新型ノロウイルスにご注意!2015年〜2016年は大流行の可能性も
 


 

ウイルスなどが原因となって発症する胃腸炎、「感染性胃腸炎」(流行性嘔吐下痢症)。“ノロウイルス”と聞くと、ピンときますよね。昨年、川崎市における食中毒を含む感染性胃腸炎の患者から採取した検体を調べたところ、新しい遺伝子型のノロウイルスが発見されました。2015年1月以降で広域流行を引き起こしていたことも確認され、今シーズンは大流行の可能性があり、厚生労働省から注意が呼びかけられています。



  感染性胃腸炎とは
   

感染性胃腸炎(流行性嘔吐下痢症)は、ウイルスや細菌、寄生虫などが原因となって発症する胃腸炎のこと。 「感染性胃腸炎」は、これら胃腸炎の総称です。私たちがよく耳にする感染性胃腸炎のウイルスは、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、サポウイルス等。 ロタウイルス、アデノウイルス、サポウイルスによる胃腸炎は、乳幼児によく見られます。

症状は病原体により異なり、また個人差もありますが、下痢、嘔吐、悪心、腹痛、発熱などをきたします。 ロタウイルスを原因とする場合は、便が白色になることもあります。 また水のような下痢、血便となる場合も多いです。症状が重い場合や乳幼児、高齢者など抵抗力の弱い人は脱水症状をおこすこともあります。高齢者の場合は吐瀉物による誤嚥性肺炎や気道の閉塞による窒息の恐れもあるため、注意・観察が必要です。


  2015年〜2016年は大流行の可能性
   

2014年秋、川崎市における食中毒を含む感染性胃腸炎の患者から検体を採取し調べたところ、今までに流行したことがない遺伝子型のノロウイルスが発見されました。この型のノロウイルスそのものはもともと存在していたのですが、過去に流行したことがないことから、人に免疫がないため大流行するおそれがあるとし、厚生労働省からも注意が呼びかけられています。感染経路や症状はこれまでと変わりはなく、手洗い、うがい、吐瀉物の処理時には注意が必要です。


  ウイルス性の感染性胃腸炎の予防
   
  • 大切なのは手を洗うことです。特に排便後、また調理や食事の前には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
  • 使い捨て手袋、マスクエプロンの着用。便や吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、処理後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
  • カキなどの二枚貝を調理するときは、中心部まで十分に加熱しましょう。(中心温度85℃1分以上の加熱が必要です)
  • 感染者が使用した食器やリネン、衣類等を洗浄する場合は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)を使用し、消毒するようにしましょう。感染者がうがいや嘔吐した場所についても、同様に消毒が必要です。

  ウイルス性の感染性胃腸炎の治療
   

水分と栄養の補給が大切です。 ウイルスを原因とする感染性胃腸炎への特別な治療法はなく、症状を軽減するための処置(対症療法)が行われます。
乳幼児や高齢者では下痢等による脱水症状を生じることがありますので早めに医療機関を受診することが大切です。特に高齢者は、誤嚥(嘔吐物が気管に入る)により肺炎を起こすことがあるため、家族による観察が必要です。
嘔吐の症状がおさまったら少しずつ水分を補給し、安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるよう心がけましょう。
止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。


  ウイルス以外(菌、寄生虫)の感染性胃腸炎
   

上記のウイルス性以外にも、細菌の場合は、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター菌が、 寄生虫の場合は、クリプトスポリジウム、アメーバ、ランブル鞭毛虫が感染性胃腸炎の病原体となります。

  • 腸炎ビブリオ
    腸炎ビブリオによる食中毒の原因食品は主に魚介類です。7月〜9月にかけて発生する食中毒の主要原因菌の一つです。潜伏期間は12時間前後で、激しい腹痛に加えて水様性の下痢、粘液便、吐き気、血便、発熱といった症状がみられます。一両日中に軽快します。
  • サルモネラ菌
    家畜のウシ、ブタ、トリに常在しています。感染した場合、健康な成人の場合は胃腸炎にとどまることが多いですが、小児や高齢者の場合は重篤となる場合があります。8〜48時間の潜伏期間を経て発病し、嘔吐にはじまり腹痛、下痢を引き起こします。この症状が3日?一週間続きます。治療は基本的に、脱水の補正および、腹痛など胃腸炎症状の緩和を中心とした対症療法を行います。
  • カンピロバクター菌
    カンピロバクター菌にはさまざまな種類がありますが、「カンピロバクター感染症」の場合はほぼ食中毒と同義です。5月〜6月に多く発生し、7月?8月に落ち着き、9月〜10月に再び増加の傾向が見られます。水様性の下痢、粘液便、嘔吐、血便、発熱、悪寒、倦怠感といった症状がみられます。多くの患者は自然治癒します。
  • クリプトスポリジウム
    ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミなどの腸管寄生原虫です。水道水や食品を介して感染します。潜伏期間は3日〜10日で、水様性の下痢、粘液便、嘔吐、血便、発熱、悪心、食欲低下などの症状がみられ、数日〜2週間程度続き、スポーツ飲料などの電解質水の摂取などを続け、自然治癒します。激しい下痢が続き場合は止瀉剤が用いられます。
  • ランブル鞭毛虫
    糞、口感染で、人と人の接触、食品や水を介して感染します。熱帯・亜熱帯に多く、とくに発展途上国への旅行や人との交わりがリスクファクターとなります。下痢、衰弱感、体重減少、腹痛、悪心、脂肪便(大便に過剰な脂肪が含まれている状態の便。水に浮き、油っぽい見た目で、非常に臭い)といった症状が見られます。治療には薬を用いますが、健康保険の適用外です。(2015年11月時点)

参考:NIDD 国立感染症研究所


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