市中肺炎(しちゅうはいえん)とは
指導/高橋佳子
兵庫医科大学病院薬剤部


▼病気に関する基礎知識
 市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人に発症する肺胞(はいほう:空気がたまるところ)の急性炎症です。高齢者では症状がはっきりしない場合もあります。原因菌の多くは肺炎球菌(はいえんきゅうきん)、インフルエンザ桿菌(かんきん)で、インフルエンザ流行期ではウイルス性の肺炎も頻度が高くなります。また、マイコプラズマやクラミジア、レジオネラのような細菌ではない微生物が原因となる非定型肺炎ではペニシリン系やセフェム系のお薬は無効なため、それらを念頭に置いた病歴の聴取など、鑑別が重要となります。
主な症状
▼市中肺炎の治療
治療の基本フォローチャート できるだけ早期に適切な抗菌薬を適切な量と期間で投与する必要があります。年齢、性別、脱水の有無、意識障害の有無、血圧の低下の有無により重症度を分類し、外来診療・入院診療・ICU管理のいずれかを決定します。「日本呼吸器学会成人市中肺炎診療ガイドライン」では、@原因菌が不明な場合、A重症肺炎、B原因菌が推定できる場合に分け、@とBに関しては外来、入院で区別し、それぞれに推奨される抗菌薬が示されています。
▼生活における注意点
 糖尿病(とうにょうびょう)、膠原病(こうげんびょう)、悪性腫瘍(あくせいしゅよう)など基礎疾患によって免疫が抑制状態にある場合は、発症のリスクが高まるとされており、日ごろから基礎疾患や合併症のコントロールを行うことは発症の予防につながります。また、肺炎球菌に対してはワクチンがあり、接種することで発症の予防が期待できます。
  最近では、福祉施設、長期療養型の介護施設や在宅ケアを受けている方も少なくなく、このような状況での発症は病院外であっても市中肺炎ではなく医療・介護関連肺炎として扱われ、市中肺炎の原因菌に加え、耐性菌の関与も考慮した抗菌薬が処方されます。


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