総合戦略〜

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血管を若く保つためには

 血管を若く保つためには   〜動脈硬化予防の総合戦略〜   

●動脈硬化の原因
「人間は血管から老いてゆく」という言葉があります。血管の老化、すなわち動脈硬化はどうして起きるのでしょうか?
動脈硬化症は動脈壁が肥厚して弾力性を失い、脳、心臓、足など様々な臓器で血液の流の障害をおこす病態をさし、先進国での主要な障害及び死亡の原因となります。例えば脳梗塞、心筋梗塞、下肢壊疽などです。
この変化は全ての人にみられ、年齢とともに進行しますが、その程度は人により違います。動脈硬化の主な原因は大きな弾性動脈(大動脈、腸骨動脈)や中等大の筋性動脈(冠動脈、頚動脈)におきるアテローマ(粥腫)です。アテローマは、血管内膜に脂肪とそれをとりこんだ泡沫細胞のかたまり(プラーク)ができることがはじまりです。この脂肪は主に血液由来のLDL-コレステロールです。
肝臓で正常に処理できない酸化して変性したLDL-コレステロールがアテローマの材料となるといわれています。
この変化に二次的に炎症(白血球の遊走とサイトカインと呼ばれる炎症物質の放出)、石灰化、血栓などの変化が起きて、アテローマが大きくなり血管腔を狭めます。また、アテローマが不安定になり破裂して末梢側に塞栓として詰まることがあります。

●動脈硬化の予防
アテローマの発達を抑えて動脈硬化を予防することは可能でしょうか?
アテローマの増大には年令、男性であることといった修正できない要素がありますが、努力すれば修正できる要素もあります。
まず血液の悪玉コレステロールを下げることが大事です。家族性高脂血症という遺伝性疾患では治療しないと多くが30〜50代の若さで心筋梗塞をおこします。一方、最近の研究ではLDLーコレステロールが正常の人でも薬でそれをさらに下げると、重大な血管の病気を減らせることがわかりました。このことからLDLーコレステロールのコントロールはアテローマ抑制にもっとも重要であるとされています。
この目的のため、現在世界中でスタチン系という薬が使われています。わが国ではこれまでLDLーコレステロールを140mg/dl以下にすることがすすめられてきましたが、糖尿病、高血圧のある人、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞の既往がある人ではさらに低く、できれば100mg/dl以下にすることがすすめられます。
一方、善玉HDLコレステロールはアテローマにLDLーコレステロールが集まるのを防ぐ働きがあります。したがってHDL動脈硬化のコレステロールが低い(40mg/dl)ことは動脈硬化の危険因子ですが、これを確実にあげる薬は現在ありません。
高血圧は動脈硬化の促進因子で、140/90mmHg以下のコントロールが必要です。糖尿病では高血糖がアテローマを促進、するので血糖管理(HbA1c6.5%以下)が必要です。慢性腎疾患(CKD)も動脈硬化を促進することがわかってきました。最近注目されているメタボリック症候群は、その中で肥満(BMI25以上)、HDLコレステロール低値、および喫煙が動脈硬化促進因子なので、LDLーコレステロールを測定した上で対策が必要です。喫煙は癌と動脈硬化の両方にまたがって害をおよぼします。禁煙以外にありません。このほか抗酸化作用のあるビタミンE,Cや魚油の不飽和脂肪酸(EPA,DHA)などの多くの物質が動脈硬化を予防する健康食品としてあげられていますが、明確な証拠(エビデンス)があるとはいえません。

●最後に
 血管は体のすみずみに張り巡らされ、酸素と栄養素を運搬していて、まさしく「命の道」です。その長さは大人1人で約10万キロー地球2まわりあるとされています。この血管をすこやかに保つことが現代の予防医学の根幹なのです。

2009年7月20日
西クリニック 院長 西 忠博