早朝高血圧の治療
指導/志水元洋
柳井市立平郡診療所
指導/苅尾七臣
自治医科大学COE・内科学講座循環器内科学部門教授


▼降圧薬の種類
 早朝高血圧の治療では、朝の時間帯に血圧が上がるメカニズムに対して効果的な薬と、効果が24時間持続することで翌朝の血圧もきちんと下げる薬が、主に用いられています。薬は1種類から開始しますが、効果が不十分な場合には、次のように性質や種類の違うものを組み合わせて治療を進めていきます。

▼早朝高血圧のメカニズムに効果的な薬
 アンジオテンシン・受容体拮抗薬(ARB):血圧を上昇させるホルモン、アンジオテンシンIIの作用を抑える薬です。後述する利尿薬との合剤が、それぞれの薬の副作用を相殺し、高い効果を発揮する薬剤として用いられるようになってきました。
 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬:アンジオテンシンIIの合成を阻害する薬です。副作用として空咳を生じることがあります。
 α遮断薬:血管を収縮させる交感神経の働きを抑えて血圧を下げます。急に立ち上がったときには、めまいやふらつきが起こることがあります。

▼効果が24時間持続する薬
 1日1回の服用で効果が不十分な場合には、朝と夜の2回に分けて服用することもあります。
 カルシウム拮抗薬:血管を拡張させることで血圧を下げます。安全性が高く確実に血圧を下げることから、幅広く用いられている薬です。副作用として、顔のほてりや紅潮・動悸・むくみなどが出現することがあります。
 利尿薬:尿として、体内の塩分や水分の排泄を促すことで血圧を下げます。熱の高いとき、下痢や嘔吐をしているときなどには、脱水を起こす場合があるため、主治医とよく相談しましょう。また、痛風や高尿酸血症、糖尿病に悪影響を与えることもあります。
▼注意点
 病院の診察室で血圧を測るだけでは早朝高血圧を発見できません。朝の血圧は家庭用血圧計を使って、簡単に継続して調べることができるため、家庭で測った血圧が治療の目安として用いられます。降圧薬を開始してからも、家庭での血圧測定を続けるようにしましょう。



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