C型肝炎のインターフェロン治療


◆本当は怖い肝臓病。肝臓は”沈黙の臓器”です、自覚症状がないからといって放置すると大変なことになります



あなたは検診などで、肝臓の数値が高いと言われた事はありませんか?「何も症状がないから大丈夫」とほおっていませんか。血液検査のGOT(AST)やGPT(ALT)が高いまま放置すると、「肝硬変」へと進行します。
この写真は同じ人の肝臓を約10年毎に比較したものです。一番左はほぼ正常な状態の肝臓ですが、肝臓の数値が高いまま放置すると、10年後には、中央のような「慢性肝炎」になります。さらに放置すると、右のように肝臓の表面はデコボコになり、いわゆる「肝硬変」になります。ここまで進行しても、自覚症状はほとんどありません。そして、さらに悪化すると、黄疸や腹水、浮腫(むくみ)などがでてきます。「肝臓がん」ができるリスクも高くなります。


◆「肝臓がん」の患者さんは年々増加しています

このグラフは「肝臓がん」で亡くなる患者さんの数を年毎にみたものです。右肩上がりで増加していることがわかります。この30年で約3倍に増加し、日本人の死亡原因1位のがん全体の中でも、「肺がん」、「胃がん」、「大腸がん」に次いで第4位です。さらに、ここ大阪府は「肝臓がん」の都道府県別死亡率が全国1位です。
「肝臓がん」の原因のほとんどは「B型肝炎」もしくは「C型肝炎」です。特に「C型肝炎」は「肝臓がん」の70%以上を占め、もっとも多いのです。「C型肝炎」を持っていると持っていない人に比べて、約500倍も肝臓がんになりやすいとも言われています。




◆C型肝炎にはどうしてなるの?どうやって調べればわかるの?



「C型肝炎」はC型肝炎ウイルスという目には見えないウイルスが血液に感染しておきる病気です。血液検査でこのウイルスの有無を調べられます。ふつうの日常生活では人から人へ感染することはありません。
感染しても全員が肝臓の数値が高くなるわけではありません(ウイルスを持っていても数値が正常の人をキャリアと呼びます)。日本にはC型肝炎ウイルスのキャリアが100万人以上いると言われています。このうち病院へ通院している人はごく一部です。体内にウイルスがいる以上はいつでも、肝臓の数値が高くなる可能性があります。従って、肝臓の数値が高い人はもちろん、C型肝炎ウイルスを持っている人は、たとえキャリアであっても定期的な診察と血液検査によるチェックが必要です。


◆インターフェロン治療をおこなうと約半数の人でC型肝炎ウイルスが消えます

C型肝炎ウイルスを体内から完全に排除するには、今のところインターフェロン治療しかありません。最新の治療法では週一回の皮下注射と毎日の内服薬の併用を半年から一年間続けます。ウイルスのタイプや量によって効果には個人差がありますが、治療を最後まで終了できた場合、約半数の人でウイルスが完全に消えます。もし、インターフェロンでウイルスが消えなくても、多くの人でGPT(ALT)などの肝臓の数値が低下し、肝臓がんのリスクも低下すると言われています。



◆個人個人によって、インターフェロンの効果や副作用には差があります、よく医師と相談しましょう

インターフェロンには初期の発熱などのインフルエンザ様症状、中期以降の食欲不振やうつ症状、脱毛など、さまざまな副作用があります。また、白血球数や血小板数の低下、貧血なども定期的な採血による注意が必要です。これらは個人差がありますので、全く副作用のない人もあれば、副作用のために、途中で中止せざるを得なくなる人もいます。また、高齢者や合併症のある方はインターフェロンはできない場合もありますので、医師とよく相談の上、治療するか決めましょう。
(参考文献 慢性肝炎の治療ガイド2006 日本肝臓学会 編)  (文責 伊与田賢也)