脳梗塞(のうこうそく)のくすり
指導/ 古屋大典(埼玉医科大学国際医療センター神経内科・脳卒中内科准教授)
  棚橋紀夫(埼玉医科大学国際医療センター神経内科・脳卒中内科教授)


▼処方される主なくすりの種類
 脳梗塞の再発を防ぐために、抗血栓薬(血栓を予防するくすり)を内服していただく必要があります。これには大きく分けて2種類あり、心臓病(不整脈など)が原因の場合には凝固を抑えるくすり(抗凝固薬)が、それ以外では血小板の働きを抑えるくすり(抗血小板薬)が適応となります。分類としては以下のようになります。
(1) 心原性脳塞栓症:心臓の病気が原因となり、心臓の中にできた血液の塊が脳まで流れていって、脳血管を閉塞させた状態。 ⇒抗凝固療法(凝固を抑える治療)が適応となります。
(2) 非心原性脳梗塞:高血圧、糖尿病、脂質異常症などのために動脈硬化を起こし、脳血管が狭くなることによって、ついには脳への血液供給が足りなくなった状態。 ⇒抗血小板療法(血小板の働きを抑える治療)が適応になります。
これらには以下のような薬剤の種類があります。

抗凝固薬 抗血小板薬
ワルファリン(ワーファリン)
1〜6 mg/日 分1 朝食後
アスピリン腸溶錠(バイアスピリン®
100mg/日 分1 朝食後
クロピドグレル硫酸塩(プラビックス®
50〜75 mg/日 分1 朝食後
シロスタゾール(プレタール®
100〜200mg/日 分2 朝・夕食後

▼服用上の注意点・副作用
 これらのくすりに共通の副作用としては出血症状があり、特に消化管出血は最も多いため便が黒くないか必ず確認してください。また、 “いったん出血したら止まりにくい” 場合があります。包丁など刃物で切ってしまった場合には、血が止まりにくいので落ち着いて指で押さえる(圧迫止血)ことが大切です。アスピリン腸溶錠を長期にわたって服用すると胃潰瘍などを起こすことがありますので、みぞおちの痛みや胸やけなどに注意する必要があります。クロピドグレル硫酸塩では下痢、全身のだるさを生じる場合がありますので担当医と相談してください。シロスタゾールを飲んで頭痛や動悸が起きた場合には服用を中止し、担当医や薬剤師に相談してください。

▼日常生活での指導
 ワーファリンを飲んでいる間は、くすりの効果が弱まってしまうためビタミンKを多く含む食品(納豆、緑黄色野菜など)を制限しなければなりません。ただし、抗血小板薬では納豆などを制限する必要はありません。また、抜歯、胃カメラ、手術などの際には、休薬する必要があるかもしれませんが、場合によっては服薬し続けたほうがよい場合もありますので、担当医あるいは専門医と十分に相談なさってください。



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