心房細動のくすり
指導/佐藤俊明
慶應義塾大学医学部循環器内科講師


▼心房細動とは
 心房細動とは、心房筋が不規則・高頻度に収縮し、心房全体が小刻みにふるえている状態です。
▼処方される主なくすりの種類
心房細動の発生源 心房細動に対して処方される主なくすりは、抗不整脈(こうふせいみゃく)薬と、抗凝固(こうぎょうこ)薬や抗血小板(こうけっしょうばん)薬です。抗不整脈薬はさらに、リズムコントロールのくすりと、レートコントロールのくすりにわけられます。リズムコントロールのくすりは心房細動の停止と再発予防のために投与され、心筋細胞膜上に分布するNa、Kなどのイオンチャネルを介した各イオンの移動を抑制します。一方、レートコントロールのくすりは心房細動中の早い心拍数をコントロールするために投与され、β遮断薬、Caチャネル遮断薬やジギタリスが含まれます。
  心房細動は「血栓塞栓症(けっせんそくせんしょう):とくに脳塞栓症」を合併することが知られています。その危険性が高い患者さんには抗凝固薬であるワルファリンが投与されます。
▼くすりの副作用と注意点
 心筋梗塞(しんきんこうそく)や慢性心不全の既往があると、Naチャネル遮断薬により致死性の不整脈が誘発されたり、心不全が増悪したりすることもあります。 Kチャネル遮断薬を投与すると、過度なQT延長から多形性心室頻拍(たけいせいしんしつひんぱく)が誘発されることがあります。ある種の抗菌薬や抗うつ薬、胃ぐすりなどの併用により、QTがさらに延長することも知られています。
 抗不整脈薬の服用時には、その用量に加え併用薬にも注意する必要があります。
▼日常生活における注意点
食事には注意 抗不整脈薬とともに、ワルファリンの定期的な服用をおすすめします。ワルファリンは、納豆やクロレラなどの摂取により抗凝固作用が減弱するため、食事には注意が必要です。



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