乳がんのくすり
指導/宮本康敬
浜松オンコロジーセンター薬剤部


▼乳がんの治療に用いられるくすり
乳がんの治療に用いられるくすり 乳がんの治療薬には、ホルモン剤・抗HER2治療剤(こうハーツーちりょうざい)・抗がん剤などがあります。ホルモン受容体陽性の場合(乳がん全体の70〜80%)は、ホルモン剤を使用します。HER2タンパクが陽性の場合(乳がん全体の15〜20%)は、抗HER2治療剤を使用します。
 「ホルモン受容体が陰性」、「HER2タンパクが陽性」「がん細胞の悪性度が高い」などの場合は、抗がん剤を使用します。
 また、抗がん剤の副作用を軽減し、治療を計画通りにすすめるために、支持療法剤を使用する場合もあります。
▼ホルモン剤とは
主なホルモン剤は、次の通りです。
抗エストロゲン剤 女性ホルモンである「エストロゲン」が乳がん細胞に作用するのを抑えます。副作用として、ホットフラッシュ(ほてりやのぼせ)があります。また、過去に血栓症にかかったことがある患者さんは、必ず医師・薬剤師に伝えてください。
LH-RHアナログ製剤 閉経前の女性に使用します。閉経前の卵巣の機能を抑え、体の中の女性ホルモンの量を減らします。1ヵ月あるいは3ヵ月に1回注射します。
アロマターゼ阻害剤(そがいざい) 閉経後の女性に使用します。脂肪やがん細胞で、「エストロゲン」ができるのを抑えます。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や関節痛などの副作用があります。
▼抗HER2治療剤とは
 がん細胞の増殖に関係するHER2タンパクの働きを細胞の外から抑える注射薬と、細胞の中から抑える内服薬があります。注射薬では心不全、内服薬では下痢や皮疹などの副作用があります。
▼抗がん剤とは
抗がん剤とは 注射薬、内服薬に分かれ、さまざまな種類があります。くすりによっても吐き気や骨髄抑制、脱毛などの副作用の程度は異なります。
▼支持療法剤とは
主な支持療法剤は、次の通りです。
5-HT3受容体拮抗薬(じゅようたいきっこうやく)
NK-1受容体拮抗薬
抗がん剤治療後の吐き気を軽減します。
ステロイド薬 抗がん剤治療後の吐き気やむくみを軽減します。
抗菌薬 抗がん剤治療による骨髄抑制時、発熱した場合に使用します。


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