過敏性腸症候群−くすりと日常生活の注意−
指導/大和 滋
国立精神・神経センター国府台病院消化器外来部長


過敏性腸症候群とは
 通常の検査でははっきりとした異常がみつからないにもかかわらず、おなかの痛みや膨満感などの不快な症状と、下痢や便秘など便通の異常が起こる病気です。腸の動きのアンバランスや内臓の感覚が過敏であることが原因と考えられています。食後や出社・登校時、ストレスがかかったときなどに症状が強くなり、睡眠中やゆったりした気分のときにはそれほど症状が出ないのが特徴です。決して珍しい病気ではなく、症状の軽い人も含めると、日本の全人口の15〜20%が過敏性腸症候群であるといわれています。

▼内服薬について
 過敏性腸症候群に対するくすりは、まず一般的に使われるものと、次にその人の最も困っている症状、たとえば腹痛、下痢、便秘といった個別の症状に対するものに大きく分けられます。
一般的に使われるくすり
 高分子重合体(ポリフル®、コロネル®)、
消化管運動調節薬(セレキノン®
2個別の症状に対するくすり
 腹痛:抗コリン薬(イリコロン®、チアトン®、トランコロン®、ブスコパン®
下痢:乳酸菌製剤(ビオフェルミン®など)
便秘:下剤(酸化マグネシウム、ラキソベロン®など)

▼日常生活上の留意点
 検査で明らかな異常がなくても症状が起こる「過敏性腸症候群」という病気の存在と、これに悩む人は多いと知ることが治療の第一歩です。症状の強さは日によって違い、かなり長く続くこともありますが、主治医から処方されたくすりを気長に飲むことをお勧めします。規則的な食事や睡眠、健康的な生活パターンが良いことはもちろんですが、現代の生活ではなかなか難しいため、趣味や運動、自然に触れることなどでうまくストレスを解消することが賢明でしょう。


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