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麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)について
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少しでも早く免疫を獲得するために1年間の中でも4月から6月までの3カ月間に受けるのがよいとされています。できるだけ早めに予防接種を受けましょう。

イ)【台東区平成23年度 麻しん・風しん定期予防接種】
第3期の対象者:新中学1年生
第4期の対象者:新高校3年生
予防接種票有効期限:平成24年3月31日まで
上記に該当するお子さんには台東区より麻しん・風しん混合(MR)予防接種票が郵送されます。有効期間内であれば、台東区より接種費用が全額助成されます。
但し、期間以外の接種は自費による任意接種となります。
なお、保護者が予防接種の効果や副反応などについて理解・納得して予診票に署名すれば保護者の同伴がなくても予防接種を受けることができます。
上記年齢以外の方でワクチン接種希望の方は自費での任意接種となりますが、自治体によって助成される場合があります。区役所・保健所などにお問い合わせください。

ロ)【麻しんにかかった場合に起こり得ること】
感染から回復期までの約1か月間免疫機能低下状態が持続します。そのため、細菌の二次性感染、結核の顕性化、その他の合併症で致命的な事態(麻しんの二大死因は肺炎と脳炎)を招くことがあります。麻しんは感染力が強く、麻しんにかかったことがない子どもが麻しんにかかった子どもと遊んだり兄弟のうち一人が麻しんにかかっている時は通常は感染してしまいます。

ハ)【風しんにかかった場合に起こり得ること】
症状は比較的軽く予後は一般に良好ですが、大人が罹患するとその症状は乳幼児より一般に重いと言われます。血症板減少性紫斑病、脳炎、溶血性貧血などの合併症が1/2000人〜1/5000人の頻度で発生することがあります。また、妊娠16週までの妊婦が風しんウイルスに初感染すると、胎児が風しんウイルスに感染し(経胎盤感染)、難聴・心疾患・白内障・小頭症・精神運動発達遅滞等のいわゆる先天性風疹症候群児が出生する可能性が高いことが知られています。(妊婦の風しんが不顕性で発疹や発熱、自覚症状等がなくても先天性風疹症候群児が出生する可能性があります。なお、妊娠に気付かずにワクチン接種をすると胎児が感染することがあります。)

ニ)【第3期または4期の2回目のワクチン接種が必要な背景】
平成18年6月よりMRワクチンの2回接種(第1期:生後12カ月〜24カ月、第2期:小学校就学前5歳以上7歳未満)が予防接種法に基づき開始されましたが、第2期の接種率は80%代と十分とはいえない状況でした。そのような矢先に平成18年から19年初めにかけて茨城県南部・千葉県・東京都・埼玉県で麻疹患者数が増加、10代〜20代を中心とした流行がみられ、小・中・高・大学での集団発生がいくつか認められました。平成13年の流行ではワクチン未接種・麻しん未罹患の乳幼児が中心でしたが、平成19年の流行では10代〜20代のワクチン未接種で麻しん未罹患の若者とワクチン1回接種後のPVF(注1)、SVF(注2)を中心とした年長児〜若年成人が中心の流行に変化しました。このため、平成19年12月28日、厚生労働大臣から「麻しんに関する特定感染症予防指針」が告示され、平成24年までに日本から麻疹を排除し、またその状態を維持することが目標に定められました。
今回の流行の中心となった定期予防接種対象年齢以上に存在する麻しん感受性者に対する積極的な対策が求められたことより、平成20年4月から5年間の時限措置として中学1年生相当年齢者(13歳になる年度)と高校3年生相当年齢者(18歳になる年度)に2回目のワクチン接種機会を設けるため、定期予防接種第3期・4期が始まりました。

ホ)【ワクチン接種後にもかかわらず麻しん・風しんにかかってしまう2つの理由(2回接種が必要な理由)】
(注1)Primary vaccine failure :PVF
麻しんワクチン接種後に抗体ができない状況です。ワクチン接種による抗体陽転率は95%以上で、接種後ほとんどの小児が抗体を獲得しますが数%は抗体ができるに至りません。
(注2)Secondary vaccine failure :SVF
麻しんワクチン接種後に免疫が低下してしまう状況です。麻しんなどの感染症の中には一度かかると二度とかからない終生免疫が獲得されると考えられ、生ワクチン接種の場合も同様に免疫は終生続くと考えられていました。近年、発症防御可能な抗体維持は恒久的に野生株麻しんウイルスと接触しているためという考え方に変わってきています。最近では麻しん・風しんの流行が減少し野生株ウイルスに接触する機会が少なくなってきたため、ワクチン接種により獲得した免疫が低下して麻しん・風しんにかかってしまう例が報告されるようになりました。

ヘ)【麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)について】
麻疹ウイルスおよび風疹ウイルスの病原性を弱めてつくられた生ワクチンです。
麻しんと風しんに対する免疫を獲得することができます。今回の対策(第3期・4期の追加)は、麻しんの流行を予防するためですが、同時に風しんの流行予防も目的としているため、原則として麻しん風しん混合ワクチンを接種します。

