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▼パーキンソン病の薬物療法 |
パーキンソン病の症状により日常生活に支障がある場合は、早期より治療を開始することで進行を抑制できる可能性が示されています。
パーキンソン病の薬物療法は主にレボドパ、ドパミン受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)を中心に行います。レボドパは脳内で代謝されドパミンとなって作用する、最も有効なくすりです。しかしながら効果が短く、吸収時に食事の影響を受けやすいことから、一日を通して血中濃度を安定に保つことが難しく、長期間投与していると運動機能の
日内変動が出てくる可能性があります。一方で、ドパミンアゴニストは血中濃度が安定し、くすりそのものがドパミン受容体に作用するため、運動機能の日内変動はレボドパに比べると少ないといわれています。
ドパミンアゴニストは、心臓弁膜(しんぞうべんまく)症、肺線維(はいせんい)症、下肢のむくみ、眠気、幻覚などの副作用をまれに生じることがあります。そのため、認知機能障害などのリスクがなく比較的若い患者さんには、まずドパミンアゴニストを投与し、必要に応じてレボドパを追加投与します。それ以外にMAO-B阻害薬、アマンタジン、抗コリン薬などがあり、
症状に応じて組み合わせて治療します(図)。 |
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