アルコール依存症のくすり
指導/長 徹二
三重県立こころの医療センター


▼病気に関する基礎知識
病気に関する基礎知識 アルコール依存症を簡単に説明すると「飲酒のコントロールがつかなくなり、飲酒中心の生活となる脳の疾患」です。重要なポイントは「コントロールできないこと」です。酒の瓶を見ただけで急激に飲みたくなる脳の変化も画像研究で示されており、治療は酒を一滴も飲まないようにしていくこと(断酒)に尽きます。
▼治療に関する薬の解説
 大きく分けて2 種類あります。ひとつは抗酒薬(ノックビン®、シアナマイド)というもので、「まったく酒の飲めない体質を一時的に作ることができる薬」です。この薬を服用中に飲酒をすると急性アルコール中毒のような症状が出ます。そのため、アルコール依存症の治療において、事前に服用しておき、酒を飲みたくなったときに飲酒しない気持ちを助け、断酒治療を支えてくれるのです。もうひとつはレグテクト®という薬で、脳に作用して飲みたくなる気持ちを軽減することが期待されています。いずれの薬も治療方針として、断酒する気持ちがある場合に服用します。それぞれの作用を考えた上で、2剤を併用することも可能です。
▼再発・予防のための対策
再発・予防のための対策 治療を開始したころは飲酒欲求が強くて、些細なことがきっかけで再飲酒に至ってしまう場合もあります。根気よく治療を続けていくようにしましょう。単に飲むか飲まないかという行動ばかりではなく、人間としての尊厳や生き方の回復といった面も重要です。治療の中心は飲酒しなくても過ごしていけるための工夫を考えることになります。
イラスト:牧野有華(作業療法士)


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