前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)のくすり
指導/斉藤史郎
国立病院機構東京医療センター泌尿器科 医長


▼前立腺とは
 前立腺は男性だけにあり、精液の主成分である前立腺液をつくる臓器です。膀胱(ぼうこう)の出口に存在し中央を尿道が通っています。前立腺は加齢とともに増大することが多く、それに伴い尿道が圧迫されて狭くなり、さまざまな排尿症状をもたらします。
▼症状は
国際前立腺症状スコア 尿の勢いが弱くなるため、排尿時お腹に力を入れる必要があり、尿が出てくるまでに時間がかかる。尿の回数が増え、夜何回も尿に起きるようになる。排尿後も尿が残っている感じがして、尿をがまんしづらい。これらの症状があると前立腺肥大症が疑われます。右の表(国際前立腺症状スコア)を用いてご自身の排尿症状に点数をつけてみてください。合計点が8点以上なら前立腺肥大症の治療が必要な可能性があり、20 点以上だと重症です。
▼治療は
 重症な症例は外科的治療が推奨されますが、中等症程度(8〜19点)のものであれば内服治療も可能です。内服薬としては、尿道周囲の組織をゆるめる作用のあるα1遮断薬が広く使用され、タムスロシン、シロドシン、ナフトピジルなどが用いられています。PDE5阻害薬はcGMPの分解を阻害して血行の改善や尿道周囲の平滑筋(へいかつきん)の弛緩(しかん)を促します。前立腺体積の大きなものでは5α還元酵素阻害薬であるデュタステリドを用いて体積の縮小を図ります。また、植物製剤や、漢方薬の八味地黄丸(ハチミジオウガン)は前立腺肥大症に伴う前立腺の炎症を抑えて症状を改善させます。いずれの薬剤においても尿道の抵抗が少なくなり、尿を楽に出せるようになることが期待できます。
▼注意点は
 排尿の異常を来す疾患はいろいろとあります。上記のような症状が現れたら必ず泌尿器科の専門医に相談してください。適切な診断を受けて治療を行わないと病状が悪化したり、他の病気の存在が見逃されたりする可能性があります。
▲TOP


ページ制作:株式会社ライフメディコム/情報提供:株式会社スズケン

>> ご利用規約
株式会社スズケン