乳がん〜年に一度は検診に行こう!11人の一人は乳がん
 


 

海外の女優が乳房の摘出手術をしたことが大きなニュースになったり、民間企業が社会貢献活動として「ピンクリボン運動」をアピールしたり、またインターネット上でも女性が気をつけなければならない病気として「乳がん」が取り上げられたり…「乳がん」そのものや、早期発見が大切であるという点が認識されてきています。“11人に一人が乳がん”と聞くと、とても人ごとではないでしょう。乳がんについて知識を深め、自己チェックできるようになり早期発見・早期治療につなげましょう。



  乳がんは、女性がかかるがんのTOP
   

2015年の厚生労働省の調査によると、全死因の第一位は「悪性新生物」(一般的は“がん”と言われます)です。女性における主要部位別の罹患率では「乳房」が1位。しかし死亡率では「乳房」が4位で、死亡数は13,240。毎年5〜6万人が乳がんにかかり、一万人程度が乳がんで亡くなっています。

乳がんは、30代後半から増え始めます。40代後半〜50代前半が最も多くなります。女性が働き盛りのこの時期に、乳がんの罹患率が急激に増え始めるのです。

罹患率が高いのに、検診率が低い
肉類や乳製品など、動物性タンパク質や脂質といった乳がんのリスクを高めるライフスタイル、欧米的な食生活への変化にともない、日本の乳がんの罹患率は増加しています。しかし、日本の乳がん検診(マンモグラフィ検診)の受診率は20数%と、日本よりも乳がん患者数が多い欧米よりもはるかに低い状況です。アメリカでも80%を超えています。
各地方自治体や企業からマンモグラフィ検診のクーポン件は配布されるなど受診の機会は増えつつありますが、仕事も家庭も多忙な時期だったり、受診できる医療機関がまだ少なく、距離が遠いといった課題もあり、なかなか受診に至らないのでしょうか。しかし、乳がんは早期のうちに発見・治療ができれば死亡率を下げることができます。助かるには早期発見がカギです。


  乳がんの症状
   

症状を知って自己チェックを習慣に
乳ガンは母乳を分泌する乳腺という組織にできるガンです。他のがんと比較し、ゆっくりと増殖し、1cmのがんになるのに7年程度はかかるといわれています。
乳ガンを早期に発見するには、まずは乳がんについて知り、最低月に1回、乳房を自分で触ってみる自己検診を行うことが大切です。しこりなどの症状がみられたらすぐに乳腺外科や乳房外来、または外科の診療科がある病院で検査を受けましょう。しこりなどが見られないときも、30歳以上の方は年に1回は乳ガン検診を受けるようにしましょう。

乳房のしこり
乳ガンの代表的な症状は乳房のしこりです。乳がんが5mm〜1cmになると、自分で触って気づくようになります。しこりは硬くてごりごりしていて痛みはほとんどありません。
自己チェックは、お風呂で石けんをつけた手で4本の指を添えて、脇の下から乳首まで「の」の字を描くように、しこりや硬いこぶがないか、乳房の一部が硬くないかさわります。
しこりは良性のケースが多いですが、気づいたらすぐに医師に相談しましょう。

乳頭からの分泌地物
妊娠中や出産直後または授乳中ではないのに、乳頭から乳汁や茶褐色の血液のようなものが分泌される場合があります。
自己チェックは、乳頭とつまんだ時に、茶褐色の分泌物の有無を確認します。

乳房のへこみやひきつれ、皮膚の異常
乳がんが皮膚の近くにできると、乳房がえくぼ状にへこんだり、ひきつったり、あるいは赤く腫れたりすることがあります。このしこりが無い乳がんは「炎症性乳がん」で、進行が早く、比較的若い人に見られると言われ、乳房の皮膚の毛穴が目立つようになります。感染性の炎症を疑われることもあり、まずは抗生物質を処方されるケースがありますが、症状が改善しない場合は、乳腺外科を受診してください。

わきの下の腫れ、しこり、腕のしびれ
乳がんがわきの下に転移すると、わきの下のしこりを確認できるようになります。しこりに神経が圧迫されますので、腕にしびれを感じることがあります。

乳腺にできたガンが大きくなってくると、周囲の脂肪組織にガンが広がっていき、次第に筋肉や乳房表面の皮膚までガンにおかされていきます。肋骨まで転移してしまう場合や、乳腺の中にあるリンパ管に転移して全身のリンパ節にガンが転移したり、乳腺の中にある血管を介し、血流にのって肺や骨などに転移してしまうこともあります。


  現代の女性はリスクが高い!乳がんの主なリスクファクター
   

乳ガンの発病には、エストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンが影響しています。エストロゲンは、月経をコントロールする働きのあるホルモンで、乳ガンの発生や増殖を促進する働きもあるといわれています。

