歯周病と糖尿病
 
現在、日本には「糖尿病が強く疑われる人」は約890万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は約1,320万人、合わせると約2,210万人いると推定されています。(平成19年国民健康・栄養調査より)
昨今注目をあびている“メタボリックシンドローム”に関わる一つの病気である糖尿病と、歯周病との関係についてご紹介します。


糖尿病とは?
 
糖尿病は、インスリンによる血糖低下作用が弱くなったり、すい臓から分泌されるインスリンの量が減少したり、あるいは分泌されたインスリンがうまくはたらかなくなる代謝異常の病気です。糖尿病には、1型糖尿病や2型糖尿病、遺伝子の異常やほかの病気が原因となるもの、妊娠糖尿病などいくつかのタイプがあります。
日本の糖尿病の95%以上が、食事や運動などの生活習慣が関係している場合が多い2型糖尿病であるといわれています。


糖尿病は歯周病を悪化させる!?
 
糖尿病の患者さんは、歯周病の発症や進行のリスクが高いことがわかっており、歯周病は糖尿病の第6の合併症といわれています。これは、歯周組織においても、免疫機能の低下、代謝異常、微小血管障害などが起こり、歯周病菌に感染しやすく、組織の破壊が起こりやすくなるためだと考えられています。
高血糖状態では、血液中のたんぱく質が糖化されていて、糖化されたたんぱく質は免疫細胞(マクロファージ)を刺激して、炎症性サイトカインを過剰に産生させます。このサイトカインが歯周病の炎症症状を強め、歯周組織に破壊を招くと考えられます。


歯周病も糖尿病に影響を与える!?
 
最近では、歯周病も糖尿病へ影響を及ぼすと考えられるようになってきました。細菌が身体に進入してくると、身体を守る働きが起こり、炎症という状態になります。その際に作られるサイトカインという物質の中には、血糖値を下げるために分泌されたインスリンの働きを阻害するものがあり、インスリンの効果が現れない状態となります。その結果、血糖コントロールが難しくなるといわれています。
逆に、糖尿病の患者さんの歯周病を治療することで、血糖コントロールが改善し、重症度の指標である血液中のHbA1c濃度が低下するとの報告があります。


歯周病を予防しよう!
 
歯周病の予防・歯周治療を成功に導くために重要なことは、その原因となっている細菌の数を減らすこと、つまりプラークを除去することです。
プラークを除去し、お口を健康に保つには、歯科医院でのプロフェッショナルケアに加え、自分自身で行うホームケア(セルフケア)が大切です。正しいホームケアを行うためにも歯科医院を定期的に受診し、歯科医師や歯科衛生士による指導を受けることをおすすめします。




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