アトピー性皮膚炎(ひふえん)のくすり
指導/出来尾 格
東京女子医科大学東医療センター皮膚科


▼病気に関する基礎知識
アトピー性皮膚炎の三要素 アトピー性皮膚炎は、ドライスキン(乾燥肌)、アレルギー炎症(皮膚炎)、痒み知覚異常(かゆみちかくいじょう)の3つの状態が同時に起こることにより、慢性的に痒い皮膚症状が現れる病気です。肘(ひじ)の内側などの狭い範囲だけの症状から、全身の広範囲にわたる症状まで、重症度は患者さんによって大きく異なります。
▼治療薬のいろいろ
治療薬のいろいろ 外用薬として、ドライスキンに対するスキンケアを目的とした保湿薬と、アレルギー炎症を抑えるためのステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(なんこう)が用いられます。タクロリムスには、炎症を抑えるだけでなく皮膚の浅い層に入り込んでいる痒み神経を短くして知覚異常を抑制する作用もあります。
 内服薬で最もよく処方されるのは、花粉症など他のアレルギー疾患にも用いられる抗アレルギー薬です。この薬は、急性期の改善効果だけでなく再発抑制作用もあるので、継続して内服することが望まれます。また、漢方薬が有効な場合もあります。重症の場合はシクロスポリン【免疫抑制薬(めんえきよくせいやく)】や短期間のステロイド内服薬を用いることもあります。これらの薬は血液検査による副作用のチェックが必要な場合があります。
 薬での治療は一見ただつらい症状を抑えるだけの対症療法(たいしょうりょうほう)のようですが、そうではありません。皮膚症状が持続すると炎症を起こした皮膚にアレルゲンが触れることによりアレルギー体質が悪化する一方ですが、良好な状態を保ち続けることで症状がぶりかえしにくい皮膚になることが望めます。
▼再発・予防のための対策
普段から正しいスキンケアや治療を行って、症状を抑えておくことが大切です。多忙などにより治療がおろそかになると、ウイルス感染や細菌感染を起こして緊急入院が必要となる場合もあります。こじらせないように注意してください。


ページ制作:株式会社ライフメディコム/情報提供:株式会社スズケン

>> ご利用規約
株式会社スズケン