前立腺がんとは
指導/冨田京一
日本赤十字社医療センター泌尿器科部長


▼疾患に関する基礎知識
 前立腺がんとは、男性にだけ存在する前立腺から発生するがんです。前立腺は精液を作り、年を取るにつれ大きくなることが多い臓器です。前立腺がんは高齢になるほどその罹患率は高くなり、遺伝的な要素があるため肉親に前立腺がんの方がいると、前立腺がんにかかる可能性が高くなります。
▼生活上の留意点
 前立腺は膀胱の下にあり尿道を取り囲むように存在しているため、がんができて尿道を圧迫すると、前立腺肥大症と同じように排尿困難や頻尿(ひんにょう)といった症状がみられるようになります。
 また、前立腺がんはまったく症状がない早期から、血中の前立腺特異抗原(ぜんりつせんとくいこうげん):PSAが上昇します。検診などでPSA高値が指摘された場合、前立腺組織を一部採取し顕微鏡で調べることによって、早期の段階で前立腺がんと診断できるようになっています。
 前立腺がんは骨に転移しやすいがんのため、腰痛や背部痛などで見つかることがありますので、50歳以上でそのような症状が続くようでしたら一度PSA値を測定してもらいましょう。
▼前立腺がんの治療
  前立腺がんが前立腺内にとどまっている場合、年齢が75歳以下で大きな合併症がなければ、前立腺全摘除術(ぜんりつせんぜんてきじょじゅつ)の適応になります。他に放射線治療、温熱治療(HIFU)やホルモン治療があります。ホルモン治療は精巣を摘除する方法の他に、LH-RHアナログ製剤[リュープロレリン(リュープリン®)、ゴセレリン(ゾラデックス®)]という皮下注射で男性ホルモンを低下させる方法、抗男性ホルモン薬[ビカルタミド(カソデックス®錠)、フルタミド(オダイン®錠)、クロルマジノン(プロスタール®錠)]、女性ホルモン薬[エチニルエストラジオール(プロセキソール®錠)]などがあります。



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