スマイル通信(令和2年1月 第166号)
はじめに:健康で笑いの絶えない暮らしを願ってスマイル通信第166号を発刊します。あけましておめでとうございます。昨年度はラグビーワールドカップで盛り上がりましたが、今年は東京オリンピックがあります。海外からのお客様が多く来ますが、いろいろな感染症も持ち込まれる可能性もありますので医療機関でも対策がとられています。
当院では高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の方が多く通院されていますが、これらの治療をしっかりやることが認知症の予防に重要というお話をしたいと思います。

認知症は年齢とともに増加します。

2012年時点の65歳以上の認知症の有病率は15%であり、全国の認知症高齢者数は約462万人と推計されました。また、認知症を発症する前段階とみられる軽度認知障害(MCI)の高齢者も、約400万人と推計されました。

認知症の原因

認知症の原因は、脳の神経細胞が変性して死滅していくアルツハイマー型認知症が60%、レビー小体型認知症が10%、また脳梗塞や出血で神経細胞が死滅して発症する脳血管障害性認知症があります。アルツハイマー病は脳の動脈硬化とも関係があり、生活習慣病を合併した人に多いことが分かっています。


アルツハイマー型認知症の治療

アルツハイマー型認知症は50歳ころから脳の中にアミロイドベータ蛋白がたまりだし、さらに10年後にはタウ蛋白がたまりだし、脳が委縮し始め、さらにその5年後に軽度認知機能障害(MCI)が出現し、認知症が発症することが分かってきました。つまり、50歳から対応しないと発病してしまうわけです。残念ながら、治癒させる薬剤はまだできていませんが、進行を少し遅らせる薬剤はあります。また生活習慣を改善させると発症を遅らせることがわかってきていました。長生きをするとどうしても認知症になる可能性は高くなりますが、認知症の発症を10年以上遅らせることができればありがたいと思います。そのためにできることが、生活習慣の改善となります。


認知症を促進してしまう因子と防御に働く因子

認知症の原因となる促進因子は主に、遺伝的要因、金銭面などの社会経済的要因、ストレス、高血圧など生活習慣病につながるライフスタイル、加齢による脳の老化があります。中でも、認知症の原因となる病気の大部分を占めるアルツハイマー型や脳血管性認知症は、生活習慣病と大きく関係しているといわれています。日頃から生活習慣病への警戒意識を高くすることで、認知症の予防につながります。