糖尿病性腎症とは
指導/金澤昭雄
順天堂大学医学部内科学代謝内分泌学


▼疾患に関する基礎知識
 糖尿病性腎症は10年以上にわたる高血糖が原因で発症する病気です。最初は自覚症状がなく、尿検査で尿中の微量タンパク(微量アルブミン)が陽性になるくらいの異常しかありません。進行すると尿タンパクがさらに増加し、定性の試験紙でタンパク尿が陽性となります。自覚症状としては足のむくみが認められ、進行すると慢性腎不全となり、最終的には透析が必要となります。尿タンパクが微量であれば血糖コントロールの改善によって尿タンパクは消失しますが、腎不全となれば血糖コントロールのみで腎不全の進行を阻止することが困難となりますのでできる限り、腎症の早期診断(尿中微量アルブミンの測定)を行い、糖尿病のコントロールをすることが最も重要です。

▼食事・運動などの生活指導
 尿タンパクが微量の時期は特に運動制限の必要はありません。高血圧を合併している場合は塩分制限(7g/日)が必要となります。尿タンパクが1日で1.0g以上出ている場合は過度な運動を控え、食事療法ではタンパク質の制限が必要となります。

▼再発・予防のための対策
 予防は血糖コントロールです。血糖コントロールの指標としてヘモグロビンA1c(HbA1c)がありますが、6.5%以下にコントロールしなければいけません。腎機能が低下している場合は血糖のコントロールに加え、血圧のコントロールが重要となります。最近の研究では血圧を130/80mmHg未満にコントロールできれば腎症の進行を遅らせることがわかってきましたので、自宅で血圧を測定し、ベストのコントロールが得られるよう主治医と相談してください。
ヘモグロビンA1c(%) 評価 空腹時〔食後2時間〕血糖値(mg/dL)
8.0以上 不可 160〔220〕以上
7.0〜7.9 不良 130〜160〔180〜220〕未満
6.5〜6.9 不十分 130〜160〔180〜220〕未満
5.8〜6.4 110〜130〔140〜180〕未満
5.8未満 80〜110〔80〜140〕未満
〔科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2004(日本糖尿病学会)より引用改変〕



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