再生不良性貧血(さいせいふりょうせいひんけつ)のくすり
指導/山ア宏人
金沢大学附属病院 輸血部


▼病気に関する基礎知識
 再生不良性貧血は、何らかの原因で骨髄(こつずい)の造血幹(ぞうけつかん)細胞が減少した結果、赤血球のみならず、白血球や血小板も減少する「骨髄不全症」です。病気に関する基礎知識貧血、感染症に伴う発熱、出血傾向が三大症状です。ただし、急性型では発熱や出血傾向が初発症状となることが多く、貧血はむしろ軽度です。一方、ゆっくり進行する慢性型では、高度の貧血を認めるにもかかわらず自覚症状の乏しいことが多いようです。たとえ自覚症状がなくとも、診断後はしっかりと治療を継続することが大切です。
▼治療に関する薬の解説(種類や副作用など)
 再生不良性貧血の治療には、同種骨髄移植と免疫抑制療法などの薬物療法があります。外来診療では、シクロスポリンのほか、タンパク同化ステロイド剤(メテノロン)やエルトロンボパグが用いられます。シクロスポリンは入院中にウサギ抗胸腺(こうきょうせん)細胞グロブリン(ATG)と併用して処方され、ATG終了後も一定期間継続します。また、輸血が不要な例では、しばしば単独で用いられます。主な副作用は高血圧と腎機能障害です。免疫学的機序の関与が乏しい例やシクロスポリンの効果が乏しい場合には、タンパク同化ステロイド剤が投与されます。副作用は、男性化(ひげが生える・声が太くなる)や肝機能障害です。最近、難治例や初回の免疫抑制療法実施時にエルトロンボパグを併用することもありますが、肝障害に注意が必要です。
▼食事・運動などの生活における留意点
 日頃から手洗いやうがいを励行し、感染予防に努めましょう。また、発熱や出血傾向を認めた時は、直ちに医療機関を受診しましょう。
▼再発予防のための対策
再発予防のための対策 造血が回復してもシクロスポリンを短期間で中止すると再発しやすいので、服用は自己判断で中止することなく、医師の指示に従ってください。


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