帯状疱疹(たいじょうほうしん)のくすり
指導/川島 眞
東京女子医科大学皮膚科教授


▼病気に関する基礎知識
 子どものころに水ぼうそうを起こしたウイルスは、治った後もからだ中の神経節(しんけいせつ)に宿ってしまいます。数十年後に神経節の中で眠っていたウイルスが目を覚まし、神経を伝って皮膚に到達して、赤い斑点や水疱(すいほう:水ぶくれ)を起こしたのが帯状疱疹です。神経を伝わって出てくるときに、神経に炎症を起こすため、まず痛みが現れ、その後発疹が出てきます。普通はからだの片側だけに生じます。
▼治療に用いられる薬
 帯状疱疹の治療には抗ウイルス薬が用いられます。3種類の内服薬と2種類の点滴薬があります。重症では入院のうえ点滴治療を行います。抗ウイルス薬による治療は通常1週間で十分ですが、抗ウイルス薬はできあがったウイルスを殺す薬ではなく、新たにウイルスを作らせないようにする薬です。そのため、帯状疱疹にかかった早い段階から使用しないと十分な効果は得られません。副作用の少ない薬ですが、高齢者や腎臓の機能が落ちている患者さんでは、血液中の濃度が上がり過ぎて意識低下などを起こすことがありますので注意が必要です。
▼日常生活の留意点
 帯状疱疹の発疹は3週間ほどでわずかな痕(あと)を残して治りますが、治った後も数ヵ月、時には何年も痛みが残ってしまうことがあります。この帯状疱疹後神経痛を十分に予防する方法はありませんが、なるべく早く抗ウイルス薬による治療を開始することが大切です。治療中はなるべく無理をしないようにします。入浴は水疱が破れてジュクジュクしない限りは可能です。水ぼうそうにかかったことのないお子さんが発疹に触れると感染して水ぼうそうを起こすことがありますので気をつけましょう。


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