エストロゲンは、妊娠中や授乳中に分泌が抑えられますが、現代女性は初潮が始まるのが早かったり閉経が遅かったり、生涯出産を経験しないなど、エストロゲンの影響を受けている期間が長いため、乳ガンを発病するリスクが高くなっています。また、女性の社会進出により、未婚の人や、初産が30歳以上、出産後は仕事復帰するために授乳を早く切り上げるというケースも珍しくなくなってきました。こういった方もエストロゲンのバランスが崩れやすく乳ガン発病のリスクが高くなります。さらに、閉経後は卵巣でつくられていたエストロゲンが脂肪細胞で合成されるようになります。そのため、肥満気味で体脂肪の多い人も要注意です。

チェック!乳がんのリスクファクター
初潮が始まるのが早かった、または50歳以上で閉経になった

  • 30歳以上で未婚、あるいは出産の経験がない
  • 出産したのが30歳以前でも、子どもに母乳をあげなかった
  • 初潮が11歳以下
  • 初産年齢が30歳以上
  • 閉経が55歳以上
  • 子宮内膜症などで、エストロゲン製剤を長期間服用している
  • 乳腺の良性疾患にかかったことがある
  • 肥満気味
  • 脂肪が多い食事をとっている
  • 飲酒料が多い(毎日コップ2杯以上の飲酒)
  • 子宮がん、卵巣がんにかかったことがある
  • ホルモン補充療法を受けている
  • 家族や血族に乳ガンを発病した人がいる

※更年期障害を改善するための治療法のひとつ。骨粗鬆症の予防やアンチエイジングの効果が期待されいています。


  乳がんだとわかったら
   

信頼できる医師がいる医療機関を選ぶ
乳がんかな?と思った時、乳がんであることがわかった時、乳腺専門医がいる医療機関での受診がおすすめです。個人医院や総合病院の乳腺外来など、専門医がいるかどうか、また専門医の診察可能時間などを、インターネットや本であらかじめ情報収集しておきましょう。

乳がんだとわかると、乳がんであることを告知し、患者に合った治療法の提案がなされます。乳がんは一人ひとりタイプや状態が異なり、それにより治療方法の選択肢も変わってきます。また医療機関によって治療方針が異なる場合もあります。そして乳がんは5年、10年とつきあっていく可能性がある病気です。したがって、治療方針についてメリット・デメリットなどをわかりやすく説明してもらえるか、質問することができるか、セカンドオピニオンのための紹介状や資料を用意してもらえるか、今後よいコミュニケーションを築いていけそうかどうか、も医療機関選びのポイントになってきます。

乳がんのタイプや状態、性質、進行度などを知って治療方針を検討する
乳がんが疑われたら、様々な検査によってタイプや状態、性質、進行度を確認します。
乳がんは様々な要素で分類され、それによって治療方針が異なります。まず大きくは、がんが乳腺の組織の中にとどまっている「非浸潤がん」と、がん細胞が乳腺の外に出て周辺の組織にまで進出している「浸潤がん」があります。「非浸潤がん」は早期の乳がんで、がんの部分のみを切除することで他の臓器などへの転移の心配がないと考えられています。「浸潤がん」は血管やリンパ管に入り込み、遠く離れた臓器にまで転移している可能性があります。したがって、「非浸潤がん」の段階で発見し、治療することが望ましいと言えます。ところが、この「非浸潤がん」の段階では、自己チェックでしこりに気づくことが困難です。しかしマンモグラフィ検診であれば見つけることができますので、定期的に検診を受診することが大切です。

他にも、がん細胞のもつ性質(増殖能力、再発リスクの予測など)といったサブタイプ、悪性度(グレード)、進行度(ステージ)、しこりの位置や数などを確認し、また患者の年齢・体力なども考慮して、治療方針を検討します。
これらは個人によって異なりますので、他人の治療と自分の治療の方法も異なります。検査により自分の乳がんの状態や性質などを理解しましょう。

乳がんの治療法
主な治療法としては、手術(部分切除/乳房切除)、ホルモン剤を服用するホルモン療法、抗ガン剤を使う化学療法、ガン細胞に放射線を照射する放射線療法などがあり、基本的には複数の治療法を組み合わせた治療が行われます。

女性が乳房を失うことは、精神的にとても大きなダメージを伴います。以前はガンの再発や転移を防ぐため、ガンがある方の乳房全体、すなわちガン細胞と胸の筋肉、わきの下のリンパ節を切除する方法が主流でした。しかし、美容上の理由や、腕の筋肉が上がらないなどの後遺症が残ること、部分切除と全体切除のその後の生存率が大きく変わらないことがわかってきたので、乳房周辺の筋肉や神経を残すような手術方法や、乳房をできるだけ残す乳房温存手術が行われるようになってきました。また、乳房を切除してしまった場合も、状態によっては、背中やおなかの皮膚の一部を、皮下脂肪や筋肉ごと胸に移植して乳房を再建する乳房再建手術を適用できるようになってきました。
しかし部分切除は、しこりの大きさ、数、手術後に放射線治療※が受けられるかどうかなどの条件があります。 治療方針を検討する際に、 検査結果をよく理解し、希望の優先順位を医師に相談しましょう。

※放射線を照射しがん細胞のみにダメージを与えます。妊娠中や進行がん、過去にも同じ部位に放射線治療を行ったことがある場合は適用できません。また乳房再建手術も難しくなるといったデメリットがあります。

参考:健康Salad


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