子供の中耳炎
指導/山中 昇
和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科教授


 急性中耳炎は、突然耳の痛みや発熱の症状を訴えることが多い病気です。乳幼児では言葉で伝えることができないので、耳をよくさわる、不機嫌、食欲が落ちるなどの行動に現れます。熱が出る乳幼児の病気としては最も頻度の高いもののひとつですので、2歳以下の子どもの発熱では、まず急性中耳炎を疑う必要があります。

Q&A
Q 最近の急性中耳炎が治りづらいのはなぜですか?

A 急性中耳炎の約80%は肺炎球菌とインフルエンザ菌という細菌により起こります。最近ではこれらの細菌の50〜70%が抗生物質の効きにくい薬剤耐性菌になっているために、急性中耳炎が治りづらくなっているのです。

Q 発熱や痛みがなくなっても抗生物質をのまなければいけませんか?

A 急性中耳炎の症状と鼓膜の状態を観察すると、発熱や痛みは3〜5日のうちに90%の子どもでほとんどなくなりますが、鼓膜の赤みや腫れなどの耳の症状は、完全に治るまでに2〜3週間かかります。したがって、発熱や痛みがなくなっても抗生物質をやめてはいけません。耳の中の細菌を完全になくすためには、少なくとも1週間はくすりをのむ必要があります。


Q 鼓膜切開を何回も行うと鼓膜の穴がふさがらなくなるおそれはないのですか?

A 急性中耳炎では鼓膜の内側に膿(うみ)がたまって発熱や耳の痛みを引き起こします。したがって、鼓膜に麻酔をしてから切開して膿を出すと、急速に熱や痛みがなくなります。特に薬剤耐性菌による中耳炎の治療には有効です。鼓膜切開のあとは3〜4日でふさがりますので、切開を繰り返しても心配ありません。


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