急性冠症候群とは
指導/上石哲生
東京医科歯科大学医学部循環器内科


▼急性冠症候群の基礎知識
冠動脈の動脈硬化 心臓は心筋と呼ばれる筋肉でできており、全身に血液を送り出す、いわばポンプとしての働きをしています。心臓が活動するために酸素と栄養を供給する血管(冠動脈と呼びます)には、体内の他の血管と同様に、年齢と共に「悪玉コレステロール」を主とした脂質が沈着します(これを「プラーク」といいます。)急性冠症候群とは、このプラークが何らかの原因で破けて、冠動脈内に血の塊(「血栓」)が急にでき、「悪玉コレステロール」が詰まったプラークが何らかの原因で破けて、血液の流れが非常に悪くなったり、血管が詰まってしまうために起こる現象をいい、強い前胸部痛を特徴とします。従来の急性心筋梗塞、不安定狭心症、心臓突然死を病気の起こる仕組みからひとまとめにした呼び方ですが、原因が同じなので治療方法にも共通部分が多くあります。(1)脂質異常症(高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)、(2)糖尿病、(3)高血圧、(4)喫煙、(5)加齢(男性45歳以上、女性55歳以上)などの危険因子が多くある人ほど、冠動脈疾患、急性冠症候群にかかりやすいといわれています。

▼急性冠症候群の治療
(1)薬物治療 狭心症発作を解消し、生活の質(QOL)を改善するための薬剤で、硝酸薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬などが使用されるのと同時に心筋梗塞への移行を抑制し、長期予防や再発防止に役立つ抗血小板薬、高脂血症薬、ACE阻害薬などが長期間併用されます。
(2)経皮的冠動脈インターベンション(PCI)インターベンション治療ともいわれ、狭くなった血管をカテーテルで広げて血液の流れを改善する血管内治療です。
(3)冠動脈バイパス術 手術により新しい血流の通路を作る方法です。

▼予防のための日常生活指導
食生活:満腹を避けて、食事に含まれる脂質を減らすことを心がけてください。
運動:水泳、ウォーキングなどの有酸素運動を1回30分程度、週3、4回行うことで急性冠症候群の予防、再発を防ぐことにつながります。腕立て伏せなどの一時的な激しい運動は血圧日常生活が上昇し、心臓に負担をかけることになりますので避けてください。また早朝と深夜には運動は避けたほうがよいでしょう。
ストレス:十分な睡眠や気分転換でストレスをうまく解消することが大切です。
飲酒、喫煙:過度な飲酒は慎みましょう。たばこを吸うと急性冠症候群が発症しやすくなります。予防のためには禁煙が必要です。

参考:JAPAN-ACSホームページ(URL http://www.japan-acs.or.jp/



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