慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常のくすり
指導/田中元子
松下会あけぼのクリニック腎臓内科


▼慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常とは
 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)でみられるリン・カルシウム・副甲状腺(ふくこうじょうせん)ホルモン(parathyroid hormone:PTH)などの異常によって引き起こされる病気(骨病変や心血管疾患など)を「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-mineral and bone disorder:CKD-MBD)」といいます。
▼慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常の治療に用いられるくすり
 透析患者さんの血液検査の目標値は、リン値3.5〜6.0mg/dL、補正カルシウム値8.4〜10.0mg/dL、PTH値60〜180pg/mLです。リン・カルシウム・PTHをコントロールするくすりには、食事に含まれるリンと結合して体外へ排泄する「リン吸着薬」や、腸管からのカルシウム吸収を助けて骨を守る「ビタミンD製剤」、副甲状腺に直接作用してPTHの産生を抑える「カルシウム受容体作動薬」があります。

リン吸着薬 カルシウム含有 炭酸カルシウム(カルタン®
カルシウム非含有 セベラマー塩酸塩(フォスブロック®、レナジェル®
炭酸ランタン(ホスレノール®
ビタミンD製剤 経口 アルファカルシドール(アルファロール®、ワンアルファ®
カルシトリオール(ロカルトロール®
ファレカルシトリオール(フルスタン®、ホーネル®
静注 カルシトリオール(ロカルトロール®注)
マキサカルシトール(オキサロール®注)
カルシウム受容体作動薬 シナカルセト塩酸塩(レグパラ®
▼くすりの服用方法と副作用
 「シナカルセト塩酸塩」は1日1回、ほぼ同じ時刻に服用してください。このくすりは一定の時刻に服用することで、安定したPTH低下効果・維持効果が得られることが知られています。
  また、リン吸着薬は種類によって服用の方法が異なります。「セベラマー塩酸塩」は食直前に、かみ砕いたりせずに服用してください。「炭酸ランタン」は食直後に、かみ砕いて服用します。これらのくすりの主な副作用は、吐き気、便秘などの胃腸症状ですが、重大な副作用として、腸管穿孔(ちょうかんせんこう)やイレウス(腸閉塞)が報告されていますので、便秘の悪化、腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、腹痛、嘔吐(おうと)などの症状があらわれたら、すみやかに医師または薬剤師に相談してください。


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