子供のアレルギーの病気など、アレルギー疾患についてのトピックスのコーナーです。
院長の意見や趣味、その他のコーナーです。
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フリーページ1−アレルギーの病気の話題、その他

子供のアレルギーの病気

      *アレルギーとは?
 私達の体にとって,異物(抗原)が外界から体内に入ってくると、その異物(抗原)に反応する抗体が作られます。再び同じ抗原が体内に入ると,最初に作られた抗体と結びついて抗原抗体反応が起こります。人間にとって不都合状態を引き起こす抗原抗体反応をアレルギーといいます。主な抗原としては、乳児期から2−3歳までは食物、その後は家塵、ダニ、空中のカビ、花粉、動物の毛やふけ等です。そして、アレルギー反応によって起こる病気の代表として、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、結膜炎(花粉症)などがあります。これらの病気の発症には、アトピー素因(抗体をつくりやすくアレルギーの病気になりやすい遺伝的な家族的な素質)との関係がとても強い事がわかっています。
  *増えているアレルギーの病気
 ここ20年位の間に、アレルギーによって起こる病気は確実に増えています。アレルギー症状を訴えている0−4歳の子供達が、都会では50%、田舎では40%もいる事が,厚生省の全国調査から報告されています。平成4年度に小学生を対象に私達が実施した調査でも、地元米子市で41.8%、隠岐西の島で36.7%もの子供達が、アレルギー症状を訴えていたという結果でした。アレルギーの病気の発症には、子供の住む環境がとても深い関係をもつ事が解ります。
  *小児のアレルギーの病気の特色
 アトピー素因をもつ子供は、成長過程の中で次々と異なった抗原により、様々なアレルギーの病気を起こします。生後間もなくみられる顔面の湿疹(乳児湿疹)から、痒みや乾燥肌を伴うアトピー性皮膚炎を発症し、生後5−6ヶ月頃よりゼロゼロが始まり、やがてゼイゼイ、ヒューヒューを伴う呼吸困難を訴える気管支喘息が起こってきます。さらに年長になると、花粉症などアレルギー性鼻炎、結膜炎を起こすようになります。
 このように、皮膚,気管支、鼻、目の順序でアレルギー症状が起こってくるこの病気の流れをアレルギーマーチと呼び、現在、この流れを阻止する努力が乳児期早期から行われています。

食物アレルギー

食物アレルギーについて
 近年、我が国においても、食生活の変化等により食物アレルギーは確実に増加していると言われています。平成9年度の厚生省の全国調査では、食物アレルギーによる症状を経験したことのある人は7.3%と報告されています。私達の小学生を対象とした調査では、米子市9.6%、隠岐西の島10.4%でした。しかし、小学生の時期になると、症状のある子供は、それぞれ2.4%、2.6%に減少していました。子供の食物アレルギーの特色は、症状は加齢とともに改善され解決される場合が殆どなのです。乳児期から2−3歳頃まで、小児にアレルギー症状を引き起こす主な抗原である食物は、加齢とともに、食べられるようになることを知っておく必要があるのです。
*診断
 さて、食物アレルギーの診断は、吸入抗原の場合と比較すると、非常に煩雑かつ難しいのです。食物抗原の確定診断(患児に本当に症状を引き起こす抗原なのか?)をする場合、日本小児アレルギー学会の食物アレルギー診療ガイドライン2008年度版の中にも除去誘発試験が最も信頼性が高い方法だと記載されている。抗原診断をする場合、皮膚テスト、血液検査(RASTー患児の血液中のアレルギーを起こす抗体の有無を判定する検査)等がよく使用されますが、残念ながら食物アレルギーの場合は、乳児期を除いて信頼がおけません。私達のデータでも、乳児期では、RAST陽性の場合、80.8%が除去誘発試験に陽性でアレルギー症状を起こしました。しかし、年長児の場合、除去誘発試験で、66.6%しか症状を起こしませんでした。結局、現在抗原診断に最も使用されるRAST法は、食物抗原の場合には、年長になればなる程信頼性がなくなるという事になります。食物アレルギーの診断は、煩雑であるにしても、現在のところ、除去誘発試験が最も信頼性が高い方法であるというのが結論です。ただし、この試験で注意すべき点は、食物負荷後2時間以内に起こるアナフィラキシーショック等即時型反応による症状です。しかし、最近では、その危険な即時型反応を予測できる検査法(ヒスタミン遊離試験や、特異IgE値のレベルなど)を参考にすることにより、当院では以前とくらべ、安心して除去誘発試験を行える様になりました。
      *食物アレルギー児の取り扱い
 除去誘発試験等で食物抗原を的確に診断し、アレルギー症状を起こす食物のみを除去します。

除去食療法と除去食代替え食品の提供場所

     *除去食療法
 食物アレルギーを治療管理する場合、除去食療法はきちんと行えば原因を取り除くので、とても有効かつ基本的な治療法です。しかし、対象となるのが乳幼児期の子供の場合が多く、発育の著しいこの時期に大切な栄養源を除去する事になるので、充分に注意して実施すべきです。一歳を過ぎれば、除去が必要であった食物抗原(卵、牛乳、大豆、小麦、米など)を各種血液検査や除去誘発試験を参考に、食べれるか否かを判定し、反応がなければどんどん除去食を解除していく事が大切です。

