バセドウ病とは
指導/向笠浩司
伊藤病院内科医長


▼病気に関する基礎知識
 バセドウ病とは甲状腺(こうじょうせん)への刺激が増加し、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気です。女性では男性の約4倍の頻度であり、20〜40歳代の発症が最も多いとされています。症状は動悸(どうき)、急激な体重減少、倦怠感(けんたいかん)、手足の震えなどさまざまです。治療は内服(薬物治療)、放射線治療、手術があります。若年女性に多いことから、近い将来に妊娠を考えているかどうかが治療法を決めるために重要です。
治療法の長所・短所
治療方法 長所 短所
薬物療法 薬を飲むだけでよい 長期間かかる
副作用がある
再発が多い
放射線治療 副作用、合併症がない 施設が限られる
甲状腺機能低下症になりやすい
手術療法 治療効果が確実 術の痕が残る
施設が限られる
甲状腺機能低下症になりやすい
▼食事・運動などの生活における留意点
 食事についてはヨウ素の摂取を控えるようにという説明を受けることがあるかもしれませんが、常識的な量のヨウ素を食事からとっている限りはとくに心配はありません。飲酒については、肝臓の酵素が上昇したときに飲み薬の副作用との見分けが難しいことや動悸が悪化することから控えめにしたほうがよいと思われます。
 運動については、甲状腺ホルモンの値が高いときは、積極的に行うことは避けたほうがよいでしょう。動悸が悪化し、時に不整脈(ふせいみゃく)が出現することがあります。とくに高齢者では不整脈を引き金に心不全(しんふぜん)になることもあります。年齢を問わず、甲状腺ホルモンの値が高いときは可能な限り、安静にしていることが重要です。
▼再発・予防のための対策
 入学、就職、職場の配置替えなどの生活環境のストレスを受けたあとに発症、再発するケースがよくあることから、ストレスが影響している可能性はありますが、現在のところ発症を予防したり、再発を防いだりする方法は見つかっていません。したがって、動悸、体重減少、倦怠感があるようなら、一度は医療機関で検査を受けたほうがよいでしょう。


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