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風見バッタ

高すぎる院外調剤料

通院中の医療機関が院外調剤になった途端支払いが増えて驚いた方は多いと思います。これを検証したいと思います。
院外処方は元々の処方料が110円から260円院内より高いのですが、院内処方では請求されない付加料金があります。
院外調剤料と呼ばれるもので、処方期間によって
調剤料350円:1週間
調剤料630円:2週間
調剤料680円:3週間
調剤料770円:4週間超
上記に内服回数の違いによる薬のグループ数をかけて加えます。
最大は3倍で、4週間処方で3グループが処方されていれば、
770円×3=2310円が加えられるのです。
また、院内処方では無償の分包(一包化)も、院外処方では1週間分あたり890円が加算されます。
場所によっては
基準調剤加算:100円または300円
後発薬品調剤体制加算:40円
お薬手帳があるとさらに加算がつけられます。
結局少なくても1000円前後、高いと3000円以上違うこともあり、3割負担なら300円から1000円以上支払が多くなるということです。
同じ薬を貰うだけなのに、これほど差が出て良いのでしょうか。
医師の再診料が720円か1240円ですから、院外薬局業務のほうが医師の診断治療行為より価値が高いことになります。
院外薬局による医薬分業に総医療費の6%(2兆円前後)が費やされる一方、厚生労働省は財源不足だから外来診察料を下げようとか云ってるのです。
明らかにおかしいと思うのは私だけでしょうか。

医師不足の原因は?

各地で勤務医不足と診療科の閉鎖や場合によっては病院自体の閉鎖が問題となっています。メディアでは研修制度の変更により研修医が大都市圏の病院に集中したためとしているようですが果たしてそれだけでしょうか?
もっと大きな問題は病院に勤務医が居つかなくなっていることでしょう。責任や労力の割りに報酬が少ないことと公立病院までが独立採算を厳しく求められるため自身の診療理念を曲げざるを得ないことが関係していると思われます。どちらか一方だけでも満たされれば止めて開業という流れを止められるはずです。
今後、看護師の大卒化が進めばより一層病院の人件費確保は困難となることが予想され、医療費の内訳を製薬メーカ偏重から医療機関重視に変えないと医療崩壊がより顕著になるでしょう。

外資系医薬品の認可について

医薬品の認可は厚生労働省が行っています。最近海外の治検データーを流用して導入薬の認可にかかる期間を短縮しようとされています。化学療法中の癌患者さんでは生存期間に関わる切実な問題ですが、同じ人間でも種特異性があるようです。喘息の薬でもロイコトリエン受容体拮抗薬では欧米人と日本人では至適量に違いがあるようです。他のジャンルの薬にも同様の違いが存在する可能性が高く、癌治療といった特殊な場合を除いては国内で治検を行い、至適量を決定するべきでしょう。

日本の医療費

日本の医療費は約30兆円という膨大な金額となっています。しかし、平成8年当時で28.5兆円で当時の厚生省は平成12年には38兆円に膨らむと予想し、マスメディアを通じて医療費抑制を宣伝したわけですが彼らの予想通りにはなっていません。また、30兆円のうち約三分の一を国が補助している格好です。不景気のため企業はリストラを断行し税収はのび悩む現状では、他の先進国と比べての30兆円が高いか高くないかあるいは公共事業費と比べるとどうかなどを論じても仕方がなさそうですが、その内訳の違いは今後どうすれば良いかを考える手助けになるでしょう。
日本の医療費の内訳は医療単価と技術料が低く薬剤料が高いという特徴を持ちます。30兆円の約3割強が薬剤料でこれはアメリカの約2.7倍、ドイツの1.8倍にあたります。では日本ではアメリカの2.7倍の薬を処方されているのでしょうか。いいえ、そうではありません。これは薬価が海外と比べ高いことに起因しているのです。これは国民皆保険を昭和36年より行う前に医療の敷居を下げるため低い医療単価と技術料を医療側が譲歩したことと関係があり、代わりに当時の行政サイドは医師優遇税制と薬価差を約束しました。しかし、現状では高い薬価だけが残った格好になり、建値制度の導入後は低い技術料を補う薬価差も無くなっています。また、新薬と称して出てくる薬もゾロ新と呼ばれるものが多く、大した存在意義のないものに高い薬価が設定されています。旧厚生省やマスコミは日本の医療は薬づけだと決めつけてきましたがそれを誘導しているのは薬価を決定している厚生労働省であり、その天下り先となっている製薬業界であるといえるのではないでしょうか。

ジェネリックスについて

ジェネリックスとは特許切れの薬を他社が真似て作ったものです。薬の値段を薬価といい厚生労働省が決定しています。薬価は大体2年おきに改定され、医療機関や調剤薬局への納入価で引き下げ幅が決められます。ジェネリックスは特許薬の8割程度の薬価で登場してきますが、値引き幅が非常に大きいため(50%を超えることも多い=薬価差益が大きい)次回の改定では大幅に薬価が引き下げられます。薬価が下がると製造メーカの利益も下がり、ジェネリックスメーカによっては製造を勝手に止めるところがでることがあります。また、製造工程が全く一緒ではないため特許薬をジェネリクスに変更したことによる副作用がでる場合も稀にあります。ジェネリックスの問題点はその2点と思われますが、医師の側からはその使用に不安を持つものも未だに多く、私もその一人です。ジェネリックスの使用が医療費の削減、患者さんの一部負担の軽減につながるのは間違いありません。しかし、特許薬の薬価を引き下げれば同様の効果が得られるのも事実です。日本の薬価は平均してアメリカの1.6倍、ヨーロッパ諸国とではさらに高いものです。これをアメリカ並みにするだけで兆単位の医療費の削減と一部負担の軽減がなされるはずです。しかし、厚生労働省の役人の天下りと日経連をバックにした先発メーカの力は強く、好ましい方向には進んでいない現状です。40兆円近い借金をしながら80兆円の予算を組むこの国の構造を変えないと駄目なのかもしれません。