悪性リンパ腫とは
指導/根本真記
癌研有明病院薬剤部


▼悪性リンパ腫の基礎知識
 悪性リンパ腫は、リンパ系組織から発生する腫瘍で、リンパ節や臓器に腫瘤(しゅりゅう)ができる病気です。悪性リンパ腫はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分類され、日本人で多いのは非ホジキンリンパ腫です。非ホジキンリンパ腫の主な症状は、リンパ節の腫れや圧迫感です。頸部、わきの下、足のつけ根のリンパ節が腫れることが多く、通常痛みはありません。全身的な症状として原因不明の体重減少、38℃以上の発熱、激しい寝汗などが現れることもあります。
▼治療の基本は化学療法
 非ホジキンリンパ腫の治療は抗がん剤による化学療法が中心です。代表的な治療は、モノクローナル抗体:リツキサン®注(リツキシマブ)に3種類の抗がん剤(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン)と副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン)を組み合わせた『R-CHOP療法』です。
▼モノクローナル抗体:リツキサン®
 リツキサン®注は、がん化したBリンパ球と特定の成熟段階にある正常Bリンパ球の表面に存在しているCD20というタンパク質を目印に結合する、モノクローナル抗体です。
 非ホジキンリンパ腫の細胞表面に結合すると腫瘍(しゅよう)細胞に作用し、腫瘍を縮小させます。
▼リツキサン®注を投与する患者さんへ(癌研有明病院患者さん用説明書より)
 次の内容は、すべて癌研有明病院での副作用調査の結果をもとに作成したものです。
  リツキサン®注は、インフュージョンリアクションと呼ばれるアレルギーのような症状が出やすいくすりです。初めて投与するときに出やすいため、初回投与時は体調の変化に注意しましょう。症状の多くは、初めて(1回目)の投与中に起こり、治療が終わるころなくなります。

(1)リツキサン®注の投与前には、副作用予防のくすりを服用します
 リツキサン®注を投与する時には、点滴開始30分程前に、インフュージョンリアクションの症状を軽くするためのおくすりを2種類(解熱鎮痛薬1錠と抗ヒスタミン薬1錠)服用します。
(2)はじめはゆっくり点滴を開始します
(点滴開始速度:初回25mg/時、2回目以降100mg/時)

 インフュージョンリアクションの発現を確認するため、リツキサン®注はゆっくり点滴を開始します。体調を確認しながら少しずつ点滴速度を上げていきます。インフュージョンリアクションは、投与速度を速くした後10〜30分くらいに起こりやすい傾向があります。投与速度を変更した後の体調変化には、特に注意しましょう。
(3)インフュージョンリアクション
こんな症状にご注意ください!
 ・寒気(ふるえ)
 ・のどの違和感(いがいが感)
 ・鼻詰まり、鼻汁
 ・かゆみ、発疹発赤
 ・発熱、ほてり
 ・目のかゆみ、流涙
 ・血圧の変動
 ・胸の重苦しさ、動悸、頻脈
症状が出てしまったら・・・?
 点滴の速度をゆっくりにしたり、一度中断したりします。また、アレルギー症状を抑えるくすりを点滴することもあります。
一度中止したら治療は中止?
 症状がなくなれば、点滴は再開できます。
(4)2回目以降は・・・大丈夫?
 1回目にみられた副作用も2回目からは少なくなる傾向にあります。
 しかし、2回目以降に初めて副作用が出る場合もあるので、気になる症状があるようでしたら、すぐに医師へお知らせください。



ページ制作:株式会社ライフメディコム/情報提供:株式会社スズケン

>> ご利用規約
株式会社スズケン