治療抵抗性(ちりょうていこうせい)高コレステロール血症のくすり
指導/塚本和久
帝京大学医学部内科学講座 教授


▼病気に関する基礎知識
 治療抵抗性高コレステロール血症は、一般に使われているコレステロールの薬では十分にコレステロール値が下がらない「家族性高コレステロール血症(FH)」を指します。FHは、悪玉コレステロール(LDL)を細胞に取り込むタンパク質やそれに関連するタンパク質の異常により起こる病気です。ヘテロ接合体と、より重症のホモ接合体があり、いずれも心筋梗塞などの動脈硬化が起こりやすくなります。ホモ接合体の方は皆さん治療抵抗性ですが、ヘテロ接合体の方の中には通常の内服薬で目標値を達成できる方もいます。 家族性高コレステロール血症の遺伝子を持つ例
▼治療に関する薬の解説
 治療抵抗性の場合は、内服薬に加えて、2〜4週間に1回注射するPCSK9阻害薬を使います。この薬は、自分自身で注射することができますので、使用説明書を受け取り、薬剤師の説明を十分に聞いてお使いください。副作用はそれほどありませんが、気になることがあれば担当の先生にご相談ください。
 なお、ヘテロ接合体の方のほとんどはPCSK9阻害薬でコレステロール値は十分に下がりますが、ホモ接合体の方ではPCSK9阻害薬を用いても不十分な場合が多く、ロミタピド(ジャクスタピッド®)という内服薬を使ったり、LDLアフェレシスという強制的に血液からLDLを取り除く治療を行います。ロミタピドは脂肪便や脂肪肝といった副作用が出やすい薬なので、注意が必要です。
▼食事・運動などにおける留意点
 エネルギー摂取制限、飽和脂肪酸・コレステロール制限、肥満対策などが必要です。担当の先生から運動を許可されている方は、積極的に運動をしましょう。
▼薬は続けましょう
再発・予防のための対策 薬を中断すると、コレステロール値は再び高くなり、心筋梗塞などの動脈硬化のリスクが上がります。きちんと通院を続け、コレステロール値や副作用をモニターしましょう。
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