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院長 井上 幸一
人類が球上に生まれて20万年、その長い歴史のなかでつい100年ほど前までは平均60年そこそこしか生きられませんでした。その後、医療の進歩とともに日本人の寿命は急速に伸び、今や80歳を越えました。人体の仕組みが進化して耐用年数が伸びたわけでなく、高血圧など命を短める病気を治療してきた医療の成果と考えられます。
数千年前まで人類は、生き残るためマンモスなど他の動物を捕らえ食料にしていました。それには強い身体能力を生み出す高い血圧が必要でした。その結果、長い進化の間に高い血圧の遺伝子を持つ子孫が淘汰され、生き残こってきました。遺伝子は数千年足らずでは大きく変わらないので、その子孫であるわれわれも高い血圧の遺伝子を持つと思われます。しかし、文明が発展し食料が苦労せず手に入るようになった今日、高い血圧は長生きを阻害する無用の長物に過ぎなくなりました。それでもここ100年の間に、20年も余計に生きられるようになったのは、医療によって血圧をコントロールできるようになったからです。
健康に長生きすることは人類の悲願ですが、これを手放しで実現できる人は少なく、医療がその手助けをさせていただけると思います。
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