*食物アレルギーに対する除去食療法のポイント
1)本当にアレルギーの原因になる食物のみを検査、確定診断して除去しましょう。
2)除去食品に代わる代替食品を食べて栄養不足、栄養バランスのくずれがないようにしましょう。
3)除去食についての正しい知識を学び、除去は成長とともに解除され、必ずしも長期にわたらないことを知って、医師や栄養士の指導のもとに実行しましょう。
4)アトピー素因のある小児は、乳児期から除去食と同時に、必ずダニ、カビなどを除去する掃除などの環境の整備が必須条件です。

  *除去食代替え食品取り扱い場所

 代替え食品を必要とする食物アレルギーの方は、下記皆生堂薬局で入手できます。お問い合わせ下さい。

     詳しくは>>こちらをご覧ください。  


     皆生堂薬局
:米子市皆生3−12−5

        TEL:0859−22−1193
         (きむら小児科隣)

      *除去食療法勉強会
 栄養士による除去食療法のやり方、代替食について、当クリニックの勉強会で、詳しい情報を提供しています。食物アレルギーの方は是非参加して下さい。

アトピー性皮膚炎児の生活管理のポイント

 アトピー性皮膚炎の治療管理のノウハウについて述べてみます。
1)症状を引き起こす原因を除くー医師の診断によるアレルギーを引き起こす原因、ダニや食べ物などを生活環境の中から取り除く。

2)スキンケアー皮膚の汚れはアトピー性皮膚炎悪化の原因、皮膚の清潔が必須条件。
 a)入浴ー制限しない。毎日入浴、シャワーをする。皮膚はゴイゴシこすらず、石鹸は刺激の弱いものを使用し、よく泡立てて手かタオルなどの柔らかいものでなでるように洗いよくすすぐ。
b)衣類ー刺激が少なく汗を吸収し易い製品を使用。肌着は綿100%のものがお薦め。ウール、ナイロンなどは直接皮膚に触れないこと。洗剤,仕上げ剤の過度の使用は禁止、界面活性剤の少ない洗剤を使用する。
 c)外からの刺激を避けるー皮膚の掻爬の防止のため、手指の清潔、爪をこまめに切る。砂遊びなどの汚れを良く洗い流す。

3)運動ー汗をかいたらシャワーなどで洗い流す。プールの後は消毒剤をしっかりと洗い流す。過度の日光にあたらない。

4)季節に関する増悪因子ー夏の発汗にたいしてはシャワー、入浴を頻回にする。冬の皮膚乾燥には保湿剤を充分に塗布。

5)感染やストレスは増悪因子ーブドウ球菌感染症、感冒罹患の場合はすぐ治療する。罹患しやすい伝染性軟属腫の治療。ストレス、イライラの解消をする。過労をさける。

6)薬の上手な使い方ーアトピー性皮膚炎の症状を抑えるために最も有効なステロイド外用軟膏の副作用を心配する人がいますが、医師の指示に従って正しく使用すれば問題ありません。乾燥肌に保湿剤を使用する場合は、入浴後素早く、5分以内に塗りましょう。痒みのひどい場合はのみ薬が有効です。                 そして、2003年12月からステロイド外用薬無効例や副作用が心配な小児アトピー性皮膚炎に対しても、皮膚症状のコントロールの可能性が期待される軟膏(0.03%タクロリムス軟膏)が使用出来るようになりました。

食物アレルギーを起こしやすい食べ物

近年明らかに食物アレルギーの患者さんは増えています。人のアレルギー疾患の原因として、食物抗原が問題となるのは乳幼児期(0-3歳位)と言われています。しかし、平成13,14年の厚生労働省食物アレルギー研究班の全国調査によると、2歳未満が全体の50.8%をしめ、加齢とともに患者数は減少するが、中高校生でも食物アレルギーのひどい反応が現れる場合があり、20歳以上でも9.5%に認められたとの事です。研究班の資料を参考に食物アレルギーの実態にいについて述べてみます。
1)食物アレルギーによって起こされる症状のタイプ
a) 即時型ー食物を摂取してから15-30分(2時間以内)後に症状が出現する。
b)遅発型ー食物摂取してから6-8時間後に症状が出現する
c) 遅延型ー食物摂取してから1-2日後に症状が出現する。
 食物を摂取後、体内にアレルギー反応が起こります。しかし症状が発生する時間帯があり、最も問題となるのがa)の即時型です。ほとんどが摂取後15分から30分以内に発症し、時にはアナフィラキシー反応を起こし、ショック症状のため生命の危険にさらされる事もあります。即時型を起こす抗原の診断をきちんと受け除去をする事が大切です。
2)食物アレルギーの臨床症状
最も危険な即時型反応による症状としは、蕁麻疹、咳。喘鳴、気管支喘息発作、腹痛嘔吐下痢、鼻炎などが主ですが、時には血圧低下、意識消失などを伴うアナフィラキシーショックを起こす事もあります。その他、湿疹、アトピー性皮膚炎、腎泌尿器疾患では、蛋白尿、血尿、夜尿、頻尿症等を起こします。神経系では、頭痛、めまい、アレルギー性緊張弛緩症候群等を起こすとされています。
3)食物アレルギーを起こしやすい食品
 厚生労働省食物アレルギー研究班の報告では、即時型のアレルギー症状をきたす食品としては、0-2歳では卵、牛乳・乳製品、小麦の3つで約75%をしめています。3歳以上では、3つに加えて甲殻類、果物、ソバ、ナッツ類が原因となります。6-19歳では、エビ、ソバ、魚類、ピーナッツなどのナッツ類、桃などが主なものです。成人になると、小麦が最も多く、エビ、魚類、鶏卵の順位」になっています。