前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)とは
指導/斉藤史郎
国立病院機構東京医療センター泌尿器科 医長


▼前立腺とは
前立腺とは 前立腺は男性だけにあり、精液の主成分である前立腺液をつくる臓器です。膀胱(ぼうこう)の出口に存在し中央を尿道が通っています。前立腺は加齢とともに増大することが多く、それに伴い尿道が圧迫されて狭くなり、さまざまな排尿症状をもたらします。
▼検査方法は
 前立腺肥大症の診断には問診、直腸診、尿流測定、残尿測定、超音波検査を実施します。問診は患者さんの話しを聞くほか、国際前立腺症状スコアの質問票を用いて自覚症状を確認します。尿流測定では装置に向かって排尿をし、尿の勢いを測定します。残尿測定では排尿後、お腹に器具をあてて膀胱内に残っている尿の量を測定します。超音波検査では肛門から細い超音波(発信)装置を挿入して、前立腺の形や大きさを測定します。
▼診断は
診断 上記の検査結果から前立腺肥大症の診断と重症度の判定を行います。判定が軽症であれば治療をせずに経過をみることも可能であり、中等症なら薬物療法、重症なら手術療法が推奨されます。重要なのは、泌尿器科の専門医で適切な診断を受けて治療方法を決めることです。
▼薬物治療
 尿道周囲の組織をゆるめる作用のあるα1遮断薬が広く使用され、その他、尿道周囲組織の血行の改善や平滑筋(へいかつきん)の弛緩(しかん)を促すPDE5阻害薬、前立腺体積を縮小させる作用のある5α還元酵素阻害薬も用いられます。軽症例では漢方薬を使用することもあり、いずれの薬剤においても尿を楽に出せるようになることが期待できます。
▼手術療法
 麻酔をかけて尿道から内視鏡を入れ、電気メスやレーザーを用いて尿道周囲の前立腺を切除する手術が広く行われており、大変有効な治療方法です。数日から1週間程度の入院が必要となりますが、退院後、早期に通常の生活に戻れます。


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