高齢者の肺炎とは
指導/
森田篤帆 慶應義塾大学医学部呼吸器内科
福永興壱 慶應義塾大学医学部呼吸器内科


▼病気に関する基礎知識
病気に関する基礎知識 高齢者の肺炎のなかには、日常生活の場で細菌に感染して起こる市中肺炎や、胃液や唾液とともに細菌が肺に侵入して起こる誤嚥性肺炎などがあります。厚生労働省が発表した2019年のデータでは、肺炎は日本人の死因の第5位で全体の約7%を占めていますが、80代以上では10%程度を占めるようになります。発熱や咳、呼吸困難が典型的な症状ですが、高齢者では訴えが明確でないことも多いです。気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの基礎疾患がある人は重症化のリスクが高いため、特に注意が必要です。
▼治療に関する解説
治療に関する解説 まずは全身状態を把握し、重症度によって入院が必要かどうかを総合的に判断します。高齢者や基礎疾患がある人は呼吸状態が悪くなりやすく、酸素投与が必要になることもあります。各種検査で原因の微生物を絞り、入院であれば主に点滴で、外来であれば内服の抗菌薬で治療を行います。中等症以下で耐性菌のリスクも高くなく、かつアレルギーがなければ、オーグメンチンやアモキシシリンなどのペニシリン系抗菌薬を使って外来で治療をすることが多いです。
▼食事・運動などの生活における留意点
 生活習慣病やアルコール多飲は肺炎の重症化や誤嚥性肺炎のリスクとなってしまうため、バランスのよい食事をとることが大切です。同様の理由で、タバコを吸っている人はなるべく早く禁煙する必要があります。
▼再発・予防のための対策
再発・予防のための対策 肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンは、肺炎の原因の一部であるこれらへの感染や重症化を防ぐため、効果的です。また誤嚥性肺炎は、上体を起こしているだけでも発症の予防につながります。


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