認知症とは
指導/鳥羽研二
杏林大学医学部高齢医学教室教授


▼「認知症」とは何でしょうか?
 齡を重ねることは悪いことだけではありません。判断力や思考力は、むしろ年をとるごとに熟成・向上することがわかっています。70歳の方では、20歳の大学生の2倍以上の「語彙=ボキャブラリー」があることも最近の調査でわかりました。しかし、トランプの神経衰弱や単語の丸暗記のような記憶力は少しずつ低下していきます。けれども、生活に差し障りがない限りは無害で、年齢相応の物忘れとして、あまり気にせずお過ごしいただけます。
 家計簿、預金口座での年金管理、旅行の計画などができなくなってきたときこそが、加齢だけではない、脳の病気としての物忘れが考えられ、認知症の始まりを疑います。「あれ、あの書類どこにしまったっけ?」とか、「お母さん、いつもその話ばっかり」といったエピソードが次第に出てくれば、ほぼ初期の認知症と疑えます。早い段階で専門医(老年病科、神経内科など)に相談しましょう。最近では気軽に相談できる「物忘れ外来」が増えています。

▼生活指導
 認知症については、適度の運動、魚食・野菜を含むバランスの良い食事、趣味を生かした生活などが予防・治療に有効とわかってきました。軽症であれば、アリセプト®、などの薬物療法もより有効です。
 どのような原因の認知症でも、血圧のコントロールが悪い方や、血糖値の高い方では、物忘れの悪化が早くなることが知られています。物忘れと同時に全身の健康管理についてもかかりつけ医にご相談ください。
表 物忘れ予防、認知症進行予防の生活習慣
頭を多様に使う

気分転換をする

常に好奇心をもつ

読書をする

囲碁・将棋・マージャンなどのゲームをする

絵画・音楽・俳句などの趣味をもつ

適度の運動

過度の喫煙・飲酒を慎む

魚食、ビタミンEを含むバランスのよい食事




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