前立腺肥大症のくすり
指導/大東貴志
慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室講師


前立腺肥大症とは
 前立腺肥大症とは前立腺の中の尿道を取り巻く部分が加齢に伴い大きくなることによって引き起こされる症状です。この症状には「尿の出が悪くなった」「尿が出始めるまで時間がかかる」「夜中に何度もトイレに起きる」「尿を我慢するのがつらい」などといったさまざまなものがあります。

▼前立腺肥大症の治療に用いられるくすり
(1)尿を通りやすくするくすり
タムスロシン(ハルナール®)
ナフトピジル(フリバス® 、アビショット®

 これらのくすりはα遮断薬といって、前立腺の緊張を緩め、尿を通りやすくする働きがあります。くすりをのみ始めるとすぐに効果が認められることが多いのですが、肥大した前立腺そのものは小さくなりません。症状が良くなったからといってのむのをやめてしまうと、ほとんどの場合は再び症状が出てきます。α遮断薬はもともと血圧を下げるくすりの仲間ですから、副作用として立ちくらみやめまい、脈が速くなることがあります。

(2)前立腺を縮めるくすり
クロルマジノン(プロスタール®、プロスタット®
アリルエストレノー ル(パーセリン®、ペリアス®

 このくすりは男性ホルモンを抑制して前立腺を小さくします。そのため、勃起不全や性欲の減退を起こします。また時に心不全や血管が詰まる血栓症を起こす場合もありますので注意が必要です。

(3)その他
エビプロスタット、漢方薬など
 これらのくすりは昔から用いられてきた植物由来のくすりで、副作用が少ないという利点があります。しかしα遮断薬と比べると前立腺肥大症に対する効果は一般的に弱い傾向にあります。

▼一般的な生活上の注意
 尿をためすぎると膀胱の収縮力が弱くなり、尿が出にくくなることがありますので、あまり我慢しないようにしましょう。過度の飲酒によっても急に尿が出なくなることがありますので気を付けましょう。トイレが近い患者さんは体を冷やすことによって症状が悪化しますので、保温を心がけてください。


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