ト)【MRワクチンを受けることができない場合】
・妊娠していることが明らかな場合
・37.5℃以上の発熱がある場合
・重い急性の病気にかかっている場合
・過去に麻しん・風しんを対象とするワクチンを受けてアナフィラキシーを起こしたことがある場合
・医師より免疫不全などの診断を受けたことがある、または免疫抑制を起こす治療を受けている場合
・医師が予防接種を受けることを不適当と判断した場合

チ)【MRワクチンを受ける前に注意すること】
・MRワクチンは胎児への影響が考えられるため、接種前1か月は避妊が必要です。
・ガンマグロブリン製剤の注射をうけたことがある場合は、医師へ申し出て下さい。

リ)【MRワクチンを受けた後に注意すること】
・MRワクチンは胎児への影響が考えられるため、接種後約2カ月は避妊が必要です。
・接種後30分間は病院にいるなどして様子を観察し、医師とすぐに連絡を取れるようにしておきましょう。
・接種後は副反応(発熱や発疹など)の出現に注意しましょう。
・接種当日は激しい運動は避け、接種部位を清潔に保つようにしましょう。
・接種当日は入浴は差し支えありませんが、注射した部位を清潔に保つようにしましょう。

ヌ)【MRワクチンの副反応】
発熱、発疹が主なものであり、ほかに局所反応、蕁麻疹、リンパ節腫脹、関節痛がみられる場合があります。発熱や発疹は接種後4〜14日後に多く見られます。接種直後から数日中に過敏症状と考えられる発熱、発疹、掻痒等がみられることがありますが、これらの症状は1〜3日で治癒します。まれにアナフィラキシー様症状、血症板減少性紫斑病、脳炎、けいれんなどの副反応が生じる可能性があります。
重篤な副反応は接種後30分以内に起こることが多いため、接種30分間は接種医のもとにすぐに戻ってこられる場所で待機し特に体調の変化がないことを確認してから帰宅することが大切です。

ル)【麻しん・風しんの免疫を持っているかどうかの確認について】
免疫の有無を調べるには、血液中の抗体価を調べる方法が一般的です。一般の医療機関で受けることができます。

ヲ)【麻しんについて】
「はしか」とも呼ばれ麻しんウイルスの感染によって起こる急性発疹性の感染症です。
潜伏期:約10〜12日。
症状:
カタル症状(鼻汁、咳、結膜充血、めやに等)と共に38℃以上の発熱を認め、いったん解熱するようですが再度発熱し(二峰性の発熱)、その際に全身性の発疹が出現し高熱が4〜5日続きます。発疹が現れる前よりほほの口の粘膜に周りが赤く中心が白い粘膜疹が見られます。伝染力はカタル期から発疹初期にかけて最も強く、下熱した後3日を経過するまでは登校禁止です。生後6カ月頃までは母体からの受動免疫により罹患しません。
その他:
麻しんにかかったことがない子どもが麻しんにかかった子どもと遊んだり、兄弟のうち一人が麻しんにかかっている時は、通常は感染してしまいます。麻しんにかかっている子どもなどと接触した時期がはっきりしている場合には、72時間以内にワクチンを接種すると自然麻しんの発症を防ぐことが可能なこともあるといわれています。また、6日以内であればガンマグロブリンの筋注で発症予防したり軽症化させることができる場合がありますが、ヒト血液製剤であること、体重1kg当たり0.33mlを筋肉内に注射する必要があり、かなりの疼痛を伴うという認識のもとに使用すべきです。

ワ)【風しんについて】
風しんウイルスによって生じる急性の熱性発疹性感染症で、流行期には春先から初夏にかけて多く患者発生がみられます。一度感染し治癒すると大部分の人は終生免疫を獲得します。後発年齢は集団生活に入る1〜9歳頃で、幼児と小学校低学年に多く発生をみています。患者年齢は10歳以上の割合が以前と比べ多くなっています。風しんウイルスは、患者の咽頭から排出されて飛沫感染しますが、発疹の出る2〜3日前から発疹出現後の5日間までは感染力があるといわれています。しかし、感染力は麻しんや水痘に比べれば弱いと言えます。
潜伏期:2〜3週間。
症状:
発熱、発熱と同時に出現し2〜3日で消退する発疹、耳後部や全身のリンパ節腫脹が認められ、約15%の人は不顕性感染で終わることが知られています。症状は比較的軽く予後は一般に良好ですが、血症板減少性紫斑病、脳炎、溶血性貧血などの合併症が1/2000人〜1/5000人の頻度で発生することがあります。

カ)その他【発熱と発疹の現れ方】
麻疹:二峰性の発熱(一度解熱後に再度発熱)時とほぼ同時に発疹が出現する
風疹:発熱と発疹が同時に出現する
突発性発疹:解熱に伴い発疹が出現する

(浅草医師会公衆衛生部資料、麻しん風しん混合ワクチン予防接種ハンドブック:監修:国立成育センター総長加藤達夫先生、予防接種に関するQ&A集:社団法人細菌製剤協会編より一部引用改変)