感染症情報(平成24年5月9日更新)

当院の感染症情報第16週(平成24年4月16日〜平成24年4月22日)をお知らせいたします。当院患者数/郡山市患者数,( )内は前週の数です。
インフルエンザ 16/104名 (11/119)
RSウイルス感染症 1/4名 (0/4)
咽頭結膜熱 0/10名 (0/7)
A群溶連菌感染症 1/18名 (1/14)
感染性胃腸炎 24/67名 (18/83)
水痘 2/8名 (4/13)
手足口病 0/0名 (0/0)
伝染性紅斑 0/1名 (2/3)
突発性発疹 3/9名 (5/7)
百日咳 0/0名 (0/0)
ヘルパンギーナ 0/0名 (0/0)
流行性耳下腺炎 0/2名 (0/1)
以上です。
あいかわらず、ぜいぜいして重症化しやすいRSウイルス感染症が流行しています。有効な薬がなく乳幼児で入院が必要なことが多いので注意しましょう。
ウイルス性の嘔吐下痢症も流行しています。原因にはノロ、ロタ、アデノウイルスがあります。いずれも有効な薬がありません。おう吐の強い初期は水分を少しずつ与え、脱水に気をつけましょう。
麻疹と風疹は全数報告となり調査からはずれました。乳幼児では死亡率が高いのでワクチンを早めに受けましょう。また、小学校入学前の他に中学1年生(3期)、高校3年生(4期)が5年間に限って行われています。
風疹は妊娠中にかかると奇形児(先天性風疹症候群)が生まれることもありますので成人女性で免疫の無い方もワクチンを受けておきましょう。麻疹と一緒にMRワクチンとして行われています。
溶連菌感染症の流行も続いています。リウマチ熱や急性腎炎を引き起こすことがあるため、長期のの抗生剤の服用が必要です。のどの痛み、発熱、細かい発疹(出ない場合もある)、イチゴ状舌(少し遅れて出る)が特徴です。かぜと区別できないこともありますので、心配でしたら検査を受けましょう。
水痘も流行していますが、有効な薬がありますので早目に、病院を受診しましょう。接触後3日以内の場合、ワクチンで予防できる場合がありますので、主治医にご相談ください。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、合併症の髄膜炎、難聴に注意が必要です。ワクチンがありますので、検討しましょう。
インフルエンザ情報(平成24年5月19日更新)
連休後はかなり少なくなってきましたが、5月中はB型の流行に注意しましょう。
周囲に発熱者がいたり、インフルエンザと接触した後に発熱など゙の症状が見られた人は感染を拡げることになりますので受診する時にはマスクを着用し、その旨を受付にお申し出下さい。流行期にはなるべく人ごみを避け、マスク、手洗い、うがい、規則的な生活を心がけるなどの予防をしましょう。
*今年は1度の吸入で済む「イナビル」や注射薬の「ラピアクタ」も発売になっております。これらも発熱後48時間以内に使用すれば効果があります。
タミフルについては副作用として異常行動や言動の報告があり、十代での使用が規制されました。生後6ヶ月から(1歳未満は注意して使用)10歳未満までと成人では通常通り服用できます。昨年の調査では服用していない人でも同様の症状が見られており、今年度も引き続き調査が行われております。いずれにしても、最初の2日間はお子さんの様子を十分に注意して心配な点があれば主治医に相談ください。今シーズンのAソ連型では98%でタミフルが効かない耐性ウイルスのため当院でもソ連型と思われる1/3の方でタミフルの効果がないようです。B型はもともとタミフルが効かない人が多いようです。
5歳以上では吸入薬のリレンザも使われています。A型B型に効果があり、耐性の報告はないようですが、手技的には小学校高学年から可能なようです。
漢方薬の麻黄湯もタミフルと同等の効果がみられています。
パーキンソン病に使用されるアマンタジン(シンメトレル)はA型のインフルエンザには有効ですが耐性が出来やすく最近ではあまり使われていません。
ワクチンについてですが、小児の場合、13歳未満は基礎的な免疫が十分でないと考えられるため、1〜4週の間隔をあけて2回接種することとなっています。なお、実際には3〜4週の間隔が免疫の効果が良いとされています。免疫は2回終了2週間後より出来てきて約5ヶ月間持続します。すなわち、一冬のみの効果となりますので、毎年受ける必要があります。受けても罹ることもあります(下に詳細があります)が、重症化を防げると言われています。
さて、前回の流行でワクチンをしたのにかかってしまったという人がいますが、これは現在の不活化によるワクチンは血液中に抗体を作ることが出来ても、のどや鼻の粘膜にある分泌抗体をあまり多く作れないため最初にインフルエンザのウイルスがのどや鼻にくっつくのを阻止できないためであります。子どもではその傾向が強いため、対策として、鼻に生ワクチンを接種する方法が検討されています。
2011/12年のワクチンは去年と同じ株となりました。
日本脳炎について
日本脳炎は、
日本脳炎ウイルス(フラビウイルス科)が原因ですが、主にコガタアカイエカ(名前はコガタですが水田のそばに多く、昼間、家の壁に止まっている比較的大きな手足の長い蚊です。)によってうつり、人に重篤な急性脳炎をおこします。
ウイルスは極東から東南アジア、南アジアにかけて広く分布しており、日本では東北地方までは確認されています。
感染経路は、豚の体内で増えたウイルスを蚊が吸血し、その蚊が人を刺して感染します。人から人への感染はありません。実際は感染してもほとんどの人は軽い上気道感染で終わり、100人から1000人に1人が脳炎になると言われています。
潜伏期間は6から16日間とされています。
症状は数日間の高熱、頭痛、嘔吐などで発症し、急に、項部硬直、光線過敏、意識障害、神経障害を生じます。
治療は特異的に効く薬剤はありませんので、対症療法のみとなります。
生命予後は死亡率は約15%で、幼小児や老人では危険です。神経の後遺症が45から70%で起こります。
ADEM(急性散在性脳脊髄炎)について
ADEM(急性散在性脳脊髄炎)とは、ウイルス感染やワクチン接種後4から21日後に、アレルギーなどの免疫が関係して、複数の場所に脱髄性の脳脊髄炎を起こす病気です。
症状としては、頭痛、発熱、悪心、嘔吐、意識障害、精神症状、、けいれんなどを主体とする脳炎型と、対麻痺(両下肢麻痺)、分節性感覚障害、排尿障害などを主体とする脊髄炎型があり、末梢神経障害を呈することもあります。
ウイルス感染では、麻しんに多く、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ感染後にも見られることがあります。日本脳炎ワクチン後では約100万人に一人に見られるといわれています。
治療には、副腎皮質ステロイドが用いられ、予後は比較的良好と言われていますが、神経後遺症が約10%に見られます。