過活動膀胱のくすり
指導/後藤百万
名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学教授


過活動膀胱では、突然強い尿意を感じて(尿意切迫感)尿が漏れてしまったり(切迫性尿失禁)、排尿回数が非常に多い(頻尿)などの症状が出現します。加齢による膀胱機能の変化、脳出血や脳梗塞、パーキンソン病などの神経の病気、前立腺肥大症のために膀胱が過敏になって起こるものですが、原因不明のことも少なくありません。

▼過活動膀胱の治療で用いるくすり
膀胱にはたらきかけるくすり
●塩酸プロピベリン(バップフォー®
過活動膀胱では、尿が膀胱にたまってくると、意識しないのに膀胱が勝手に収縮してしまうために、いろいろな症状が起こります。このくすりは、副交感神経(膀胱を収縮させる神経)の興奮を抑制し、膀胱の筋肉の収縮を抑えるので、尿がたまってきても膀胱がむやみに収縮を起こさなくすることができます。

●塩酸オキシブチニン(ポラキス®など)
副交感神経の興奮を抑え、膀胱の筋肉をゆるめるので、膀胱が勝手に収縮するのを抑え、ためられる尿の量が増え、尿失禁や頻尿、尿意切迫感を解消します。
これらのくすりには「抗コリン作用(副交感神経の興奮を抑える)」という特徴的な作用があります。これにより頻尿や尿失禁を解消できるのですが、同時に口や喉がかわく、便秘・下痢、尿が出なくなる、眠気やふらつきといった副作用が出ることもあります。たいていは服用を続けるうちに軽くなったり、薬の量を減らすことで解消できますが、つらいときは医師に相談しましょう。
また、眼科で「閉塞隅角緑内障」「狭隅角緑内障」「狭隅角眼」といわれたことのある人は眼圧が上がってしまうので、医師や薬剤師にその旨をお話しください。

尿道にはたらきかけるくすり

●α遮断薬(ハルナール®、フリバス®など)
尿道の収縮をつかさどる交感神経のα(アルファ)受容体に刺激が伝わらないようにブロックするので、このような名前がついています。尿道をゆるめて尿の出をよくし、残尿を減らす作用があります。前立腺肥大症と過活動膀胱が合併しているときに、排尿障害の治療のために用います。ときに、めまいや立ちくらみ、脈が速くなる、急に立ち上がるとふらつくことがあります。血圧のくすりを飲んでいる人は医師や薬剤師にお話しください。

 

このほかのくすり
抗うつ薬の中にも頻尿や尿失禁を改善するので使用されるものがあります。また、現在、副作用の軽い、さまざまな新しい薬が開発されつつあります。


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